ケープでは感じられない
匂い。
次の日まで消えない。
舞台に上がる時、和服を着る時のみに纏うあの匂い。
たぶん私にしかわからないあの香り。
きつくて鼻をつんとさすあの匂い。
大好きだ。
InstagramをはじめとするSNSで視覚と聴覚を刺激すれば、私たちはどこにだって飛んでいける。
ヨーロッパに旅行している人の写真やInstagramのストーリーを見れば、(音付きのストーリーなら尚更)まるで自分が旅行しているかのような非日常を束の間ではあるが、味わえる。
こんなに技術は発達しているのにどうやらSNSで嗅覚を刺激することはまだ難しいらしい。
私達が情報に囲まれてどうしようもなくなった時、その情報に匂いという愛着や嫌悪感を感じられるのだろうか。どうか無機質・無臭でありませんように。
匂いは感情だ。
現に嗅覚は感情や本能を司る脳の大脳辺縁系に直結するため大きな影響力を持つ。
匂いは思い出をも引き起こす。
もう今は亡き人との思い出だって香りを嗅ぐと、鮮明にその時の情景を思い出す。
私は香りや匂いが好きだ。
思い出をカプセル状にしたらその思い出はどんな香りがするのだろう?
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