SexyZoneへ。マリウス葉くんへ。

マリウス葉くんが、大好きなSexyZoneを卒業した。
きっと復帰してくれるとも思っていたし、復帰はしてくれないかもな、とも思っていた。多分私以外のセクラバもそうだったんじゃないだろうか。

正直なことを言ってしまうと、とても寂しい。
私はアイドルの関係性ってものがすごく好きで、推しはいてもグループみんなの絡み合う関係を見ていたいタイプのオタクだから(私に限った話ではないと思うけど)より、寂しかった。
それに、自担をはじめとする他メンバーのメンタルも心配だった。みんな、5人5人って言い続けていた人たちだったから。中でも自担は、5人じゃなければ意味がないって繰り返し言うくらい、5人に拘り続けていた。自分にも芸能界にもあんまり興味がない人。5人にしか興味がない人。だから、自担が変わってしまうこともとても怖かった。

そして何よりマリウス本人。担当ではないものの、私は彼がすごく好きだった。きっとこれを読んでくれている人は私のSNSを普段も覗いてくれているはずだから、言わなくても分かると思う。

もう歌って踊る姿を見れないのか、とか。
もう5人でふざけているところを見れないのか、とか。
あんなに凄いパワーを持った子が世界に羽ばたいたら、SexyZoneと距離が出来ちゃうんじゃないかな、とか。

でも寂しいと同時に、マリウスのそういうところこそが私の1番好きなところなんだな、とも気付いた。
勇気を持って自分の道を選べるところ。でも、その決断を決して自分勝手にするのではなく、冷静に、周りを考えて、優しさを持って、丁寧に出来るところ。
真似できないな。本当に、なりたいけど真似できない。なんて素敵な子なんだろう。

聡明で優しい子で。かと言っていい子ちゃんに振りすぎず小悪魔な良さも持っていたりして。そして、それがまたチャーミングで好きだった。遠慮がなくて、だからこそ人の心に入るのがうまくて、普通の人ならどうやって声をかけたらいいか考えてしまうような場面で、大胆に励ましたり愛を伝えたりできる。言葉にすることを全然怖がらない。言葉を発する時の目はいつも凛としていて迷いがない。いつだってブレなくて、マリウス葉のリズムを作るのが上手だった。そして他の人のリズムを決して邪魔することなく調和するのも、本当にうまい。

寂しいし、辞めないでほしかったけど、マリウスがこういう子じゃなかったら私はきっと好きにならなかった。そうしたらきっと、SexyZoneのことも好きにならなかったと思う。

だから多分、この寂しさは必然だったんだろう。マリウスがこういう勇気ある決断ができる子だったから好きになったんだ。マリウスがマリウスじゃなかったら私はきっと君たちを好きになっていなくて、今こんなに寂しい思いはしていない。でも、マリウスがマリウスだったから私は君たちを好きになれて、今こんなに寂しい。

ありがたい寂しさだと思う。
味わえてよかった寂しさがあるなんて思わなかった。
マリウスがマリウスとして生まれてきてくれて、生きてくれて、アイドルになってくれて、本当に良かった。

震災の時、日本のみんなを笑顔にしたいと言ってアイドルになってくれたマリウス。
今度は世界の為に羽ばたくんだって聞いて、安心して任せられると思った。
大袈裟かもしれないけど、マリウスが世界を救ってくれるなら、世界のことを少し信じられる気がする。
明日の天気予報すらも信じてない私が、そんなふうに思う。地球の片隅のひとりのちっぽけな女をそんな風に思わせたからってなんなんだって思う人もいるだろう。

でも、マリウスはそういう子なんだ。
マリウスがいう『日本のみんな』とか『世界中の人々』とかって、『みんな』じゃない。
一人一人の集合体で『みんな』になっていることを、マリウスはよくわかってくれている。
マリウスが言う『みんなを笑顔にしたい』は、いつも『あなたを笑顔にしたい』に聞こえる。
そういう説得力のある存在だった。
だからマリウスの救う世界でなら、こんなちっぽけな私も、きっと幸せになれる。オタクの戯言かもしれないけど、本心からそう思う。

そうして私が心配していた4人も、カウントダウンコンサートのステージの上で笑っていた。
実は、卒業のことが話題に上がったのは一年ほど前らしい。そんなことを胸に秘めながら過ごしたSexyZoneのみんなにとって、去年の一年間は一体どんな意味を持つ年だったのだろう。悲しかったはずだし、迷いも怖さもあったはずなのに、そんな姿少しも見せずにステージの上で輝いてくれていた。頭の片隅でいつもマリウスのことを考えながらも、ただ楽しませてもらうだけだった私たちオタクが憎くなるくらい、頑張ってくれたんだ。
でも、それこそがSexyZoneの狙いだったのだろう。ただ、楽しんでもらうこと。こんなに全身でアイドルを全うしているグループを他に知らない。

普通だったらアイドルなんて推すもんじゃないと思ってしまうような状況で、私はもっと彼らが好きになったし、好きになって良かったと思った。

マリウス含むSexyZoneがこれから作って行く未来になら生きてみたい。寂しいはずの卒業の後で、何故だかそんな明るい気持ちになって、2023年が始まった。


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