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”風間八宏の教え”とわかりやすく話すコツの話

どうも、ゼロファジです!


今回は自分が衝撃を受けた言葉とわかりやすく話すコツについてお話したいとおもいます。わかりやすくね!


サッカーってのは「受け手」と「出し手」がいたら、絶対に下手な方に合わすしかないんだよ                  -風間八宏


昔、釜本邦茂、風間八宏、北澤豪、中村俊輔という歴代サッカー日本代表のレジェンドが集まった座談会みたいなことをやっていて、その中で風間八宏が中村俊輔に向けた言った言葉がこのひとこと。

これはつまり、

サッカーのパスは出し手と受け手で成功させるものだけども、どんなに高度なパスを出しても受け手にそれに見合う技術がなければパスは成り立たない。逆に、受け手がどんなに優れた動き出しをしてもそこにピンポイントで蹴れる出し手の技術がなければ、やはりパスは通らない。

サッカーのパスのクオリティを決めるのはどちらかの選手のクオリティであるということなんですが、この一言には開眼させられたというか、かなり強い影響を受けました。この”風間八宏の教え”、なにもサッカーだけじゃなくていろんなことに応用ができる真理だなと思うんですよね。


戦術分析系ブロガーとして試合のレビューを書いていくときに自分が一番大事にしていることは「この記事はわかりやすいのか?」ということです。なるべくサッカーに詳しくない人にも届いてほしいという気持ちからだんだんとそういう方向性で情報発信をしていくようになったんですが、そうやってやっていくと「これ、ほんとにわかりやすいのかな?」「どうやったらわかりやすくなるんだろう?」と、「わかりやすく伝える技術」についての探求が始まるんですね。



最近ではYouTubeをやっていてもありがたいことに「わかりやすい!」とリアクションをいただくことがあります。もう長い間この芸風でやってきてるので、何か話すときにはあまり意識しないでも自然と「わかりやすく話す」ことができるようになってきました。

でも、最初からわかりやすく話をできていたわけじゃないんですよ。わかりやすく話すコツはいくつかあって、それを身につけていったからこそそれが当たり前になってきたというか。何度もやっているうちに必要な手順を踏むのが無意識化されてきたという感じなんです。

普段、どうやったら相手にわかりやすく伝えることができるだろう?と考えたり、相手にものを教えなきゃいけない立場の方もおられると思います。そういうことが得意じゃない人もきっと少なくないと思うので、何かの役に立つのであればと自分の知っているコツをひとつ紹介しておきます。それは、”風間八宏の教え”に着想を得たものです。


では、ここでひとつ問題です。


ひとに何かを伝える(教える)とき話す内容や話し方を決めるのは誰だと思いますか?


「・・・話す人でしょ?」



ちがいます。


話の内容や話し方、話の固さやわらかさを決めるのは聞き手であって、話し手ではありません。ですから、話し手が話したいように話しても決してうまくいくとは限りません。

たとえば、あなたが習い事を誰かに教える立場だったとしましょう。その時あなたの生徒が小学生であったなら「(こんな言葉は習ってないから意味わからないかな・・)」とか「(こんな複雑な話は理解できないかな・・)」と試行錯誤することになるでしょう。しかし、これが大学生相手だったらどうです?おそらく小学生相手のときに抱えたむずかしさはかなり軽減されるのではないでしょうか?

このように、わかりやすく伝えるためのコツのまず第一歩は「ターゲットがどんな人なのかをちゃんと考えて合わせる」ということです。いわば、受け手のレベル感に出し手があわせる”風間八尋の教え”を使うわけですね。

もし理解できないような内容や話し方をして相手に伝えたつもりであっても、相手が理解できていないのであればそれは単なる伝言に過ぎません。「言った」だけであって「理解してもらった」ことにはなりえないでしょう。それはまるで球足が速すぎてとても追いつけないミスパスのようです。理想的なプレーには程遠いですよね。

実は自分の職場では不幸なことにこのような光景が繰り返されることが多いのですよ。普段の業務が忙しく、新人にものを教えるゆとりが足りていないために、先輩が仕事を教えるのではなくて「たんなる伝言」で終わってしまうのです。そういうのありません?

相手の目線に合わせる作業というのはコツがいります。全くものを知らない人に一からものを教えるということは難しいのです。なぜなら、教える人にとっては新人が学ぶようなことなんかは遠く昔の過去のことで、思い出すところからはじめないといけないからです。それはちょい苦痛を伴います。だからみんな嫌がるんですよ。面倒くさいから。そうしてまともに教えてもらえなかった新人が、未熟なままに独り立ちしミスの山を築いて鬱になってやめていく、と。ほんとの問題はどこにあるでしょうね?

「他人にわかりやすく伝える(教える)技術」はこの国のいたるところで軽んじられているようにも思います。自慢ではないですが、職場で一番自分が新人を教えるのが上手なんですけども、そこに報酬はないんですよ。ちゃんと価値を認めてくれるところもあるでしょうが、そういうところが増えてほしいなと思います。ちょっと話がそれましたね。


おさらいをしておきましょう。

わかりやすく伝えるためのコツ
**
ターゲットがどんな人なのかをちゃんと考えて合わせる**


平たく言えば、相手にとって理解できる話し方をしようということです。最後に大事な注意事項を添えておきます。

あなたがわかりやすく伝えたい相手が大人だったとします。小学生相手の時のような心配はないでしょうから、遠慮せず話したいように話そうと思ってはいけません。

ひとくちに大人と言ってもそれぞれの知識や理解力はバラバラです。ですから、その人の力量はどうなのか?をちゃんと考えなければなりません。話の内容が相手の専門外だったら理解することは難しいでしょう。「〇〇だからこのくらいのことはわかってくれるだろう」という当て推量は危険です。あくまで相手の実力次第。聞き手の実力を測る分析力も必要ですね。


ここでは受け手の力量が話し手より下回る場合を主に話題にしてきました。しかし、もし受け手がすばらしい相手であったなら話は当然変わってきます。専門的で難解な話であっても相手に理解する力量があるのならばなんら問題はありませんからね。むしろ、初歩的な説明はすっ飛ばして本題に入れますし、より深く意義深いやり取りを交わすことが可能になってきます。レベルの高いパサーのパスをレベルの高いレシーバーが受けることができれば自然とパス自体のクオリティもあがるというわけですね。そういう会話は心底楽しいものです。そういう仲間を増やしたいですね。


それではまた。


↓ 風間八宏の教えはこの動画で聴けます


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