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「ミタケ」から来た少女1

これは10年前に見た私の夢。
今でもはっきり覚えている不思議な夢の一つ。



真夜中、なかなか寝付けずにいた
秋のことでした。



外は強い風が吹いていて、その音が耳に入っていて寝付けなかったのか
寝返りを何度も打っては
うだうだと目を閉じていました。

2時間は経った感覚がありましたが、
いつのまにか眠りに落ち
夢か現実かのあの気持ちの悪い感覚に陥っていました。


寝ている布団の足元に見慣れない収納が現れた。

でも風がごうごうと吹いている音も聞こえ
夢の舞台はまさに真夜中の夜で現実と
リンクしている。

収納は古い、細長い桐でできた開き戸。昔小学校の掃除用具入れのようなものでした。


そこから人の気配がするんですね。


私は夢の中で怖いという感情は不思議と無く、
その桐の収納をギイ、とあけました。


すると、中に


黒い着物のオカッパの少女がうずくまっていたんです。


風の音はその瞬間に激しく
ごうごう吹き荒れて私と収納、そして収納の中の少女を夜の空へ巻き上げた。

もうこうなると夢だなっていう認識も強く楽しみたいという変なテンションになったのを思い出します。


黒い着物の黒髪、オカッパの少女。
胸の帯のあたりには装飾がかった小ぎれいな短剣がしまわれている。紫の帯留め。
しかし、また顔の特徴が無い。。目のあたりに黒いモヤがかかっている。。
どこかで見たことのあるような、霊の顔。


私はその少女に「どこから来たの?」と
質問した。
少女は少し黙り、

「み た け から きた 。」



と私の問に答えてくれた。

頭の中で漢字で「御嶽」となぜか変換された。

そして続けて少女は
「実の父が憎く、この短剣で殺した。」
と告白してきたんですね。

何かから逃げてきた少女。
というイメージでした。
何というか。。その少女が酷く可哀想に思えた。
何かとてつもなく辛いことがあった様に感じた。

いつのまにか
黒い着物の少女は風を連れて轟々と舞い上がり夜の空へ消えたが
私はゆっくりゆっくり上から下の元の位置に戻り重力が戻った感覚もあった。
パッと目が覚め足元にはあの桐収納は無く、
ホッとした。
やはり外はまだ薄暗く、
風も相変わらず強く吹いている。






「御嶽」。。。私はこのワードが気になって仕方なかった。

物憂げな黒い着物の少女に後ろ髪を引かれてる
感覚が暫く続いて、モヤモヤしてたんだけど
いつしか、忘れて日常を過ごしていました。


そんなある時。


【御嶽からきた少女  2】に続く。

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