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『万場町 のくらし-喫茶と間貸-』で修行したら”最上”のメンターに出会った話 〜ビジネスモデル編〜

前回のnoteでは、僕が『万場町 のくらし-喫茶と間貸-』と出会い、
学びに溢れていると直感的に思い、
ノリと勢いで「丁稚奉公させてください!」までの経緯をご紹介しましたが、

今回は過去にnoteで書いたこともある、
「1+1=3、4…」が生まれる場作り(3)を事業としてやっていきたい!
ローカル・インキュベートを起こしたい!(4)
という視点で、

その実践者であるよしのゆうみさんと『万場町 のくらし-喫茶と間貸-』のビジネスモデルについて深掘りします。

1、『のくらし』の本当の顧客は誰か? 提供価値は何か?


『のくらし』には毎日いろいろなお客さんがやってきます。

ーー『のくらし』お客さん図鑑のごく一部ーーーー
・ゆうみさんに相談ごとのあるモグラー(常連さん)
・打ち合わせがある人(ゆうみさんとの場合も多い)
・ウワサを聞いた人(SNSで知ったらしい)
・通りすがりの人(土曜多め)
・閉店後の『のくらし』で英語塾を行う先生(だいたい15時~いつもの席あり〼)
・米仙人(勝負服は赤、米ウマすぎ)
etc…
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ゆうみさん曰く、
「来客のうち、8割が常連さん。」
と、話しているうちに、

また1人常連さんが。
「ども〜〜」
「おー!〇〇じゃん、いらっしゃい」

『のくらし』に集う常連さんたちは、
まるで、自分の家に上がっていくかのごとく、くつろいで、ゆうみさんに人生相談をしたり、自分の仕事をしたり、各々の時間を過ごします。

『のくらし』は喫茶としてコーヒーや軽食を提供し、
その対価としてお金が支払われているように見えます。
もちろん、そういった側面が全くないわけではないですが、
本質的な提供価値はそこではないのでは?

「いちばんのお客さんは、私と一緒に何かやってくれる人かもね。」

その真意は、『のくらし』のお客さんと関わる中で明らかになりました。

ーーーーー
File.1 ゆうみさんに相談ごとのあるモグラー

2週に1回ほどご来店。(バラツキあり)
ホットコーヒーを注文。
ゆうみさんに話を聞いてもらいたい。
モグラー。

ーーーーー
File.2 米仙人(勝負服は赤、米ウマすぎ)

週1ほどご来店。
ランチや喫茶利用。
『のくらし』ランチのお米を卸している。
オフ会もしばしば参加。
様々な自主イベント企画も。

ーーーーー
File.3 閉店後の『のくらし』で英語塾を行う先生(だいたい15時~いつもの席あり〼)

ほぼ毎日ご来店。
コーヒーやケーキセットを頼む。
オフ会も足繁く参加。
店子として、閉店後の『のくらし』で英語塾を運営。
ーーーーー
などなど色々なお客さんがいらっしいました。

ファネルの下に行けばいくほど、『のくらし』やゆうみさんとの関係値が深くなる。ズバッと言ってしまえば関係値に比例して、もたらしてくれる利益も上がる。しかも無理のない形で、give & takeの関係が設計されているから、持続的。『のくらし』とお客さんで、共創するハッピーの総量が増えるイメージ。


2、『のくらし』のビジネスモデル

次は、今までのお客さん事例を、ビジネネスモデルという観点で捉え直してみると、こんな感じ(下図)。

「①喫茶」を入り口として、
何回かリピートするうちにファン化した顧客が、

「②オンラインサロン」に入会し、さらにサロンメンバーとの結びつきを求めるようになる(社会的欲求)と、定例的に開催される「③オフ会イベント(オフラインサロン)」に参加するようになる。

その中からさらに、
自分のスキルや価値を発揮することで『のくらし』コミュニティ発展に貢献したい(承認欲求)と顧客が思い、『のくらし』としてもそれを受け入れる場合、コミットメントに対する「④バーター」として互酬(お互い様)関係ができる。(例えば米を仕入れたり、店頭に商品展示など。)そのうち、『のくらし』の企画に対し協賛という形で支援したり、逆に『のくらし』が顧客のやりたいことを実現する(自己実現欲求)ためのサポートをする関係ができる。またイベント利用などを通じて、単発の「⑤場所貸し」に繋がったり、定期的な「⑥店貸」に繋がる。

というビジネスフローが設計されています。

=例=

File.1 ゆうみさんに相談ごとのあるモグラー
①+②+③

File.2 米仙人(勝負服は赤、米ウマすぎ)
①+②+③+④+⑤

File.3 閉店後の『のくらし』で英語塾を行う先生
①+②+③+④+⑥
===

このように、それぞれのファネルに応じて、マネタイズポイントが設計されていて、

言い換えるなら、『のくらし』は喫茶店で飲食サービス(フロントエンド)だけを提供する場所ではなく、

バックエンドの部分で、戦略的にマネタイズができている。

だからこそ、『のくらし』は(ぶっちゃけ)利益の出ずらい喫茶という業態にもかかわらず、ゆうみさんのやりたい方向性を実現しながら、持続的な経営ができている!

天才!

いや本当、スゴい、スゴすぎる!

『のくらし』の掲げるコンセプトは、
”最上(もがみ)地域『のくらし』は「ありのまま」で最上(さいじょう)『のくらし』”。

『のくらし』、お客さん、地域の人たちが混じりあいながら、日々”の暮らし”を楽しげに、気ままに過ごす。

「ゆうみちゃ〜ん、うちの近くで採れだイノシシだー。けえ。(食べてね)」
「ありがとさまなー。」

「さっぎよ、どこどこのばっちゃんがよぉ、〇〇悩んでだんだど。しらねけんど。」
「そしたらよぉ、お茶のみでも誘って、ゆうみちゃんのとこでもいぐがー。」

「ゆうみさんに相談があるんですけど、こういうのしてみったい!」
「やってみようよ!!」

何気ない日常の中に、
豊かで愛おしい、”最上”の時間が流れる。
事業者(『のくらし』)も、顧客も、地域社会も、その境界は溶け合っていき、共に豊かな時間を紡いでいく。ひとりひとりが日々”の暮らし”に立脚しつつ、『のくらし』を媒介として、社会の輪の中で関係を結ぶ。

その中で、無理ない範囲で、各々ができることを実践する。
ゆうみさんもその一人。
場の提供と雰囲気作り、ちょっと背中を押す手伝い。
そんなステキな場所が、持続的な形でできていました!

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