見出し画像

歴史は紡がれる〜2024年J1第1節 東京ヴェルディvs横浜F・マリノス

31年前の5月15日、国立競技場で産声をあげたJリーグ。
新しい時代の幕開けに、ピッチもスタンドも興奮冷めやらぬ映像を、これまで何度も見てきた。
川淵三郎チェアマンのスピーチ後に始まった試合。
ピッチ上では、水沼貴史さんや松永成立さんがマリノスの選手として戦っていた。
スタンドでは、私の父が、貴史さんの息子さんの宏太くんが観戦していた。
ヴェルディが前半に先制し、マリノスが後半に逆転。スコアは1-2でマリノスの勝利。全て南側(アウェイゴール裏側)でのゴールだったそうだ。

それから31年のあいだに、Jリーグのクラブは60クラブに増えた。
J開幕年にドーハの悲劇を味わった日本はW杯の常連国になっていった
宏太くんはJリーガーになり、紆余曲折を経てトリコロール戦士になって戻ってきた。
松永成立さんは一度喧嘩別れしたチームにキーパーコーチとして戻ってきて、現役時代はなしえなかった二度のリーグ優勝を共にした。
私もマリノスを応援するようになり、テレビ前で二度、現場で二度リーグ優勝を味わえた。

2019の優勝
2022の優勝

2024年2月25日 国立競技場
東京五輪を機に建て替えられた新国立競技場で、伝統の一戦が再び行われた。

初めての新国立でした(旧国立は5回くらい行ってる)


ヴェルディの選手紹介前に、何度も観たあの開幕戦の映像がビジョンに流れ、なんだかセンチメンタルになる。
川淵三郎チェアマンのスピーチが流れ、「あぁ、川淵さんお若い。。」と感傷にひたってたら、なんと今の川淵さんがスライドインして、ピッチにいらっしゃるという、実ににくい演出がそこに待っていた。これは良い意味でとてもズルい、とても良い演出。

川淵さん!!


ヴェルディがJ1に戻ってきたことに思わず言葉が詰まった川淵さんに、少しだけもらい泣きした。
私が本格的にマリノスの応援に行くようになってからずっとヴェルディはJ2だった。
試合前のこの演出だけでも、この一戦の特別感を十分実感できたし、Jリーグにとっては財産のような対戦カードだと感じられた。

宏太くんがスターティングイレブンとして、トリコロールを纏ってピッチ上にいた。31年の時を経て親子共にスタメンって奇跡だし伝説。
シゲさんは、今年もキーパーコーチとして健在で、貴史さんは、DAZN解説として国立にいらしたという。お二人のチャントには燃えたなぁ。
父はいなかったが、私はスタンドで観戦。

宏太くんのルーティーン。私の好きな光景のひとつ

試合はというと、開始2分でキーパー退場(マリノスの伝統はやくも再現!?)かもと焦った後、マリノスゴール裏の目の前で美しすぎるフリーキックが決まり、ヴェルディ先制。
ヴェルディは組織的にコンパクトに出足早く良いサッカーを展開していて、かなり手こずるマリノスだったが、後半の交代策がちょっとずつはまり始める。
相手のハンドでつかんだPKをロペスが決めて、アディショナルタイムにマツケンさん年1スーパーゴラッソが決まり逆転。1-2でマリノス勝利。
ほぼ劣勢だったのにこんな展開があるから、サッカー観戦はやめられないのだ。

ロペスのPK前
ケニーさんゴール後。ベンチメンバー含めてみんな駆け寄るマリノスが好き

ドラマより出来すぎた物語がそこにはあった。
不思議なもので、歴史はいくつも繰り返された。
ただ、全てが31年前と同じではなくて、選手たち、スタンドそれぞれに31年の時の流れが紡いできたものがあったのではないだろうか。


クラブの歴史を覚悟に換えて戦っているアカデミー育ちの両キャプテン(喜田さんと森田くん)


古巣対決に臨んだ選手たち(ポープさんとなべこちゃん)
新たに仲間の増えたマスコットたち(リヴェルンかわいかったー)


チアホーンはなく、各チームの応援文化が醸成された両ゴール裏


シーズンオフはどうしてもハリのない生活になってしまうと感じられるくらい、Jリーグは私の日常だ。
推しチームの勝敗や、優勝争い、残留争い、昇格争い、スーパープレーなどに一喜一憂する日々が戻ってきたことに感謝しながら今年もたくさん楽しませてもらいたいし、紡がれる歴史を見続けられたら幸せだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?