62本目 コーヒードロップ

デビステのてんぷら 62本目 (週刊PONTE vol.63, 2020.1.27)

ジャグリングをメディアとかで見かけると、とりあえず嬉しくなってしまうのがマイナージャンル関係者である我々の悲しき性なのである。
ドラマの脇役に大道芸人が出てたとか、CMに5ボールやってる人が見切れたとか、小説の題材にジャグリングが扱われていたとか。
今回私が見つけたのは、1枚のイラストである。

絵本作家でイラストレーターのヨシタケシンスケ氏が、雑誌"小説すばる"の表紙で"めずらしいお仕事図鑑"というものを描いている。扉連載のようなものである。どんなお仕事かと言うと、

読書感想文代筆屋
未解決事件紹介所
文庫すくい

など、食っていけなそうな怪しい職業がわんさと紹介されている。
なんと2020年2月号の珍しいお仕事は、大道芸コーヒー。
一体どんなイラストなんだと言うのを(わざわざ)文章で説明したので、ジャグラーである皆様に想像していただきたい。

まず全体として、3人と1匹の大道芸人が曲芸しながらコーヒーを淹れてくれている。
ローラボーラ的に樽の上に長い板が置かれていて、その上に3人の大道芸人がいるのだが、真ん中のAさんは、さらに2段の直交したローラーボーラに逆立ちしている。もうしんどい。身体は大きく弧を書いており、頭の上にはコーヒーカップとソーサー。
次に右側Bさん、ガラス瓶を2本立てた上に椅子が前足だけで乗っていて、その背もたれのてっぺんを掴むように、こちらも逆立ち状態でバランスしている。大きく開いた足には、片方はリングが一つ、もう片方の足の上にはなんとCatさんが器用に逆立ちしていて、Y字というかもはやT字に開いた両足の先にリングがかけられている。猫も凄い。このBさんは、挽いた豆とコーヒーフィルターがセットされた専用のヘルメットを被っている。
最後に左側のDさん、Bさんと同じく、2本のガラス瓶の上に椅子が不安定に乗っかり、その上に見事に立っている。空いている両手で3クラブを投げており、ノールックでフラッシュの瞬間である。奇跡的なのに顔は真顔。傾げた頭にはポットがくっついたヘルメットがセットされていて、お湯が流れ落ちている。それがBさんの豆とフィルターを通り、真ん中にいるAさんのカップに一滴一滴のコーヒーとなって注がれているのである。

ちなみに、衣装は完全にくるくるシルク。

答え合わせ→http://www13260.mediagalaxy.ne.jp/wp-content/themes/subaru/commentary2002.html

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きんまめ:ジャグリングサークルジャグてっく元部長。くらいしか経歴がない。デビルスティックをやっていました。一番下の樽がなければ意外といけそうな気がしますね。好きなジャグラーは特にいません。
デビステのてんぷら冊子版:https://kinzokumame.booth.pm/

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