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アキレス腱断裂術後症例リハビリの流れ


アキレス腱断裂手術適応と運動療法の目的

手術のする目的


  断裂したアキレス腱を早期から組織修復を行う。
  下腿三頭筋の機能を再獲得し、再び底屈運動を獲得する。 
上記を考慮し手術適応としては、競技レベルのスポーツをしており、早期の復帰を希望する方や再断裂を起こしたくない方です。
保存療法は、日常的にスポーツをしていない方や手術の合併症が気になる方は保存治療を選択する傾向です。
どちらにしても、医師と患者が話し合い選択していく。

運動療法の目的


・縫合部の周辺組織の過度な癒着を防ぐ
・エロンゲーションを極力起こさない
・足関節の背屈制限の改善
・段階的な底屈筋強化

手術方法の例

Krackow法

足関節が底屈30~40°に保持されるように腱を縫合。この場合,膝関節90° 屈曲位での底屈位固定となる。腱の縫合後は吸収糸を用いて,パラテノンを縫合する。

SLLS法で縫合することで術後固定を必要としない

早期から関節可動域練習を行える十分な強度があると報告されている

術後早期から運動療法を取り入れることでアキレス腱の修復が早まり早期スポーツ復帰が可能となると報告されている

アキレス腱の治癒過程と治療経過


術後:足関節底屈位にてギブス固定2-3週程度(OPE方法によっては固定をしない方法もある)

ギプス固定解除後:短下肢装具着用し底屈位にて荷重許可

(荷重量はDrの判断による。松葉杖を使用し部分荷重開始するケースもあれば疼痛自制内で荷重許可しリハビリに任せられるケースも)

・段階的に足底板の除去・底屈の角度を徐々に下げていき、背屈位にもっていく

(足底板の除去の経過はDrの指示に従う。1週ごとや2週ごとなどさまざま)

短下肢装具解除後:正常な歩行の獲得を目指し、段階的な背屈制限の改善・底屈筋力の強化


評価方法と負荷の基準

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