冴月の花 ―― 朔 ―― / 九廻の噺 第1部 5 九条ゼロレンヂ 2023年11月8日 21:50 【オリジナル作品PR】第1部『九廻の噺ここのえ の はな、九条の桜くじょう の さくら 篇へん 冴月の花さゆづき の はな ―― 朔さく ――』オリジナル小説『九廻ここのえの噺はな』シリーズ、第1部。和風怪異譚『冴月さゆづきの花はな ―― 朔さく ――』。『九廻の噺』 第1部 メインビジュアルこれは九条サクラという少女が「生まれた意味」を知るまでの物語。旅路の最後、彼女が辿り着いた自身の出生の秘密とは――――――――。 これは夜の桜が似合う女の噺はな。 嗚呼、女は花。 世界が拒絶した五分咲きの花。 その花が咲くか、咲かぬかの一廻ひとえの噺はな。 これより幕を開ける物語から遡ること十年。 後のちの世に赤月あかつきの役えきと呼ばれる、人と鬼の戦いが起きた夜の出来事を君に聞かせよう。 大挙して鬼ソレが押し寄せた里の中、とある屋敷に幼い三姉妹の姿があった。 面倒見のよい、しっかり者の十二歳長女。 姉には甘えたいけれど、妹には頼られたい七歳次女。 ぐずってばかりの、怖がりな四歳三女。 突如として鳴り響く、夜半の警鐘けいしょう。 三姉妹の中では、長女だけが冷静に事態を理解していたのだろう。 長女は妹たちを屋敷の一番奥の部屋へと連れて行く。 そして、二人の耳元で「ここで、お父さんが帰ってくるのを静かに待ってるんだ。私は、お母さんのところへ行ってくる」と囁き、そっと戸を閉じた。 次女は閉められた襖ふすまの前できょとんとする。 それも無理からぬ。なぜなら三姉妹の母親は、とうの昔に鬼籍きせきに入いったのだから。 次女の表情が徐々に不安に染まっていく傍かたわらで、三女は震えながら次女の手を握り、ただ立ち尽くしていた。 それから、時は流れて十年後。 長女の消息は知れず、未だ帰らず。 ……だから、これは。 姉の軌跡を辿るべく修行を積み重ねた、三姉妹の次女。 九条サクラの物語くじょうさくら の ものがたり。九廻の噺、九条の桜 篇 冴月の花 ―― 朔 ――(本編冒頭 抜粋) 九廻の噺、九条の桜 篇 冴月の花 ―― 朔 ――(本編冒頭) 冴月の花 ―― 朔 ―― / 九廻の噺 第1部 - #九条商店 - BOOTH オリジナル小説『九廻の噺』(ここのえのはな)シリーズ、第1部。 和風怪異譚『冴月の花 ―― 朔 ――』(さゆづきのはな ― zerorangex09th.booth.pm ☆BOOTHにて「試し読み版」(約16万字)を無料頒布中です!!(PDF A5判 2段組 本編382頁 260347文字|2021年12月31日 発表) ダウンロード copy #小説 #和風 #自信作 #九条ゼロレンヂ #九廻の噺 #超絶自信作 #冴月の花 5 この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? 記事をサポート