見出し画像

ArtStationに掲載したイラスト作品がゲームスタジオに注目されるテクニック

この記事ではYoutube投稿された「プロのイラストレーターがポートフォリオをレビューする動画」を元に、注意を惹くようなイラストの載せ方をまとめています。非常に参考になるので興味があれば動画も見て下さい。

プロが指摘する良いポートフォリオサイトの特徴

プロイラストレーターMarc BrunetのYoutubeチャンネルでは、「プロのイラストレーターはポートフォリオの何を重視しているのか」「ゲームスタジオのリクルーターがどこを見るのか」解説しています。さっそくWebページ上のイラストをより良く見せる方法ついて見ていきましょう。

キャラクターデザインの見せ方

第一回の動画では自作のキャラクターデザインを掲載しているポートフォリオを見ながら、Webサイト内のコンテンツ配置や、キャラクターデザインの描き方について解説しています。

ランディングページからすぐ作品を見れるようにする

作家名などをクリックしたら最初に出てくるような作者自身のページ、ランディングページは非常に重要です。リクルーターはもちろん一般のユーザーも、数え切れない作者プロフィールを次から次へと流し読みします。
ランディングページに辿り着いた人がメニューボタンなどに手間取る前に、すぐ作品にアクセスできるようにサイトを作ると良さそうです。

キャラクターの配置について

このポートフォリオサイトではキャラクターの三面図を掲載していますが、
一般的なゲームスタジオは3/4 front view&back view、つまり少し左右に回転させたキャラクターを前後からイラストを好むそうです。他にも、同じor微妙な違いしかない衣装バリエーションなどは優先度を下げ、もっと情報を圧縮してイラスト1枚あたり1キャラに納める事が大事だと指摘しています。

また、キャラクターデザインを見せる場合はページトップにサムネイル画像を掲載し、画像クリックすると詳細なデザインを見れるような設計の方が良いとしています。レビューしているポートフォリオサイトでは、ページをスクロールしていくとキャラクターデザイン→他作品の小さなサムネイル、のような順序で作品が掲載されています。これを、サムネイル→作品の流れで見られるようにすると、最初に全体的な作品のイメージを確認してから、それぞれの作品を詳しく見るという自然な流れで閲覧が出来るそうです。

他にもキャラクターデザインはポートレートよりは立ち絵重視すること、つまりキャラクターの首から上や表情を並べるような絵よりも、全身を描いたデザインイラストを掲載した方がよりデザイナーとしてのスキルが伝わりやすくなります。

自分の作品を目立たせる

ポートフォリオの最終目的は人々の注意を惹く事だとMarcは指摘します。
Instagramや他のWebサイトも同様ですが、ユーザーがスクロール中に、小さなサムネイルで他の作者のイラストに囲まれて表示された時でも、自分のキャラクターデザインが目立つようにしなければなりません。
動画では、掲載されている女性キャラクターの全身イラストに手を加えて

1.キャラクターの頭上から照明を当てハイライトを加える
2.影部分の明度を落とし、形を少しハッキリさせる

という、少しの修正を加えるだけでサムネイルが目立つ作品になりました。
今すぐ使えるプロのテクニックなので、これは見習いたいですね。

ポートフォリオに掲載する作品の選び方

第二回の動画ではArtStationのポートフォリオページを見ながら、どのような作品をページに掲載するべきか解説しています。

ポートフォリオの目的を定める

動画の冒頭でポートフォリオには必ずゴールがあるとMarcは言います。

特定のスタジオに就職したい、Web上で名声を集めたい、オンラインストアへの導線を作りたい。それらを書き出し明確化するとポートフォリオは作りやすくなります。逆に、ゴールが定まっていない状態でもがき続けても得られる物は少ないでしょう。何が自分のゴールか知るためには、キャラクターデザインでもイラストレーションでも色々と試すことが必要だそうです。

それに加えてポートフォリオには量も大事なので最低でも10~15作品ぐらいは欲しいとも言っていました。

「今何が出来るのか&何を目標にしているのか」を見せる

古い作品から新しい作品まで並べて、自分の成長度合いを見せたいクリエイターは多いです。しかし、AAAタイトルを作るようなゲームスタジオでは「今何が出来るのか」「何を目標にしているのか」に注目しています。
成長度合いを見れるように古い作品から掲載するよりも、現在のスキルが見れる事、今何がしたいのか分かる事。今自分がやっていること&今目指しているゴールをページに置くべきだと指摘しています。

また、上記の主張に関係のない作品、驚くような要素(Wow Point)が無いものも外した方がよいと指摘します。実際、ポートフォリオに掲載されている書き込まれたリアルな騎士の絵も「外したほうがよい」と言いました。ただ技術を見せるだけでなく、作家としての方向性が見せられる作品をプロの視点からは求められるようです。

自分のスキルをポートフォリオとして見せるには、自分の作品を「キャラクターデザイン」「エンバイロメントコンセプト」「イラスト」ぐらいにまとめてトップページに掲載すると見やすくなるそうです。
ArtStationのポートフォリオページは複数の作品をまとめてフォルダっぽく見せられるので、ジャンルごとにまとめるとページを訪れた人が見やすくなるでしょう。

Be proud of your craft

記事としては以上ですが、最後に他のチャンネルの動画も紹介します。

この動画ではArtStation登録からポートフォリオ欄の作り方までを解説しています。また、ポートフォリオの作り方についても、よりカジュアルに「自分の好きな部屋を作るために、丁度いいソファーを置いていく感じ」だと解説しています。

この動画の後半で触れられている、ArtStationではプロも作品を載せているので自分と比べてストレスを溜めてはいけないこと人々を喜ばせるためでなくアーティストとして自分を成長させるために描くことなどは、このようなサイトにポートフォリオを掲載し続ける上で大事な心構えだと思ったので、ここで紹介しました。
(Be proud of your craftはこの動画の言葉です)

ArtStationに何を掲載すれば良いか迷っている人は自分の目標が何か明らかにして、今自分がやっていること&今目指しているゴールを表現してみてください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?