エイゼンシュテイン

エイゼンシュテインの事。

今日のgoogleのトップ画面がフィルムを持ったおじさんの絵になっていて、興味を持ってみたらセルゲイ・エイゼンシュテインという映画監督の誕生日と言うことだった。(生誕120周年だって!)

もう70年も前に亡くなっているが、歴史に名を成す映画監督のひとりだろう、かつて、僕も映画大好き少年だったので「戦艦ポチョムキン」をはじめとしたほとんどの映画を見ている、しかし、今見て面白い映画ではない。

しかし、映画という形を作ったという意味では一見の価値ありかもしれない。

エイゼンシュテインの映画で記憶に残っている事がある。

1990年代、初めて仕事でロザンゼルスへ行ったのだけど、その時宿泊していたホテルの近くにミニシアターのような映画館があった。

仕事(撮影)が無かったある午前中、「そうだ!映画を見よう」と思い立った。前にも書いたが、映画大好き少年だったので、僕の秘かな夢は「アメリカの映画館でポップコーンを食べながら映画を見る」事だった。

早朝、映画館に行くと、チケット売り場の前には列が出来ていた、劇場前のポスターを見ると、上映作品はエイゼンシュテインの「アレクサンドル・ネフスキー」と、ドキュメンタリー映画「Unzipped」、他にもう1本ぐらい上映していたと思う。

どう考えても、ロザンゼルスの青空の下、古い白黒映画の「アレクサンドル・ネフスキー」は似合わないだろう、僕は「Unzipped」を見る事に決めてチケットを買う列に並んだ。

アメリカでもまだ、ネットで席を買う時代では無かった。

「Unzipped」は「アンジップド」と発音するのだろうとは想像出来たが、窓口でタイトルを言う必要がある。

もともと英語に自信は無かったけど、これまで数日ロスに滞在し、英語の発音を含めて、さんざん嫌な目に合っていて、英語恐怖症になっていた。

チケットを買う列は僕の前に10人はいる、この中の誰かは「Unzipped」を買うだろうから、その発音を聞き取ろうと、聞き耳を立てて窓口が開くのを待った。

しばらくして窓口が開く・・・すると、聞こえてくるのは「アレクサンドル・ネフスキー」という言葉ばかり、

「 Alexander Nevsky」「 Alexander Nevsky」「 Alexander Nevsky」

「Unzipped」の上映時間を間違えたのか・・・イヤ、それは何回も確認した、そんな事を思っているうち、自分の番が来た、仕方ない、思い切って「アンジップド」と言ってみる、すると、すんなりチケットは買えた。

しかし、アメリカ人たち、なぜみんな「アレクサンドル・ネフスキー」を見るのだ、それが不思議でならなかった・・・。

今でも聞き耳を立てていた「 Alexander Nevsky」の発音はちゃんと出来る気がするが、「Unzipped」に関しては、まだ自信が無い。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?