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J2第1節 【岡山vs栃木 3-0】レビュー

どうも、ゼロファジです。

ゲームの流れ


結果としては3-0ということで、ホーム開幕戦を見事勝利することができました。ゲームの流れとしては、前半36分に木村太哉のゴールで先制。後半の54分にはグレイソンの追加点そしてATの97分にはセットプレーから柳(育)のゴールで3-0と。内容的にはピンチがほとんどなく、というか栃木のシュート数が6なので、ほぼほぼ完勝と言っていい内容でした。

栃木は、ロングボール主体の攻撃でしたが、岡山の前プレと3CB の堅実な守備にほころびを生むことができず、ゲームの大半を支配されてしまった形でしたね。いや、想像以上の完勝でびっくりしました。岡山は前プレで栃木にロングボールを蹴らせ、3CBがそれを撃墜してボールを回収。もうこの試合はこれが延々と続く無限回収タイムとなってました。だから、岡山のチャンスがあんなに多かったわけですね。ボールを取り上げて安定して攻撃に転じることができるので。

スタメンと選手選考について


スタメンはほぼほぼ予想どうり。岡山は3421、栃木は3142。
ベンチには堀田、柳(育)本山、高橋、田中、齋藤、ルカオ。柳(育)はスタメンじゃなかった!これが話題になってましたけどあとで説明します。

もう1チーム作れるじゃん!ってぐらい仙波、輪笠、井川、河野、藤井、太田、挙げればきりないほど先発候補はいました。このあたりは3月に試合が多いということもあって、若干先々のターンオーバー的なことも考慮してのスタメンだろうと。

開幕戦のスタメンって選手だったらみんなまずそこ目標にすると思うので、
結構重要だろうと思うけど、ここに竹内涼がいないんですよね。キャプテンですよ。

まあ、これは完全に妄想ですけど、J1で200試合も出てるキャプテンをベンチにも置かないってのは、ケガとか不調とかでもなければあんまりないのかなぁと。でも逆に竹内涼ですらベンチ外なら他のベンチ外の選手も反感ももちにくいですよね。ましてや竹内涼はそれで腐るような選手じゃ全然ないですし、そう考えるとターンオーバーをうまくやるためにひとついいアイデアだったのかな?とも。

もちろんスタメン、ベンチ、ベンチ外っていうと序列的な意味合いもありますけど、今日でなかった選手の序列が明確に低いと解釈することはないんじゃないかなと思います。

あとで、選手にプレーを見ての印象をざっと触れていきますね。そこでは何分のプレーが良かったって取り上げようと思うので、DAZNでそこだけでもつまみぐいしてもらえたらなと思います。

2024の木山ファジはどんなチーム?


ではまず、開幕戦で初お目見えとなった今年の木山ファジの雑感について
思ったことをお話していきたいと思います。まず最初に、ダイレクトサッカーの要素がマシマシになっていた件ですけども。


たとえば去年だと、ボールをつないで後ろから丁寧に運んでいくスタイルを
積み上げてた。こんな風にボールを回して、プレッシャーを回避して
進んでいこうね!ってやつですね。

去年の開幕戦、アウェイ磐田戦なんかはまさにそれでお見事だったわけですけど。比べてみると今年のチームのサッカーだいぶ違うな?って思うでしょう?どっちかっていうと、昔見てたサッカーに近づいたな?って感じた人も
いたんじゃないかなと思います。

何が違うのか?っていうと、


こんな風にボールを奪ったらまず前に!って意識が徹底されていて、
空いてるスペースに前線の選手をどんどん走らせたり、グレイソンに当てて前向いて、ボールを運んでいこう!という要素が加わっています。

こういう手数をかけずにゴールをめがけて早く運ぶサッカーのことを、ダイレクトサッカーというんですね。ちなみに、ダイレクトというとワンタッチプレーのことを意味することがあるんですが、ダイレクトサッカーと意味が違うのでごっちゃになりがちなので注意が必要です。

したがって、今年のファジを見るうえで注目ポイントのひとつは、ボールを奪った直後のプレーですね。「よし、奪った!」って思ったら、次選手は何をするか?そこを見ておくのがいいと思います。


次に、選択したスタイルとメタゲーム的要素ですけども

メタゲームっていうのは、たとえば格闘ゲームなんかで相手がそういうキャラを使うなら相性のいいこういうキャラでいこう!みたいに考えることです。

5人交代制になってから前線の選手が疲れてもどんどん交代できるので、
前から果敢にプレスをかけるチームが増えてきました。したがって、クオリティの低い繋ぎのサッカーをやると餌食になってしまう、という場合があります。新潟ぐらいボールを回せてプレスを剥がせるならいいでしょうけど、うまい選手ってお高いですからね。かなりお金を持ってるクラブでないと、チョイスしにくいやり方になりつつあるのかもしれないな、と。


今年から服部GMがしっかりとコントロールされた編成になっているわけですが、開幕戦を見るに「どういうチームを作りたいか?」と狙いを定めて人選されてきたんだろうなとうかがわせる内容だったかなと思います。

リーグ1じゃないか?と言われる中盤の分厚い編成も、これならなるほどと。このサッカーをやると攻撃、守備両面でどうしても負担がかかりやすいのは中盤なので、そこに厚く高いクオリティでひとを抱えていくと。なので多分、出場時間も誰かがずっと出るというよりかはいろんな選手が分担して出場時間を分け合う。そんなイメージなのかもしれないなと思います。そうすると疲労度も分け合うことができますからね。

ロングボールが増えると、繋ぐサッカーのときよりも中盤にスペースができやすくなるので、相手も攻めるが、こっちも攻める、みたいな格好になることも多いのかなあと。実際この試合でもそういうシーンが結構ありましたしね。そうすると守る能力が高いとか、競り合う能力が高いとか、こぼれ球を拾う力が高いとか、あらゆる能力がより求められると思います。もちろん、攻撃で仕事もしなきゃだしね。そういう切るか切られるかみたいな展開でも、こちらに分があるようにするには、選手層とクオリティの高さが必要なのかもなあと。

ダイレクト志向が強まったとはいえ、昨年まで積み上げたショートパスで運んでいくスタイルはベースとして持っていますし、どちらでもいけるよ!って構えになっていきそうな気配がしますね。このへんどうなるか楽しみです。

また、各所に強力な個の力を持った選手もいて、
その個性もさまざまじゃないですか。選手の個性を融合させるが上手いといわれる木山さんの手腕に今後も期待したいと思います。開幕戦はすごくうまくいっていたと思います。


この試合って前半からバンバン決定機があって、正直1点じゃ物足りないなみたいなね、ちょっと贅沢な気持ちすら思うくらいの試合だったじゃないですか?もし、あれだけチャンスがあって1点だといやな雰囲気になるケースも少なくないと思うんですよ。去年とかまさにそうで、とってもすぐにフワフワっと取られて勝てないみたいな。そういうの多かったですよね。

そこを考えると、開幕戦のチームの持っていたムードは実に良かったなと思いますね。1点取ってもフワフワっとせずに、着実に次をこじ開けるまでやりつづけられていたし、2-0でも守りに入ってるとはいえ、獲れるところは取るよ!って姿勢を感じました。

この試合キャプテン不在ですからね?

やはりこのあたりは昇格経験を持つベテランの影響は小さくないんだろうなと思うんですよね。それに、「そういうことを淡々とやるチームなんだよここは」みたいな共通理解もあるんだろうなあと。2016年にPOで負けてから「勝ち続けられるチームって一体どういうチームなんだろう?」って思ってきました。去年も悪くはなかったと思うんですよ。でも、安い失点シーンがかなり多かったし、どこか他人任せなプレーが多かった印象があって。正直これで勝ち続けるのは難しいだろうなと思っていました。実際引き分け死ぬほど多かったしね。

今年はレンタルから完全で加入してくれた選手が多いですけど、多分彼らも「いや、おれら弱くないよね?でも、なんか勝てない・・・」って疑問を感じてたはずなんですよね。だからこそ、そこをクリアしにいこう!という。今年はそういう自分たちへのリベンジの年でもあるのかなと。

そのためにはやっぱり開幕戦で見せたような動じないチームの姿。着実に相手を仕留めて勝つ可能性を広げていく姿。そういうのだよ!みたかったのは、ってね笑

まあ、まだ一個勝っただけなんでこれを当たり前にしていかないと優勝とか昇格とか無理ですから。上がったチームはだいたいどこもそういうのが当たり前のチームですからね。楽しみにしたいなと思います。

とまあ、このあたりが開幕戦で思った今年の木山ファジの雑感です。では、次に『やわらかフットボール』のコーナー!

『グレイソンの2点目』

今回は2点目のグレイソンのゴールになるまでの一連のシーンを取り上げてみたいと思います。まあ、ほんとお見事!というキレイなゴールでしたけどね。このシーンには開幕戦のいろんな要素が詰まっていたかなと思います。試合時間も何分何秒にこういうことがあった、というように細かく触っていこうと思うのでよかったらハイライトなんかで巻き戻してシーンを味わってもらえたらなと思います。


シーンのスタートは栃木のCB平松がボールを持ち、コントロールがながれたところに木村太哉がプレッシャーをかけるところからです。上に試合時間を表示してますけど、これが52:52の出来事です。


次に52:55。栃木は左サイドにボールを送りますが、そこにも木村・柳の2枚が寄せてくるので前に運ぶことができません。最寄りにパスコースもないので、やむなくバックパスすることになります。


木村太哉は、福島さらには平松というように、継続的にプレッシャーをかけていきます。このように相手の選手2人、3人と続けてプレッシャーをかけることを2度追い、3度追いと呼びます。最終的にはキムタカの3度追いがGK丹野へのバックパスを生むことになります。


GK丹野が浮き球を福島に送り、そこに田部井が寄せてきたのでやむなくヘッドで前に。そうすると、53:05でたぶん大島かな?と阿部海大の競り合いになります。ここで阿部海大が競り勝って前にボールを落とす。


ボールを奪った直後の53:08。ここですよね。田部井は迷わず前にボールを送り、木村にパスを送ります。奪ったらすぐに前に!が出ていますよね。大事にマイボールにしたいならサイドに流したりバックパスを挟んで時間を作るところだと思うんですけど、まず前に!っていう。

木村からのリターンを田部井がコントロールしたのが53:10です。ここで、見ておきたいのは右WBの柳貴博ですね。田部井が前を向いてボールを受けそうだという気配を感じたこの一瞬前から、猛然とダッシュを開始して栃木のサイドの奥のスペースへと走ります。

この試合随所でみられたのがこんな感じのプレーなんですよね。パス出す人、パス受ける人、そこにもう一人選手が絡んでくるってのがすごく多かった。このシーンなんかもそうで、田部井と木村だけの関係だけじゃなくて、そこに柳が絡んで行くことで展開を作ってますよね。


で、柳貴博なんですけど185㎝っていうあの大きさながら、スピードもあってなおかつ体の強さがあるんですよね。サイドの選手って割と小柄な選手が少なくないんですけど、柳と並走されるとデカさと体の強さで多分思うようにスピード出させてもえらないんじゃないかな?と思います。なんか、イ・ヨンジェを思い出させるような。そういう早さと強さを持ってますよね。

柳は抜け出すと、ちらっと中を見てグレイソンに。ここ、ニアに走り込んだ岩渕のプレーが光っています。あと、グレイソンの落ち着きなんでしょうねあれは。RSKで解説してたむっくんがマジでびっくりしてました。

ということで、キムタカのプレス。
蹴らせてハイボールを競り勝つ阿部海大。
そして、田部井のまず前に!というチョイス。
田部井ー木村の関係にぼーっとしせずに絡んでいく柳。
しっかりボックスまで走り込んでチャンスに絡む岩渕のランニング。
グレイソンの冷静さと。
この得点シーンだけみてもいろんな良さが詰まったゴールだったかなと思います。

開幕戦の先発メンバーの印象について

じゃあ、次に開幕戦で先発した選手についての印象について

GK:ブローダーセン

ブローダーセン、この試合では危ないシーンがほとんどなかったので見せ場は多くなかったですが、ハイボールの処理安定してましたね。

CB:田上大地

田上については、もうすでにこの試合でファンになったひともめちゃくちゃいただろうと。あのタテパス、ロングフィードの能力の高さね!あれ見てるだけでも楽しいもんな。高さ、強さ、そしてまずまずスピードもあって、そして後方からの声出しで味方を動かせる。なおかつ昇格経験者、ということでまさにドンピシャな選手を取ってきたなぁ!と。

圧巻だったのは、14:40秒あたりからのプレーですね。寄せられてて近場に良さげなボールの逃げ道なさそうなのに、左足で末吉にスコーン!とボール届けてましたからね。ああいうのひさしぶりに観たなぁと。ちょっとバイスのような配球とはまた違うタイプで。岡山にいた選手でいくと安部崇士以来かなと思いました。田上すご・・・って思うと同時に「新潟はこんな選手でJ2を戦っていたのかよ・・・・ずるっ」って思ったりも笑

CB:阿部海大

阿部海大、いやー堂々たるもんじゃないですか。空中戦、地上戦、攻撃参加、タテパスともう立派な戦力ですね。ながらく阿部海大の活躍を待っていたファンの人は、号泣していい開幕戦だったと思います。ここまで出来る男になっていたとはちょっと想像を越えていました。

とくに、49:00のシーンは、ここも3人目の動きで自分がインナーラップして侵入していくっていうチャンスを作ってましたね。ここはぜひ見てほしいな。2点目のシーンでもいいましたけどこういうプレーほんと多いんですよこの試合。海大はサイズもあるけど、そこそこスピードもあるのでそこも魅力的ですね。

CB:鈴木喜丈

鈴木喜丈、はもういつもどおり、という感じでしたね。去年ほど組み立ての比重が高くないのでショートパスでの繋ぎで光るシーンは少なかったですが、この試合多分鈴木喜丈、自陣空中戦勝利率100%じゃないですかね?もしかしたら違うかもだけど、ほとんど跳ね返していて素晴らしかったと思います。決定機がひとつあったし、インナーラップも相変わらずいい感じだったし、今年も鈴木喜丈がらみで得点が見込めそうですね。

柳(育)のベンチとCBのタイプについて

さて、この試合は柳ヤスタカがスタメンから外れていたことが話題になっていましたけども。今後3バックの人選を見ていくうえでひとつヒントになりそうなのが、それぞれの選手の特徴なんですよね。

この試合で出ていた3人は、全員たかさ、はやさ、つよさがまんべんなく高かったなと思うんですよ。そこへいくと柳ヤスタカは、高さ・強さは多分チーム1で突出してるんですが、逆にスピードがないんですよね。岡山も前からプレスに出るので、CBの周りにはたくさんスペースができます。そうするとそこにロングボールを流されるとおいかけっこになってスピード勝負になることもあるんですよね。その点は柳にとっては少し難しいところです。

あと、本山遥なんかも、突出したスピードとスタミナがありますけど、高さがないんですよね。そういう意味で、突出したものを持つ半面バランスを欠くところもあると。このように特徴を把握しておくと先発メンバーを見るのがまた楽しくなるんじゃないかな?と思います。

WB:末吉塁

今年も彼のプレーを楽しめるっていうのはうれしいですね。持ち味であるドリブル突破はもちろんですが、この試合はタテに抜いて左足のクロスでもかなりいいボールを送っていてすげえなと思いました。末吉選手は右利きなので、左WBに置くと逆足配置になるんですが、利き足と違う左足でああいうクロスが上がっちゃうと多分相手はめちゃくちゃ嫌だと思いますね。そもそも、スピードとドリブルがあるだけでも嫌だし、中に切れ込まれるとそれはそれでめんどくさい。せめてタテにドリブルさせて行き止まりにしてやろうと思ったら左足でクロス上げるのかよ!って話ですからね。いやー、楽しみだな。左でクロスが上がりだしたら手を付けられないでしょう。

この試合では走力を活かしてサイドの守備で相変わらず貢献度の高いプレーを見せてくれていました。ちなみに、ちょっと中ほどまで守備に出て中盤の守備を補強するシーンもあってそれもよかったですね。

WB:柳貴博

そして右WBの柳貴博。さっきも言いましたけどあの迫力はなんでしょうね。まさにサイドを破壊する!って琉球のサポーターが言ってましたけど、ほんとだな!と。アシストも記録しましたが、当然競り合い、ハイボールも強いですから相手は相当嫌だろうなあ。WBに大きな選手がいるとなんかサイズ感が慣れなくて一瞬「え?FWがサイドにいるの?」ってなりますね。

ちなみに、J2では一時180㎝を越える選手をサイドに置くトレンドがあって、岡山でも過去には片山暎一をWBに置いたことがありましたね。単純にサイズ・フィジカルで圧倒できるので、そこで優位に立てるっていう。当時まだJ2にいた札幌が同じように180㎝を越えるFWをWBに使ってきてぶつけてきたときは笑ってしまいましたけど笑

ボランチ:田部井涼

つぎにボランチ、田部井涼ですね。今年のサッカーだと中盤の選手がスペースで活きる可能性があると思うので、より田部井のような選手のクリエイティブな部分を楽しめる機会も増えるのかなと思います。

さっきの得点シーンでのスルーパスもジャスト!なパスでしたし、あとは28:56の木村太哉に送った決定的なパスですよね。あれはキレイだった。

フィジカル的な強さ、走力といったところも厳しく求められると思うし、そこはもともと持っていた彼の課題でもあったと思うので、今年メキメキ伸びるとめっちゃいい選手になっていきそうな気がします。

ボランチ:藤田息吹

で、藤田息吹。

この試合でめちゃくちゃファンが増えたようで前々から推していた自分としてはニンマリしているところです。めっちゃいいでしょう?彼。好きなんですよねああいう選手。藤田選手についてはこういうプレーを楽しみに見てます!っていうポイントを最後にお話しようと思うので、詳しくはそっちでやりますね。

シャドー:岩渕

次に、岩渕弘人。
すごくいい選手でしたね!

結構キレのあるタイプの選手で、こういうタイプ好きなんですよね。基本的な走力、体の強さをベースにテクニックも上乗せされていて、多分今年結構点とってくれるんじゃないかな?と思います。

いや、しかしあの45:20秒のロングボレーシュートがポスト叩いたやつ。あれ決まってたらもう年間ベストゴール決まりでしょ!?っていうくらいインパクトあるシュートでしたね。いや、あれ生で見てたらめちゃくちゃ盛り上がっただろうなってちょっと悔しかったです。

シャドー:木村太哉



開幕戦で今年初ゴールととるべきひとが取ったか!というところでしたね。前半からいくつもチャンスに絡んでいたので、もう1点くらいは獲れていても不思議じゃなかったですけど。キムタカ、今までだと主にサイドのアタッカーとして1on1でドリブルで剥がして、ってところに一番の魅力があったと思うんですけど、たぶん彼もこのサッカーだとのびのび出来て、ちょっとプレイヤーとしての幅も広がってくるんじゃないかな?と思います。まあ、現時点でもプレッシングの貢献度、献身性は2点目のシーンでもくっきり出てますし、なるほど開幕スタメンも納得というところじゃないでしょうかね。

FW:グレイソン


それから、グレイソン!

韓国2部でのプレー動画、そしてトレーニングマッチでのプレーを見るに「あ、これは大丈夫そうだぞ」と思っていましたけど、思った以上にいい選手でした。ポストプレーできる、ヘディング上手い、高い、サイドに流れてもいいと、ほんといろんなことができる万能型の選手なんですけど、自分としてはグレイソンが走れるのがすごくいいなと思ってまして。長身選手だけど、スピードはあんまりないってタイプも結構いるんですよね。でも、グレイソンはモビリティがあるので、スピーディーな展開も苦にしませんし、前からプレスをハメていきたい岡山としてはこれくらい走れると助かるよなぁと。

あとは、周りを使うのが上手いので味方選手の良さも引き出せるという。いやー、良く見つけてきたなと思います。すごい真面目なタイプでむしろもっとエゴを出していいって言われるくらいのいいやつですからね。開幕戦で彼に得点が生まれたのはそういう意味でもよかったなと思います。

ということで、スタメンで出た選手みんなよくって正直MOMを選ぶのが難しい。そういうゲームだったかなと思います。MOMを選ぶのが難しいというのは、ちょっと示唆的かなと思っていて。このチームはみんなが脇役にも主役にもなれるそういうチームになっていきそうだなと思っています。

開幕戦で出た選がこれだけやるんだ!と見せつけたら、出ていなかった選手たちも「ここを越えていかないと!」ってなりますからね。今後が楽しみです。

藤田息吹の楽しみ方


では、最後にゼロファジ的藤田息吹の楽しみ方です。

POの山形戦に敗れたとき、ほんとに「藤田息吹がやっかいすぎる!」と思っていて。その選手が今度は味方になるということで、「めっちゃ助かる」って思った開幕戦でした。個人的に藤田息吹の好きなプレーを攻撃・守備で1つずつ紹介してみたいと思います。

まずは攻撃ですが、
68:04のシーンとかですね。

岡山ボールの右のスローインで、パスの出しどころがない状態なんですけどね。ここで藤田息吹がスッとマーク剥がしてボールを受けて、逃がしてくれるんですよね。サイドでボールの出しどころがないと、相手からすると奪うチャンスになる可能性もあるし、大きなバックパスを岡山が入れると栃木の最終ラインがあがっちゃう。すると、岡山の攻撃の選手ももどらなないといけないんですけど、すばやく引き取って逃がしてサイドチェンジすると、一旦やり直し!って感じじゃなくて、そのまま流れで攻撃を継続できるんですよね。

こういう潤滑油的なプレーが好き。
ほんとこの人するするってフリーになるのうまいんですよね。

守備の方では85:46のシーンとか。
まあこれは他の選手でもそうかな?と思うのであくまで参考にチェックしてみてほしいんですが、栃木の選手に岡山コートの中ほどでボールを受けられそうだ!ってシーンなんですよね。藤田息吹はそれを察知してボールホルダーに寄せてくれるんで、相手の選手がスルーパスもタテにドリブルもできずに、ボールを持ちかえるんですよ。すると、85:50あたりでは岡山の守備も整って迎撃態勢がとれますし、最終的にはサイドに展開させてスピードダウンに成功すると。こういうプレーがすごく多いんですよ。そこでひとつ寄せて邪魔してくれるから、大けがしないで済みましたみたいな。こんなイメージで、守備においては予防薬的な仕事をもうずっとやってくれるんですよね。

だから多分数字には際立って現れてこないですけど、得点や失点にいたる2個くらい前でめっちゃ効いてるんじゃないかなあと。
ぜひ、試合で藤田息吹の攻守両面での地道なプレーを楽しんで観てほしいなと思います。


こんな風にサッカーを言葉にできるとすごく楽しくなってきます。そのために必要なベーシックな知識を、YouTubeのメンバーシップでやっているサッカー観戦入門講座『やわらかフットボール』でお伝えしています。

今年の第2クールは、5月9日から開講しますので興味のある方のご参加をお待ちしております。以下に、講座の概要と第一クールの初回無料ライブの動画を貼り付けておきますので、ぜひチェックしてみてください!


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