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映画感想2024

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記事一覧

映画感想『オッペンハイマー』

原題「OPPENHEIMER」 冒頭、アインシュタインとオッペンハイマーの印象的な“密談”シーン。 印象的なアングルでこの2人の会話に疑問を持たせる。 そしてこの物語を締め括る“事の発端”がまさしくこの会話シーンだったと明かすまるで探偵ものの様なネタのばらし方。 シナリオ構成としては実に自分の好きな作家さんの作り方と似ていて嫌いじゃない。 今作は『オッペンハイマーと言う人間と原爆開発』『ルイス・ストローズの企て』『ストローズの議会公聴会招集』と言う3つのテーマが織り込ま

映画感想『DOGMAN ドッグマン』

原題「DOGMAN」 絶望的な人生を犬たちに助けられ人間より犬を愛し犬と意思疎通する男の話。 そして宗教を絡ませた背景に児童虐待、身体障碍、保護犬、女装家とマイノリティに寄り添ったアンチヒーローものだ。 観る前はリュック・ベッソンぽく無いのでは?と思ったけど観終わったらしっかりリュック・ベッソンだった。 今回の主人公は下半身麻痺と言うハンデを持ちながらも創意工夫で立ち回りを見せ、何処か『レオン』や『ニキータ』『ANNA』に通ずるものがある。 犬達を使って懲悪する姿はどこ

映画感想『犯罪都市 NO WAY OUT』

原題「THE ROUNDUP: NO WAY OUT」 ジャジャーン!いやぁ、パワーアップしてたねぇソクト兄貴! もうこうなったら『ゴジラvsコングvsソクト兄貴』みたいな? いや1人アベンジャーズとも言えるか。 身体はハルクだし筋肉スーツビルトアップさせる鉄人だし飛び道具無しの接近戦はキャプテンだしね。 このシリーズの勧善懲悪はいつ見ても気持ちイイ! 今作はヤンチャだけど善良な警察 対 汚職刑事 対 日本ヤクザの構図なんだが未だに日本のヤクザが刃物振り回してるっていう設

映画感想『落下の解剖学』

原題「仏 ANATOMIE D'UNE CHUTE/英 ANATOMY OF A FALL」 前半で問題提起し後半の法廷劇で魅せる。 監督でもあるジュスティーヌ・トリエとアルチュール・アラリコンビの脚本がとにかく冴え渡ってる。 このお二人、実生活でもパートナーという事で前作から引き続きの共同脚本なんだそうな。 物証が無く状況証拠のみでの裁判だが様々な事実が出てくる中、妻が夫を殺したのか否か?と裁判の行方は大きく揺さぶられ、最後の最後まで緊張感に満ちた仕上がりは見事。 が

映画感想『劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦』

もうなんだか決戦が始まる前の何度も観た研磨と翔陽の出会いでウルウルしちゃってね。 試合始まってからは心の中でいろいろメチャ叫んで、結果・・・泣いたww。 烏vs猫の戦いだが研磨と翔陽の個人戦でもある今作、ホント彼等の心情がよ~く表わされてて「やっぱハイキュー最高だな!」って思ったよ。 スクリーンならではの迫力あるカメラワークやアングル、絵のタッチ、アニメでしかできない息遣いなどどのシーンを取っても興奮のひとコマひとコマが成立してる。 特にクライマックスの研磨目線!ボールを

映画感想『ボーはおそれている』

原題「BEAU IS AFRAID」 最新作はホラーじゃなくてブラックホームコメディだったかぁ! 愛情を履き違えた母親の支配欲に縛られ何ひとつ自分で判断出来ないまま中年になってしまったボー。 そして祖父も父も腹上死だったと吹き込まれ未だ童貞で自己肯定感ゼロの不安症だ。 今作は、そんなボーがやむ無く外界へと走り出すロードムービーファンタジー。 人それぞれの内的世界などひとつの視点では測れない。 ましてや同じ事象に対する二者の見解の相違やその善悪をどうして第三者が判断出来

映画感想『Pearl パール』

原題「PEARL」 ミア・ゴス無双! いやぁ、今作の彼女は見事に演技が炸裂してた。 今作が前日譚となる同監督作『Ⅹエックス』は観てないがちょっと観たくなるくらいの傑作。 ホラーと言うカテゴリーでなかなか賞レースに上ってこなかったがいやぁ構成も映像も主演もかなり来てるわ。 要素としては・・・ 第一次世界大戦 スペイン風邪のパンデミック 田舎農場暮らしの閉塞感 清教徒的母親から成る不自由 全身不随な父親の介護 まるで抱えてる問題が現代と変わらないんですけど~。 いやい

映画感想『哀れなるものたち』

原題「POOR THINGS」 原作は1992年に出版だそうだがまさに“今”がタイミングの完成度高き現代の逸話。 こういうアート系の作品は理解されにくい部分はあるがこの物語は“女性そのものの歴史”と言ってイイのだろう。 或る経緯から成人女性の姿で赤ん坊の脳を組み込まれ物凄い速さで世の中を学習し知識を得ていくベラ。 先入観を持たない彼女は、何にも束縛されずに行動する。 その過程で成熟していく女性の生(性)と男権主義や格差社会の現実を見せつける展開は見事。 大胆な性描写

映画感想『ゴールデンカムイ』

『金カム』の遣り放題な超クセ強キャラが実写ではどうなるのか?と思ってたが予想以上にキャラ再現してて嬉しくなっちゃったン♡ 玉木宏の鶴見中尉は言う事無し子だが期待してた柳俊太郎の双子二階堂も裏切らなかったわ。 あと勝矢の牛山ね!画面効果もあって勝矢本人より、より大きく見える。 アシㇼパちゃんのブサイク顔も頑張った!ww 相当キャスティング練ったんじゃないかな? でも最高に期待なのはまだほぼ出てないが井浦新のアチャ(ウィルク)だな、今後楽しみ! それと、もちろんCGだけど

映画感想『カラオケ行こ!』

大好物大好物大好物大大大好物!! 原作未読ながら原作漫画買っちまうレベルで楽しめたゼィ! 歳の差ブロマンス、最高じゃないか! その設定の中に“住む世界の違う人間を知る事での認識の広がり”と“思春期の複雑な心境や成長”&“人間の本質は生業では図れない事“を描いてる。 まぁ視点変えたら或る意味援助交際的な?ww それも若頭が中坊に助けてもらうとか・・・ハハハッ。 その絶妙な関係性がオモロイね! 意外に凝ってるカメラワークも好き。 橋本じゅんの登場がボケてるのとかめ

映画感想『アクアマン/失われた王国』

原題「AQUAMAN AND THE LOST KINGDOM」 海洋汚染の見せ方に胸が痛くなった前作、そして今作は止まらない地球温暖化がテーマ。 やはり人間が招いた愚かな事実は人類が手を携えて解決しなければならないという強いメッセージ性を感じた。 戦争なんてしてる場合じゃないんだけどね。 武器で殺し合わなくてもこのまま放っておけばいずれ地球(上の生物)は滅亡するかもしれないから限りあるどんな命も大切にした方がイイに決まってる・・・そんな事を思わせる内容だった。 次世代

映画感想『コンクリート・ユートピア』

原題「韓 콘크리트 유토피아/英 CONCRETE UTOPIA」 未曾有の大災害に襲われたソウル、唯一倒壊しなかったマンションで繰り広げられる“極限状態スリラー”。 生き残りを賭けた人間の心理…自衛と排斥、秩序とカオス。 狂気に駆り立てられた人間によりタイトルとは裏腹にディストピアと化す“取り残された”マンション。 優位に立った人間の醸し出す不穏さに気持ちがどよめきながらもやはり各シーンを自分に置き換えて観てしまう【他人事ではない感】がある。 ここまで災害が多発すると

映画感想『エクスペンダブルズ ニューブラッド』

原題「EXPEND4BLES」 一応はが存在するがこの映画にストーリー性を求めてはイケナイ。 だってぇ、全部読めちまうんだもんヨー。 アンディ・ガルシアとか出て来た瞬間に「コイツだっ!」感が否めんぞ(笑) それと女は要らない! 個人的には男臭さがムンムンと全編に蔓延して欲しいのだ。 もっとホモソーシャルをくれよ―――――!! でも『Es4』はジェイソン・ステイサムの為の映画だった事は記しておこう! ワタシはリー・クリスマスのブラザー愛と天下無双の無敵ぶりが観られただけ