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『マンチェスター・バイ・ザ・シー』

原題「Manchester by the Sea」

◆あらすじ◆
アメリカ、ボストン郊外で便利屋として生計を立てるリーは、兄ジョーの訃報を受けて故郷のマンチェスター・バイ・ザ・シーに戻る。遺言でジョーの16歳の息子パトリックの後見人を任されたリーだったが、故郷の町に留まることはリーにとって忘れられない過去の悲劇と向き合うことでもあった。


現在進行の狭間にフラッシュバックで挿し込まれる過去の出来事が徐々に開示される演出や映像描写は見事にサスペンス性をも生み出し、ストーリーが進むうちに彼の頑なまでに孤独を選ぶ理由とそれでも唯一血の繋がる甥パトリックとの関係性は切なく苦しくもなんとか彼にココロの拠り所を探してやりたいと言う想いにさせられた。

ありきたりなハッピーエンドじゃないのも良い。

エンドロール後の波の音がまるでこちらの気持ちを宥めるかの様に縮めたスクリーンとの距離を保ってくれていた。

「ムーンライト」と並んでアメリカ映画に希望を見出せる秀作。


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