映画字幕の事。
ある方の書かれた「映像翻訳講座に行った」というnoteを読ませてもらった。
書かれた方は、なにひとつ悪い事など無いけど、今後字幕を作るやる気を損なう恐れがありそうなので、あえてリンクははりません。(面白かったし勉強になりました)
以下は、映像翻訳・字幕について、日ごろ思っている個人的感想です。
映画に字幕がないと本当に困る。困るよ。しかし、いっぱい不満もある。
簡単にいうなら、字幕の文字制限。
1秒に4文字が基本だという。さらに1行13文字ほど・・・
ある俳優が早口で5秒喋る、これを20文字で納めなければイケナイと言う。
「昨日、ゲームを返しにジョンの所に行ったら、パパもママも留守でさ、キャサリンって人がいて、ゲームはちゃんと返しておく、って行ってたけど、受け取った?」
まあ、こんなような事を5秒で英語で言ったのを直訳したのが、上のセリフだとして、直訳64文字を20文字にする。
大事なのは、ゲームを受け取った事? と思ったら、あとあと、パパとママが留守という事が物語りの伏線だったり・・・
どうするの?
とにかく5秒20文字という、そういう、映像翻訳業界の約束事があるようだけど、正直、ちょっと古い気がする、もちろん、字幕を読むのにタイヘンで映像が見れない、そんな人もいるだろう。
でも、そういう人には吹替えを見てもらう事にして、個人的にはもっと文字数を詰め込んで欲しい。
直訳に近いものにして欲しい。
実はワタクシ、かつて字幕入れ作業をしていた。
それは、海外のアダルト作品。当然、予算も少なく、映像翻訳業者など頼めない。
そこで、シナリオをただ直訳してくれる、翻訳者とも言えないような、英語が堪能な日本人に訳してもらう。
僕は英語が堪能でもなんでもないけど、映像の編集はそこそこプロだ、いやプロじゃなくても出来る単純作業だけど、映像にあわせて、直訳した日本語をテロップ(字幕)にして映像の上に乗せてゆく。
もちろん、直訳では長過ぎるし、おかしな所もあるで、映像にあわせて、直訳された日本語を短く、話し言葉にしてゆく。
もう個人的なセンス。
1秒に4文字なんて制限は無視、読めると思えば何文字でも入れる。
この仕事はなかなか面白かった、勿論、字幕が入れ終わった作品は数人にチェックされる、誤字がないか、読めるかどうか、タイミングが合っているか・・・
何作品かやったけど、誤字とか、送り仮名の使い方、タイミングなどで修正が来ることはあっても、「字幕が長過ぎて読めなかった」という修正は一度も無かったと思う。
中国ではドラマでも映画でも、ほとんど中国語字幕が出る、俳優が喋るセリフがそのまま字幕になっている。
時には中国語の下に英語字幕も出る、英語は読めるのかなというぐらい長い時もある。
でも、慣れると読める、というか、単語を映像として認識する感覚だと思う。
まあ、これは個人的な事なので、結論は出ないけど、下に参考に少し映像を入れておきます。
最近見た「心理罪之城市之光」という中国映画の11秒ほどの一場面、あえて緊迫したセリフの多い場面を(勝手に)使いました。
中国語と英語は最初から入っていたもの、一番下の日本語をほぼ直訳で入れてみました。
① 約2秒半のセリフの場面(正確には2秒18フレーム〔1秒間は30フレーム〕)本来は10文字ぐらいの所に、23文字。
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② 2秒と9フレーム、本来なら9文字ぐらいか・・・そこに34文字。
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③ 2秒20フレーム、これも10文字ぐらいだが、21文字入れる。
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④ 1秒1フレーム、本来4文字の所に18文字。
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⑤ 1秒9フレーム これも5文字ぐらいの所に10文字入れた。
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読めないかな???
(中国語を元に訳しているので英語訳と少し違います)
個人的には④が早過ぎるけど、他はまあまあ・・・と思う。
下は動画。
どちらにしろ、人それぞれなのは理解してます。
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