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戦争映画の見過ぎか

俺は戦争映画を、特に1次対戦〜ベトナム戦争が題材の作品に関しては国内で入手できる限りのすべての作品を見たと言っていい。多分映画好きより戦争映画に関しては圧倒的に観ている自信がある。だが俺は全く映画オタクじゃない。全部感覚と軍オタで楽しんでる。ティーガー!!ドカーン!!!98とヘルメットは長い方が良いよな…なんで35年に36年モデルの徽章がついてんの??とかワクワクしながら観てる。だからカットとか技法は全く知らない。けど好きなものは好きなのだ!!今日から戦争映画について好き勝手書く!!

本日のオススメ ヒトラー最後の12日間

あらすじ。時は1945年4月、誕生日を迎えたヒトラー総統の元に届いたのは祝砲ではなくソ連軍の砲撃だった。度重なる東部戦線での敗走と西側連合諸国による大攻勢によりドイツの支配領域はベルリン市内数キロまでになっていた。終戦間際に繰り広げられる総統地下壕(ヒトラーの避難地下シェルター)内での人間模様が当時を知る証人によって鮮明に描かれる。

これはもう傑作。20回以上見てます。まず主演のブルーノガンツが晩年のヒトラーそっくり。クレッチマンが軍服似合い過ぎてる。ロケ地のサンクトペテルブルクの街並みもベルリンっぽい!そんなんで再生したらまず間違いなく"ベルリン"に引き込まれる。この映画を一言でいえば"見えない攻撃"に尽きる。実はこの映画、戦闘シーンがほぼ存在しないのだ。本作は末端の兵隊はほとんど描かれず、ヒトラー、ゲッベルス、ヒムラーといったお偉方にフォーカスして作られているため、後半約20分までの画は基本的に瓦礫などない綺麗なカットが多い。しかし舞台である1945年4月のベルリンは街全体が戦場、当然敵軍は毎時間数メートルずつ地下壕までやってくる。日を重ねるにつれ攻撃は激化し壕に出入りする兵隊の身なりも汚くなり、地下壕内では高官の一家心中や逃亡などが次々に起こり全員がドンドン極限状態に陥いってしまう。。前半は直接銃撃を受けることのない彼らを追い詰める情報や砲撃音、戦後処理などの精神的な攻撃、後半では今まで綺麗だったお偉方が土煙で汚れたり、砲撃で女性や少年が吹き飛ばされたりと直接的な攻撃の表現をドンドン盛り込むことで必死に逃げ惑う姿が表現されている。想像上の脅威と現実が混ざり前半との対比も最高だ。

この映画はセットや服装の再現性の高さも素晴らしいのだが(撮影で使われた総統地下壕は全てコンテナで作られたセットだったりする。)、ニュルンベルク裁判から続く"良いドイツ人"と"悪いドイツ人"(よく国防軍とSSで分けられがち)という戦争映画あるあるの二元論的構成ではなく、あくまで個人を中心に物語が進むストーリー構成に魅力がある!!これのおかげでより一層リアルで引き込まれる映画になっているのだ。一説ではこの映画以降、ドイツでヒトラーを人間的に描くことが許されるようになったらしい(?)そうだとしたら帰ってきたヒトラーなんか多分そうだろうね。(これも面白いから是非見て欲しい。ムッソリーニも帰ってきた!)衣装の精密さ、自国のタブーを描く勇敢さ、個人的にはプライベートライアンが引き起こした戦争映画の革命に続く第二次戦争映画革命であると思っている。

いつかトーマスクレッチマン特集を組みたいな。

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