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ZISO 2020.4.7

先刻、非常事態宣言が出されました。

当たり前のようにボールを蹴って、勝った負けたをして。「楽しかったな」と思い出しつつ、同時に ひどく懐かしく感じます。

フットボールを取り上げられた僕たちは、これらから何をしていくのだろうと、日々失っていくゲーム感の中で、考えています。

この難問に対して、答えが出せずにいます。徳島にいたころの孤独を、少し思い出します。ただ、ZISOにはすでにたくさんの仲間がいます。

その一部であり、中心であり、そんな Jリーガーたちを紹介したいと思って、noteを書いています。

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Evernoteにメモが残っていて、作成日は2017年の2月。プロ1年目の2016シーズンを終え、1秒たりともJリーグのピッチに出られなかったことを相談したものと思われます。け緻密に誠実にやった努力も、怪我、監督との相性、有能な外国籍選手の加入、どれかひとつだけで吹っ飛ぶ。ただ、そんな変数まみれの中を渡っていくことに、価値と、そして面白さがあると。

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Jリーグなんて、2,3回しか観たことがなかったんですが、それでも、名前を聞いたときに「ああ、あのカールスルーエの」と気づくくらいの選手、改めて説明する必要もありませんが。

面識がないのに電話をさせてもらって、自分の考えていることを伝えて、すぐに「一緒にやっていこう」と、可愛い絵文字付きで返事をもらったことをよく覚えています。フットボールの追求と、少し客観的な視点と、両立させている人とのはじめての出会いでした。

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彼が、まだキャプテンじゃなかったころ、怪我で 一週お休みしていたときに、万年メンバー外だった僕をご飯に連れていってくれました。

ゆっくり話したのは、そのときがはじめてで、それ以降、家族の次に長い時間(累計)を、一緒に過ごさせてもらうことになります。

ちょうど 彼自身が、日本代表という目標について、自分の人生で折り合いをどうするかのタイミング。チームでは活躍に賞賛が送られ、しかし、ひとりのフットボーラーとして葛藤する姿を、特等席で見させてもらいました。僕の人生に、大きな影響を与えてくれました。

彼は、SNSをやらない主義らしいです。

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外側の人間が言う「視野を広げろ」とか「学ぶ姿勢を持て」とか、本当にくだらないと思ってきました。そこには、まるでエネルギーというものがないからです。

僕たちが 気づいているのは、フットボールの複雑性です。この世界では、ある一定のレベルを通過すると、教科書を丸暗記したプレーヤーが勝つような、そんな単純なゲームではなくなってきます。

ただ上手くなればいいのではなく、例えば、何を上手くなればいいのかを、自分で選択していくことが必要です。これは ひとつのフットボールであり、ただし ピッチの外で行われます。

何より、COVID-19によって 激しく変わっていく世界と、決して変わらない自分のフットボールを、ZISOというもうひとつのチームで、追求していこうと思っているのです。

これまで、全国に散らばっている Jリーガーたちは、物理的制約によって オンラインで集うしかなかったわけですが、皮肉にも、今、それは世界のスタンダードになりつつあります。

ここは、きっと、挑戦のタイミングだと思うのです。数ヶ月後にローンチするつもりだったZISOは、まだ不完全です。それでも、ここで紹介したボードメンバーたちと、今週にもオンラインで皆さんにお目にかかります。


井筒陸也

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