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【仕事人】


 
 仕事は与えられるものではなく、生み出すものだという文化がクラスの中で生まれは始めています。
 10年ほど前は、YouTuberという仕事は全く一般的ではありませんでした。しかし、そのYouTubeというツールを使って「誰かのためになれるかも!」と思いついた人がそれを仕事にしたわけです。そして、YouTuberといった仕事が生まれました。
 AIの発達も著しい現代。この先なくなっていく仕事もあるでしょう。
 変化の目まぐるしいこれからの時代を生きる子どもたち。そんな子どもたちに必要な力の1つがとして「創造力」があると思ってます。生み出す力です。
 与えられたものをこなすだけではなく、「これもしかして人のためになるかも?」と考え、仕事を生み出せる人であってほしいと願っています。

 先日、自教室清掃がありました。私は、「ぜひ、自分たちで仕事を生み出してほしい。」という願いから、あえて細かに役割分担をせず、子どもたちが考えて動ける余白を残して、自教室清掃を始めました。
 子どもたちは次々と、「これ自分にできるかも!」「これは人のためになることかも!」と
考え、どんどん仕事を発見していきました。
 
 ほうきで教室の床をはく。雑巾で教室の床や棚を拭く。集めて保管してある教科書を出席番号順に並べる。黒板を綺麗にする。チョークの整頓。窓を拭く。トイレットペーパーの補充。トイレの便器を擦って磨く。トイレの床を雑巾で拭く、、、。

 「そこまで見えているのか!」「その仕事は思いつかなかった!」「その掃除を率先して行えるのか!」と素直に感心しました。

 子どもたちは、生み出す力をもっています。
 
 どの仕事も、「人のため」になるもので、それを自分たちで考えて、行動にまでできるところは本当に素晴らしいなと思います。
 
 たくさん生み出された仕事の中でも、とりわけ感動したものがあります。
 それは、床を雑巾で拭く仕事、トイレの床を雑巾で拭く仕事、トイレットペーパーの補充です。

 その理由は、一見すると、誰もやりたがらない仕事だから。

 地面にひざをついて、床を拭くことは結構大変です。また雑巾はどこか低学年がやるイメージなのかなかなかやりたがる人はいません。

 トイレの床を雑巾で拭く仕事も、「汚い」という思いが先行し、取り組む人はなかなか出てきません。

 トイレットペーパーの補充も、自分が使ったときに紙がなくなるとどこかハズレを引いた気分になります。できればやりたくない仕事なのかもしれません。

 しかし、そういった仕事に進んで取り組むメンバーがいました。

 「人がやりたがらないこと」を率先して行える人は、組織を支える人です。
 「人がやりたがらないことこそ、自分から取り組む」という在り方は、多くの信頼を集めます。まさに仕事ができる人です。仕事人。

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