糸紡弥生

純文学を敬愛してやまない、この世に辟易した底辺作家。弥(ヒト)の生は、無限に紡がれる螺旋状の糸のようで、あまりに美しく、あまりに儚い。故に、糸紡弥生。
固定されたノート

極黒

夜の帳が降りる頃、灰褐色に錆び付いた廃墟に群がる、幾数羽の鴉(カラス)の群体のように。いや、群体、と表現するのは、私にはそれが、大きな黒い、得体の知れない、ひどく...

生きる

ある日、女が死んだ。 私が見知った、唯一無二とも言える友好的な関係を築いた女だ。いや、しかし私は、その女の事について、或いは何も理解出来ていなかったのかも知れな...

数詞たちの雪月花

超短編 読了目安 3分  夜は深く、濃く、宵闇の月下、彼らの心もまた、闇夜に浮かぶ寒月のように、儚げで、今にも壊れそうな、脆弱な雪の結晶みたいに、空を漂っているみ...

糸紡之短編小説 No.4「色彩」

拝啓  親愛なる、黒き狂人様 こんにちは、こんばんは。今日という日も、あなたの心は、さながら墨汁のように、真っ黒なのでしょうね。私の方は、相も変わらず、いくら目...

砂塵迷宮

読了目安時間15~20分 一万文字前後。 微かな光も無く、暗黒の虚の中で、ただ縹渺(ひょうびょう)としていた私の意識が覚醒するまでに、およそ、どれくらいの時間を要して...

[短篇小説] とある女の手記

私の仕事を説明するにあたって、最初に断っておくことがあります。それは、私のしている仕事について、善か悪かを、とやかく議論することは、あまりにも不毛で、愚の骨頂極...