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『ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣』

原題「Dancer」

◆あらすじ◆
19歳で英国ロイヤル・バレエ団プリンシパルとなったセルゲイ・ポルーニン。バレエ界きっての異端児にして天才ダンサーである彼の、類い希な才能に恵まれたがゆえの孤独と葛藤を軸に、その知られざる素顔に迫る。



動画が配信されてから何度も見た。
最初に見た時、その肉体に、表現に、躍動に目が離せなかった。

勿論彼のダンスを生で見た事は無い。
でも見たいと思った・・でもそれと同時に叶わない事も知った。

この動画は彼がダンスを辞める意思を伴った動画だったから。
しかしこの動画を撮る事で彼の意思は変わった。

驚異の再生回数とファンのメッセージが「踊る事が好き」と言う気持ちに気付かせたからだ。


この映画は絶対に観たいと思った。
動画配信に至るまでの彼の背景や気持ちを知りたかった。

何故ならこの動画に使用した楽曲ボイジャーの「TAKE ME TO CHURCH」が余りにも自分にとって衝撃のMVだったからだ。

映画「ブロークバックマウンテン」を彷彿とさせる内容。
今も尚、性差別での暴力が横行する事を示唆する映像。

セルゲイがこの楽曲を使った意味がきっとこの映画の中に在ると確信したからだ。

それと彼の左肩にあるHEATH JOKERのTATTOだ。
どうしてタトゥにまでしてるのか・・・ヒース・レッジャーファンとしては確認せねばならないww。

【解放】

全てはこの一言に尽きる。

彼の生い立ちを追いながら彼に与えられた稀なる才能とそれに縛り付けられもがく精神と肉体が描かれる。
ご他聞通り、天才と呼ばれる才能を与えられた代償はやはり彼の元にも訪れるのだ。

彼も本来はただの少年であり、ただの青年であり、ただの人間なのに・・・。


しかし、全てを削ぎ落とし、自分の肉体だけを信じて作り上げた映像には彼の純粋な精神と肉体の躍動のみが映し出されていた。

まるで振り子が違う力の付加で振り切った後、元の垂直にストンと戻ったかのように踊る事で伝えると言う原点に立ち返った姿には涙が止まらなかった。

類い稀な才能は貧困により縛り付けられ、踊る事に課せられた使命にその才を持て余す。
しかし【解放】を知り、清められた精神は今まで以上に彼の肉体を美しく演出する。

人間の肉体、動物としての躍動、その能力はここまで発揮できるのかと目を疑う程の【美】がそこには在った。


自由で何者にも囚われないジョーカーが好きだったのかな?それとも類稀なヒースの演技に魅せられたのか?

とにかく最初に挙げた動画をスクリーンで観られたのが良かった。

しかしあの滞空時間はなんなんだ!!!!!!



※彼は現在「プロジェクト・ポルーニン」と言う若いダンサー支援の会社を設立しているらしい。


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