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『3月のライオン 後編』

◆あらすじ◆
川本3姉妹との出会いから1年がたち、今年も獅子王戦トーナメントが始まるが、最高峰を目指す棋士たちには、さまざまな試練が待ち受けいた。一方、川本家に3姉妹を捨てた父親が突然現れ、耳を疑うような要求を突き付けてくる。

誰しもがただそこにいるのではない。悲喜交々、紆余曲折を経て存在する。
その世代だからこそ感じ、表現する事の大切さの描き方。
傷つけ、傷つけられるが些細な瞬間にも誰かに救われている事に気付く瞬間の描写。
人間の弱さと強さの相対性への言及。

将棋という静かな格闘技を通して人としての感情や成長が凝縮した一作。

前編で描かれた様々な表情が土台となり後編できっちりと組み立てられ、クライマックスに向けての緩む事なく上り詰めて行く表現は素晴らしかった。
何かを極めようと闘いに挑む人間の姿に魅せられる。

前編では出番の少なかった伊藤英明や伊勢谷友介の存在が印象に残る。

宗谷対桐山の記念対局シーンの圧倒的美しさには涙が出た。そしてその先の高みを表現する立石寺の石段への布石が素晴らしい!

緻密に描かれた群像劇として見応え充分だった。


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