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愛される地元コンビニの努力

我が街にもある地元コンビニ、セコマ。
北海道においてこれほど便利で愛されるコンビニはないと言える。
どんな点がいいのだろう?
自分の利用方法や実例を挙げながら下記の日経新聞の記事を参照しつつ綴ってみたい。

我が家ではセコマといえば独自ブランドの乳製品の買物であったり、外出時の食事などによく利用している。
独自ブランドの乳製品は北海道北部の豊富町という所で生産される牛乳を用いている。
その豊富町は、かつて幌延問題により生産される乳製品が全国の市場から敬遠された所である。そこで買い手がつかなくなった乳製品を一手にひき受けたのがセコマであった。安くて良質かつ美味しい牛乳は評判となりソフトクリームやヨーグルトなども出すもの全てヒット。地元の乳製品を地元が買い支える形となった。まさに地産地消である。
実際問題、牛乳は大手メーカーより美味しく20本分紙パックを持っていくと地元の紙業メーカーが作ったティッシュペーパーと交換できるという裏ワザまであり、徹底した地元意識だ。
ソフトクリームは物価高に左右されずにお値段据え置きかつ美味しい。
ヨーグルトはまろやかで砂糖なしのプレーンでいくらでも食べられる。そんな優秀な商品である。

独自ブランド路線は飲料品にも及ぶ。
知り得る限りでは水やコーヒー・お茶など、大手飲料品メーカーを脅かし、同業他社のコンビニでも独自ブランド品を追従して出すなど、北海道を拠点としながら業界を席巻する風を起こした。

そして特筆すべきは、輸入ワインが安く手に入るという独自販路を持っていることであろう。
コンビニの陳列棚で輸入ワインが安く並んでいる。チリ産などの酒屋でも安く手に入る銘柄はもとよりフランス産やスペイン産といった普通500〜1,000円でなかなか手に入らない銘柄も買えるのだ。我が家でも恩恵に預かっている。

外出時に良く利用するスタイルとしては、ホットシェフという店内調理するコーナーで作られたおにぎりを片手に同じくホットシェフで作られているフライドチキンやフライドポテトをつまみながら車で移動する。
ホットシェフとは、何を隠そうあの胆振東部地震の時に店員の自動車から電源を取って塩おにぎりを売り地元の被災者を救った立役者である。
どうやらそのホットシェフでの販売に際し、ここの所の原料高に対する対応策に迫られているようだ。

ホットシェフでのフライドチキンは原料の鶏肉をタイ中心に仕入れているとある。それは予め現地で切り分けられた状態で来るそうだ。
ここのところの円安だけでなく現地の人件費の高騰、そして燃料費の高止まりによる物流コストの上昇によりこのまま2022年末までいくと2021年末比で12%も値上がりするという。

店内調理ということを生かしてブロック肉を仕入れることによるコストダウンや、仕入れ先をブラジル産にも広げることによるコストダウンを図る。

また、フライドポテトについては米国産ジャガイモを使用していたそうだ。その点については意外に思ったが、それを北海道産を採用することにより対応。北海道産ポテトと銘打って付加価値商品として店舗内に置く。
輸入産ポテトと北海道産ポテトの比率は5;5。これにより為替リスクも回避できるという。そして、輸入ポテトについては数ヶ月先まで確保するそうだ。

国内でも独自路線をゆく慣れ親しんだコンビニ、セコマ。
このような形で円安・ドル高や資源高による物価高を乗り切って安定価格で提供する努力をしていてくれる、その心が地元に愛される所以であろう。

さて、今晩の飲み物でも買ってこようか。


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