見出し画像

抗美援朝電影(アメリカと抗戦し、朝鮮を援護する映画)

日本人の戦争は第二次世界大戦で終ってる。

それはすごく幸せな事だけど、世界のどこかでは今も戦争が続いていたりする。

前に「芳華」という映画の事を書いたけど、この映画を最初なんの予備知識もなく見始めた時、毛沢東が亡くなった時代が描かれ、その時代のあと、中国が戦争をしていた事に驚いた、中越戦争らしい。

中国とベトナムが戦争をしていた事などまったく知らなかった。

そんな戦争音痴? なので中国とアメリカの戦争も知らなかった。

正確には朝鮮戦争で、中国対アメリカではなく、{韓国側に進駐していたアメリカ軍を中心に、イギリスやフィリピン、オーストラリア、カナダ、ベルギーやタイ王国などの国連加盟国で構成された国連軍}だそうだけど、

ともかく、中国とアメリカが戦う「抗美援朝」映画がテレビ放送されるというので見てみた。(中国語でアメリカは{美国}と書く)

今回、放送されたのは「英雄子女」「上甘嶺」「奇襲」。

こういう映画、教えてもらわないと分らない。 

もともと映画好きなので戦争映画もそこそこ見ているけど、抗日映画だけでなく抗美映画というモノがある事さえ知らなかった。

「英雄子女」は見逃してしまったけど、「上甘嶺」と「奇襲」は見る事が出来た。

「上甘嶺」は1956年製作、「奇襲」は1960年製作。

古い映画なので技術的な事は置いておこう。

なんと言ったらいいのか...... 「上甘嶺」の戦闘シーンはほとんど音楽処理されて、音で盛り上げている感じ、物語の大筋は激しい戦闘ではなく、中国人民志願軍の団結だ。みんなの為に進んで犠牲になる、それは、日本の特攻隊的な悲壮感漂うものでなく、ただ、死んでゆく。

死んでも死んでも攻めて、勝利を勝ち取る。

アメリカ兵はほとんど出て来ない、群集として描かれるが、あまりアップにはならない、白人を大量に集められる時代ではなかったのかもしれない。

戦闘中にピンナップガールの写真を見ていたりするのが数少ないアップのシーンだ。

「奇襲」はもう少し複雑な物語だが、非常に理解しづらい、それは見る側の予備知識の問題だが、日中戦争映画は多く見て、日本軍の軍服、八路軍の軍服、装具、日の丸の旗など知っている情報があり、敵と味方がハッキリしているが、朝鮮戦争は非常に分りにくい。

ボーっと見ていると、敵だか味方だか分らなくなる。

チマチョゴリを着た女性は韓国人? 朝鮮人? 

これは個人的に知識不足なだけかもしれないけど、映画的な描きわけが不親切な部分も感じた。

アメリカ人役も中国人が演じている。

まあ、アメリカ人と言えばアメリカ人だ。

抗日映画なら、同じアジア人どうし、中国人俳優が日本人を演じても見た目は分らないが、アメリカ人はそうはいかない。

1960年はまだ中国とアメリカは国交回復していない、もちろん、ロシア人でも、白人ならそれっぽく見えただろうが、おそらく中国語でちゃんと芝居が出来る俳優はいなかったのだろう。

そんなせいで、ちょっとおかしな映画になっている。

この時期にこのような映画を放送したのは、先にリンクした記事によると「米中貿易摩擦が激化する中、米国に譲歩しない姿勢を国民にアピールする狙いがあるとみられる」と書かれているが、

こんな古い映画で戦意高揚させられるほどバカではないだろうが、中華人民という民族を団結させるには、こういう映画が必要なのかもしれない。

これからこういう映画が作られるとしたらちょっと怖い。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?