見出し画像

【ファジアーノ岡山】柳貴博のファウルに学ぶサッカー観戦のコツ

どうも、ゼロファジです。

今回はJ2リーグ第3節、岡山vs山口の試合を題材に、サッカー観戦に役に立つ基礎的な知識について紹介していきます。なお、シーンを再現してお話を進めていきますので、実際の試合を見る必要はありませんのでご安心ください。


今回取り上げるのはファジアーノ岡山の右WB柳貴博選手のファウルのシーンです。サッカーには”プロフェッショナルファウル”というものがあって、ちょっとウィキの英訳を参照すると、

さまざまなスポーツにおいて、プロのファウルは、加害者のチームに利益をもたらすことを目的とした意図的なファウルプレーの行為です。

これはつまり、ファウルをした方がチームにとっていいのでわざとファウルしてチームを助けよう!ということですね。この試合、柳選手は意図的に相手の選手を倒しファウルをしました。またそれによってイエローカードを食らってしまったのですが、そうすることによってチームが助かるという場面でもありました。シーンは26分10秒あたりから。


岡山が山口のボックス周辺まで押し込み、右サイドから柳貴博がクロスを上げてFWのグレイソンの頭に合わせよう!という攻撃でした。


クロスは向かい風で戻され、山口のCBボムヨンがヘッドではね返します。すると、ボールはちょうど山口のペナルティボックスの前のバイタルエリアへと落ちました。最寄りには山口の右SH吉岡、ボランチの佐藤がいる状態です。

セカンドボール争いに加わるために、岡山のボランチ田部井がジャンプして競りかけますが、山口のボランチ佐藤が頭で触って田部井越しにFW若月へと到達します。ここから山口はカウンターのスタート。FW若月はドリブルで前進しボールをどんどん運んでいきます。


すると、斜め後ろから中央へ若月を追跡しに来た柳貴博が若月のドリブルをファウルで止め、一旦プレーが途切れました。ここで主審から柳貴博に対してイエローカードが出されると。一連のプレーはこういう流れでした。

たしかにイエローカードを受けたファウルでしたが、この柳のプレーはチームを助けた、それこそプロフェッショナルファウルだったように思います。それはなぜか?というと、

岡山のフォーメーションは3421なので、このように3つのラインが防波堤になって相手の前進を食い止めようとします。赤色の最終ラインは最後の防波堤なので、もしこの防波堤を突破させてしまうともうGKしかいませんから非常に危険です。ですから、相手に最終防波堤に挑ませないために、2列目のラインがフィルターとなって、相手を近づかせないことが大事になってきます。


ところが、セカンドボール争いで山口がボールを握りFW若月が前を向きます。ここからカウンターがスタートするわけですが、一方岡山の方は攻撃に加わるためにボランチの藤田は山口ボックス内、控えていた田部井はセカンドボール争いでボールを奪えず、と。いわば、2人ともボールに追い越されてしまった状態です。これでは中央を封鎖できるダブルボランチが防波堤の役割を果たすことができません。このまま放置してしまうとどうなるか?


おそらくFW若月はそのままドリブルで持ち運び、こちらの最終ラインと対峙することになるでしょう。岡山の最終ラインに山口がチャレンジできる機会を与えてしまうわけですね。若月は小柄ながらスピードとテクニックに優れた選手なので、彼に対して戻りながらドリブルに対応するのはかなり厄介な状況です。失点する可能性が高いので、岡山としてはそれは避けたい。


そこで、右サイドから柳貴博が中央にポジションを移して、若月をファウル覚悟でストップしたと。岡山としてはダブルボランチが直ちにフィルター役になれないので、代わりに柳がファウルすることで、若月の独走を許さず、山口のカウンターで大けがをするまえに火消しに成功したということです。

もし、もっと岡山コートの深い位置で倒してしまったら山口にいい位置でFKを与えてしまうことになります。ところがこの場面はセンターサークルなので、まだ十分に距離もありますのでまだ危険性は低い。確かにイエローカードを受けたシーンではありましたが、このように味方を助ける狙いのある非常に良いファウルだったように思います。サッカーではこんな風に意図的にファウルでもいいから止める、というシーンがちょくちょくあるので実際の試合で見つけてみてくださいね!


こんな風にサッカーを言葉にできるとすごく楽しくなってきます。そのために必要なベーシックな知識を、YouTubeのメンバーシップでやっているサッカー観戦入門講座『やわらかフットボール』でお伝えしています。

今年の第2期は、5月9日から開講しますので興味のある方のご参加をお待ちしております。以下に、講座の概要と第1期の初回無料ライブの動画を貼り付けておきますので、ぜひチェックしてみてください!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?