どの体験がゲームのコア体験なのかを考える。そして、それ以外は削ぎ落とす。

僕が制作中の『BLTチャンピオン』というゲームでプレイヤーに味わってほしいコアな体験は、盤面を存分に吟味した上での意思決定とそれに伴う快感です。

よって、デザインの過程で発生したそれ以外の「ゲーム性らしきもの」は、余分としてそぎ落としてしまうのが体験の純度を高めることにつながると判断しています。

複数のデザイン方針で迷ったときの決め方

「BLTチャンピオン」では、プレイヤーは自分のターンで2回のアクションができ、取りうるアクションは3種類あります。

しかしテストプレイを通じて、多くのプレイヤーが3つアクションのうち、2つくらいしか覚えていられないと判明しました。アクション③を実行すれば明らかに得点を得られるシーンで①か②を選択してしまう、というケースが複数回確認されたのです。

こういうケースに遭遇した場合、デザイナーの取りうる選択は2パターンあると思います。

①:「選択肢を忘れるプレイヤーの力量不足」と考えて、対象プレイヤーに高いレベルを要求するゲームとしてデザインを進める
②:プレイヤーがそれらのアクションを忘れないようにデザインを進める

どちらも間違いではありません。しかし、今回はコアな体験を「盤面を存分に吟味した上での意思決定とそれに伴う快感」と設定したので、これが損なわれる可能性をはらむ①は選択肢から外れることになります。

コア体験のためには、「自分の持ちうる選択肢を覚え続けること」をプレイヤーに要求する必要はありません。ましてや、自分ができるはずの行動を忘れていたプレイヤーが不利になる必要もないのです。

よって「BLTチャンピオン」ではプレイヤーが取りうる選択肢を視認できるようサマリーカードを用意することにしました。

サマリーカードとは、プレイヤーが「覚える必要はないが、知っていなければならない情報」をまとめたものです。代表的なものでは「カタン」に用意されています。BLTチャンピオンでは下の写真のような感じ。

カタンにおける資源と施設の建設レートは、ゲーム中絶対に必要な情報ですが、それを記憶する必要はありません。自分の手札の資源とサマリーカードを見比べて、できることが分かればいいのです。コア体験は別の部分にあります。

ボードゲームに限らず、電子ゲームでもこうしたデザインがなされていることがあります。たとえば「モンスターハンター」シリーズでは、右下に自分が使えるアイテムが表示されていますね。

「モンスターハンター」のコアな体験はモンスターとのバトルですから、自分の持っているアイテムの種類と数が分からなくて焦る、という体験(リアリティはありますが)はそぎ落としてしまっているというわけです。

というわけでデザインの過程で選択肢が出てきたら、コア体験を損なわない方を選び、コアでない体験はゲーム性があってもそぎ落としてしまうのがいいと思います。

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