VD4B 仙台陣営感想記事(事前準備と振り返り編)

当日までの準備は文量が多いので、感想や振り返りが気になる方は目次から飛んでください

はじめに

ARAさん主催の初心者向け仮想ドラフト「VD4B」に参加してきました
開催要項などはこちらをご確認ください

※注意
今回のVD4Bは、仮想であることを明確にするため球団名を地域名に置換して行われております
記事を読む際はご注意ください
また筆者は野球やドラフト素人であり、的外れな意見もあるかもしれません
全文正しいことが保証できるものではないことをあらかじめご了承ください

当日までに考えたこと

当日までに選手のリストアップや指名プランを考えるわけだが、自分が意識したポイントは下記のとおり

①自分の好みを重視して獲得選手を選び、自分なりの指名戦略を考える
②補強ポイントを意識し、即戦力先発投手+右打ちの長距離砲(サード以外)獲得を目指す
③今年の市場を考え、豊富な右投手を1位2位で指名するのは避ける 1位〜3位トータルでの質を重視する
④競合の1位候補を外した場合は他球団の動向を見て外れ1位指名を工夫する
⑤単独狙いはせずにまずは100点満点を目指す
⑥ブラフをかける
⑦補強ポイントばかりにこだわりすぎずスケールの大きな選手を狙う そのため指名する6つの枠をガチガチに決めない
⑧来年の高卒投手が豊富な事情を考え、今年の投手は即戦力重視とする
⑨指名人数の枠が少ないことを考慮し、野手はユーティリティを重視する
⑩コロナによる指名規模縮小は非考慮とする
⑪自分なりの敬意と真剣さをもって取り組みよく知らない選手は指名しない
⑫(当日のルール変更により追加)獲得人数は妥当なラインを見極める

①自分の好みを重視して獲得選手を選び、自分なりの指名戦略を考える
はっきしいって自分は野球素人(大学時代に遊び目的のサークルでかじってる程度)でメカニクスや技術の部分に精通しているわけではない
ドラフト候補選手に対する知識量が飛び抜けているわけでもない

ただ、それで人の意見聞きかじったような指名をするならば自分がやる意味がない
自分なりの好みと直感を信じて自分がいいと思う選手を獲得すべきだと思った

また素人である以上、指名戦略の部分で勝たないと他の球団に差を広げられることが想定された
よって自分なりの指名戦略は入念に準備を重ねることにした

②補強ポイントを意識し、即戦力先発投手+右打ちの長距離砲(サード以外)獲得を目指す
デプスや戦力のウィークポイントを整理して、下記の要素を持った選手を獲得したいと考えた

優先度高
・即戦力投手(できれば左右で揃えたい)
・左のリリーバー
・長距離砲
・右打者
・高校生外野手

優先度中
・高校生ショート
・サード(大学生or高校生)

そのほか考慮すべきこと
・レギュラー不在のキャッチャーと外野の対抗馬
・下位指名は成功率が高くないので成功するタイプの選手(うちの場合は左腕・社会人リリーフ・左の俊足巧打者)を意識する

このうち特に重視しないといけないと思ったのが即戦力先発投手の確保である
投手が良いと言われることの多い仙台だが、それは昨年リーグ1位のリリーフ陣によって支えられているもので決して先発投手が揃っているわけではない昨年のチーム先発防御率はリーグ5位、12球団全体10位http://npb.sakura.ne.jp/
投壊で苦しんでいることで有名な埼玉と神宮の球団に次ぐレベルの防御率だった

その2球団は昨年のドラフト上位3名を投手で固める大幅なテコ入れを行い投手陣の若返りに成功しつつある一方、仙台はドラフト上位で先発投手候補を確保していない

もっといえば、昨年だけではなくこの5年ぐらいのドラフト上位が極端に野手中心である

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通例投手:野手=2:1のバランスが多いとされるが、なんと真逆の投手:野手=1:2の比率である

これでいて数少ない期待の投手がローテに定着している・下位指名の投手が先発として一定以上の実績をあげているとなれば話は変わるのだが、実績という点ではまだまだ乏しい

無論昨年はエース則本の前半戦離脱という大きな影響はあったのだが、ローテ投手の年齢が高いことや怪我の多い選手が多いこと、松井裕樹の先発転向に暗雲立ち込めていることを考えれば、12球団で最も先発ローテが危機に瀕しているのはうちのチームではないかとすら思っている

投手崩壊は今にも始まりかねない、いや既に始まっていると言って過言ではない
完全に崩壊してしまったからでは復旧するまで何年もかかってしまう
今年は投手崩壊を防ぐためのラストチャンスなのである

また若手に右打ちの野手が少ないこと・ロングを打てるプロスペクトがいないことも気になる

加えて期待のプロスペクトの黒川がセカンドになるかサードに回るかが不透明なため、できればサード候補の獲得は避けたい

上記の選手は他球団の人気も高い選手であることから上位3名で即戦力投手2名(うち少なくとも1名は先発可能)と右のロングヒッター(ポジションサード以外)の獲得を目指すことにした

③今年の市場を考え、豊富な右投手を1位2位で指名するのは避ける 1位〜3位トータルでの質を重視する
今年のドラフト候補選手は、S級の選手は多くないがA級の選手の層が厚いと言われている
前者についてはまだわからないものの、後者については非常に納得するところで特に大卒右投手の層が厚いと思っている
つまり右の大社好投手が多く3位でも獲得できる可能性が高い

また大社の右投手以外で3位指名が想定される選手は、左打ちの長距離砲や高校生投手、高卒ショート、即戦力ショートなどでいずれも上位での補強ポイントと考えた選手とはずれるタイプの選手が多いとわかった

上記を考慮して3位の枠で右の即戦力好投手をとるような戦略が理想的として、上位では他の補強ポイントを優先することに決めた

さらに3位帯までの選手層が豊富なことを考えると、今年のドラフトは3位指名までがポイントになってくると考えた
例年ドラフトは1位で目玉選手の獲得ができたかと2位でニーズに合致した有望株を獲得できたかが勝負の分かれ目だと思っているが、今年の市場を考え3位までの総合力を意識した指名を行うことを念頭に考えた

④競合の1位候補を外した場合は他球団の動向を見て外れ1位指名を工夫する
③の結果から1位と2位で即戦力左投手と右の長距離砲の獲得を目指すことにして、よりチームとして優先度の高い即戦力左投手の獲得を1位とした

が、ここで頭を悩ませる自体が発生する
事前に何度かシミュレーションを行なった結果、指名を検討していた選手が先に取られることが多くなかなか「ぼくのかんがえたさいきょうのしめい」を実現することができないのである
特に2位指名順が自分より先である千葉地区と中国地区の2球団が同じような指名をしてくることが想定され、直前でかっさらわれてしまうことが多かった

もしかしたら2球団の担当は自分と違う考えをしており、自分は1位2位ともに満足いく指名ができるかもしれないが、戦力を分析する限りやはり似たようなタイプの選手獲得を目指してくるのではないかと判断した

なんとかして2位指名順が先の球団の動きを阻害する方法はないのだろうか
そこで注意する必要があるのが外れ1位の指名であると考えた

結論から言えば、千葉や宮島と競合して負けた場合は、千葉宮島が1位で獲得した選手と違うタイプの選手を取りに行かなくてはいけない

説明を簡単にするため、投手3名野手3名を3球団で取り合うドラフトのモデルを例に考える
選手としての評価を上から順に投手A>投手B>投手C、野手A>野手B>野手Cとする

仮に3球団ともに投手を優先して競合で競り負けてしまったとする

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この時に自分たちとして投手の獲得を優先していたとしても投手の指名にいってはいけないと自分は考えた

なぜなら2位の指名順が先の千葉と宮島から先に有力野手を取られてしまい一人負けの状態になるからである

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では外したあとに野手を獲得した場合はどうか
下記の2パターンが考えられる
(ⅰ)他2球団とも野手を確保し自分は投手を確保する
(ⅱ)他2球団のうち1球団が野手を獲得し、もう1球団と自分は野手を確保する

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(ⅰ)のパターンは次点の投手にいった時よりも良い指名になる

(ⅱ)のパターンの評価は少し難しい
投手が欲しいのに野手2人を獲得してしまっているのは最悪の事態である

ただ合理的に効用を最大に考えるならば千葉宮島は投手野手1名ずつで揃えにくる可能性も高いこと、現実的には投手D投手Eといった存在もいるので野手2名指名という最悪の事態は回避可能であることを考えると、(ⅱ)のリスクは無視できるほど小さいものとみてよいと判断した

以上の考察から得た知見は、2位指名順位が後ろの球団が競合を外した場合、外れ1位は他球団の2位指名が予想されるのと同タイプの選手を抑えに行くとよいということである

もちろん現実にはこんな簡単なモデルで説明はできず、球団も選手もたくさんいるし、選手の優劣は簡単につけられるものではなく優劣の差もバラバラである
球団の状況によっては一人負けの状態になっても良いからリスクを追わず確実に投手を獲得したいケースもあるだろうし、各球団の思惑により想定と全く異なるドラフト指名が行われる可能性もある
しかし大凡の方向性としてこのモデルには妥当性を感じた



と、話はここで済めば簡単だったのだが前々日のシミュレーションで想定外の事態が発生した

上記の考察に基づき、左投手の獲得で千葉と宮島の競争に敗れた場合は右打ちの野手を指名しにいったところ、同じように競合を外した指名順上位の後楽園球団に有力な左投手をかっさらわれる事態が発生したのである

「自分の方が2位指名先なのだから指名順上位の球団の動向は気にしなくてよいだろう」
「3位指名は折り返しになるが、3位は有力な右投手がほぼ確実にとれると想定できるため上位球団の動向に左右されない」
と、指名順が後ろの球団の動向は全く無視していたのだが、指名順が後の球団が1位指名で確保しようとする選手は自分たちの2位指名に影響を及ぼすことにここでようやく気づいた・・・(当たり前の話である)

つまり、先ほどのモデルに上位球団のパターンを考慮に入れる必要が出てきた
先ほど同様に指名順が先の球団に競合を制されてしまったとする

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このとき自分は野手を優先、後楽園が投手を優先したとすると、結果はこうなる

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一方、自分も投手を優先し再抽選を制したとすれば結果はこうなる

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要するに野手A・投手Dと投手C・野手Dのトレードオフが発生するのである

外れ球団に自分よりも2位指名順が後の球団がいた場合は、選択は単純ではなく、チーム状況と個々の選手のレベル+自分の好みを鑑みて選択する必要があるという結論が得られた

⑤単独狙いはせずにまずは100点満点を目指す

④のような外れ1位戦略を考えるのも大切だが、ここまで話が複雑になってくると一本釣りを狙う戦略も悪くなくなってくる

左の先発投手候補として早川を第一として考えていたものの、次点で考えていた山野を単独狙いするのも決して悪くないのではないだろうか
この問題にはものすごく悩まされて入札前日まで考えを巡らせていた

最終的には「一本釣り狙いが他球団とかぶるのが一番最悪」「初めての仮想ドラフトだし競合に突っ込んでまずは100点満点を狙いに行こう」と考え初回入札は早川に行くことにした
2位3位も豊富な今年の市場を考えれば仮に100点を逃したところで、あとから挽回は十分可能と考えた

⑥ブラフをかける
今回の参加者や観戦者の方でこちらの出来事に気づいていた方はいただろうか

有名なドラフト選手情報サイト「ドラフトレポート」
今年の3月、楽天スレにZNOというコテハンでコメントし1位で即戦力先発投手として山崎伊織、外れ1位候補で井上朋也獲得を提唱していた人物がいたらしい

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また当該人物は井上朋也の個人ページにも(いかにも素人的な)コメントを残している

・・・よく使うハンドルネームのため気にせず同じ名前で野球用のtwitterアカウントを作成した結果、仮想ドラフト前に自分の考えを露見させるという間抜けなことに
(ちなみにこのコメント後、山崎投手の怪我報道があったため自分の中の1位プランは一度白紙になる)

twitterアカウント作成当初は仮想ドラフトに参加するだなんてことは思いもしていなかったので仕方がない
申し込みしてしばらくは考慮の外で、1〜2日後に慌てて削除依頼をかけようとするが、ここで少し思い至ったことがある

春ドラでは楽天陣営がブラフをかけており、他球団の指名を誘導するために自分も似たようなことはできないのだろうかと思っていた
ただ今回のVD4Bでは指名の「公言」は禁止されている
しかし掲示板のコメントは指名の公言にはあたらない
ましてや仮想ドラフト参加申し込み前に行なっていた発言なのだから問題にはなりえないだろう

さすがに指名戦略の部分は削除をする必要があると考えたが、個人ページの書き込みはブラフ目的であえて残すことにした
twitter上で「〇〇選手いいですね」などと仮想ドラフト前に書き込むのも公言ではなく問題にはならないと思うが、明らかにブラフくさい

人が一番油断するのは自分が優位にたったと確信するとき
発見されにくいかもしれないが、相手の慢心を誘うことを考えればこれぐらいの方が都合がいいと考えた

⑦補強ポイントばかりにこだわりすぎずスケールの大きな選手を狙う そのため指名する6つの枠をガチガチに決めない
上位で左投手と右の長距離砲獲得を目指すが、シミュレーションした結果うまくいかないケースに直面する可能性もあることがわかった
指名プランを練り直すべきかとも考えたが、両方とれたケースというのもあり、欲を出して良い指名を狙っていくのは悪くない選択肢に思えた
よって基本線はこれで良いと判断しうまくいかなかったときのバックアッププランを練ることにした

それではどういうバックアッププランを整えるべきなのだろうか
自分は補強ポイントに拘泥しすぎずその時点でとれる良い選手の獲得をすることだと思った

話は変わるが、日本ハムはドラフト1位にその年ナンバーワンの選手を指名する方針で一定の成果をあげていることは有名だ
補強ポイントを度外視した指名を行う異色の球団だが、決して合理性がないわけではない
補強ポイントを埋めるというのは大事なのだが、選手としての質も同様に大事なのである

高校野球を見れば一人の大エースに依存しているチームが選手層の厚い強豪校を倒し勝ち上がるところを目にすることは少なくない
一人の飛び抜けたプレーヤーの存在はチームの強さを大きく左右するのである

今年の選手層を考えると、2位次点でもそういった飛び抜けたプレーヤーを指名できる可能性があると思った

また実際のドラフトで有望株が下位で指名されるというケースを何度か見る
プロ側の評価が低かった可能性もあるが、各球団の補強ポイントや思惑が重なり合った結果、下位まで残ってしまったケースも確かに存在することは過去のインタビューから明らかである

下記のケルトさんのツイート参照

今回の仮想ドラフトは指名枠が6名と限られており担当者も初心者が多いということで、補強ポイントを優先してこのようなトッププレーヤーが指名されないままになることは十分考えられる
さすがにあまりにも補強ポイントと異なるようであれば行わないが、多少のずれであればチャレンジするのは面白いかもしれない

チャンスがあれば2位以外でもぜひ獲得を目指していきたいところだが、選手のスケールを考えるならば実行に移すのは2位か3位が妥当であると判断した
上位で補強ポイント、特にデプス埋めの部分でずれが発生したのなら下位で立て直せばよいだけの話である

補強とずれても飛び抜けたプレーヤーを指名する理由にはもう一つ、これは③とも関連するが他球団に有力な候補を渡さないという観点もある
つまり「補強ポイントを優先して有望株を指名しない」というのは「他球団に対して有望株を渡し他球団のチーム力をアップさせる」ことにつながってしまうということだ

これはARAさんの考えに影響されたのでぜひこちらを読んでほしい

通例は即戦力投手、高卒ショート、大社外野手・・・と事前に6つの枠を決めておき他球団の動向に応じて指名順を変更するのが正攻法なのかもしれないが、
こういう立ち回りをするかもしれない以上、獲得を目指す6つのポジションを事前に固めてしまうと柔軟な動きができず自分の首を締めることになると思った

そこで必要性の高い5つまでのポジションは事前に決めたものの、残り1枠は補強ポイントと獲得できる選手を見て柔軟に対応できるフリー枠とすることを決めた

⑧来年の高卒投手が豊富な事情を考え、今年の投手は即戦力重視とする
今年のドラフト戦略を練る上で来年のドラフト事情も考えることは避けられない
調べたところ高卒投手に有望株が多いような年であると結論づけた
特に仙台育英の笹倉投手は1位で競合が予想されるトッププロスペクトかつ地元投手であり、球団戦略を加味すればこの選手の初回入札は避けられないと考えた

そこで高卒投手を指名してもよいような環境を今年用意する必要があると考えた
つまりファームで十分な実力をつけてからの昇格させてあげられるような投手力に余裕のあるチーム状況を作り上げなければならない
十分な実力がないままに一軍に上げざるを得ない状況になると、打たれるのを怖がって腕が振れなくなったり小手先で交わすような事態になり大成するのが難しくなってしまう

よって投手を獲得する際は現時点の完成度あるいはプロ入り後早い段階での完成度見込みを重視し、よほどこの順位でとれたら美味しいと思う投手でなければ高卒投手の指名は避けることにした

⑨指名人数の枠が少ないことを考慮し、野手はユーティリティを重視する
今回の仮想ドラフトは6名という枠の中で指名をする必要があった
チームに不足している野手をすべて埋めようとするならば少し枠が足りない

そこで両にらみができるようなユーティリティ性の高い選手獲得が良いのではないかと考えた

例えば上武大の古川
彼はキャッチャーをメインで守りながらサードやショートの守備にもつくことができる稀有な選手である
例えば作新学院の横山
キャッチャー、ショート、サード、センターとセンターラインを中心に非常に高いユーティリティ性を持った高校生選手である

野手を獲得する際はこうした選手を獲得することで限られた枠の中で足りないポジションの穴埋めをすることが可能になるので、指名の際には意識をすることにした

⑩コロナによる指名規模縮小は非考慮とする
実際のドラフトはこのコロナ禍の影響で獲得選手数が減少し即戦力中心になる可能性が指摘されている前代未聞の事態でありどうなるかが全く想定できない

そんな中で初めての仮想ドラフトに挑むという自分は、現実の情勢を鑑みて指名プランをたてるというのは難しかった
戦力外は減るのか、支配下指名枠は増えるのか、デプスの問題をどう見るか
あやふやな理解のままで仮定をするというのは難しく、ここは考えないこととした

⑪自分なりの敬意と真剣さをもって取り組みよく知らない選手は指名しない
仮想ドラフトには嫌われる要素もあることは認識していた
プロの経験がないどころか野球経験すらあるのか怪しい野球ファンに、A選手は1位B選手は2位のように評価を下すのは選手からしたら良い気分ではないだろう

だからこそ、参加する以上は自分なりの敬意を持って指名プランを考える必要があると考えた
その一つが、ARAさんが指名リストにあってもよく知らない選手・調べてもわからない選手を指名しないということだ

素人の自分がよく知らないのに指名したというのは、選手からするとひどい侮辱だろうと思った
指名する選手については「彼のここが良いと思った」・「うちに合うと思った」・「ぜひ指名したい選手だと思った」ということを説明できるようにするのが最低限のリスペクトだろう

また自分なりに真剣に取り組むことも必須と考えた
以前度ハマりさんが仮想ドラフトは所詮遊びなんだから、遊び心を持ったおかしな指名があっていいと語っていた
その意見は自分も共感するし、時にふざけているとも言われかねない彼の指名には彼なりの遊び心を感じられて自分も大好きである

けれど別の人がやる分に問題はないが、自分がそれをするのは止めようと思った
そのような遊び心はアマチュア野球に対する深い知識や周りの人の理解に支えられるものであって、今の自分にはいずれもないものと思っている

また真剣に取り組んだからといって面白みがないというわけでは決してないと思っていて、むしろ本気で取り組むからこそ当人も見ている人も面白く楽しいと感じてくれることも多い
例えば遊び感覚の部活で野球をやるのも楽しいと思うが、一方で全国大会制覇を目指して懸命に練習と試合に臨むのもまた異なる質で面白くて楽しいのである

今回はこの真剣さをもって僕なりの「遊び心」に対する回答とした

⑫(当日のルール変更により追加)獲得人数は妥当なラインを見極める
当日ルール変更があり指名人数拡張が許された
ただここで指名人数を安直に増やして良いのかは大いに悩んだ

仮想ドラフトに参加する以上「調べた選手はできる限り指名したい」という思いはあるし補強ポイントを満足するまで全部埋めたいという気持ちもあるただ、違う考えにも思い至った

支配下選手に限りがある以上、誰かを獲得するということは誰かを支配下から追い出すことということである
プロ野球のドラフトは栄光と挫折の表裏一体、輝きの裏には影もある
仮想とはいえドラフトである以上、そういった負の側面から目を背けてはいけないのではないかと考えた

2018年2019年オフとチームはドラフトでそれぞれ8名、7名の選手獲得を行なったが同時にこれは支配下枠を外れる選手を大量に出す結果となった
現在のチームの選手層を見た時(別に誰かの顔を浮かべてこいつは今年戦力外だなと思ったわけではないが)、昨年までと同じような血の入れ替えを断行することが可能かと考えると決してそうではないと思った
支配下で獲得できるのは6人まで、むしろ5人までという可能性もある

仮想ドラフトである以上遊びである以上好きなように指名すればよいというのも尊重されるべき考えだと思う一方、
自分は⑪のとおり真剣に取り組むと決めた以上は指名枠が増えたといっても支配下選手の指名は安易に増やすべきではないと判断した

(とはいえ、他球団がみな7位指名を繰り広げる中で自分だけ指名を断念することには大きな葛藤があり、やっぱ指名してしまおうかと大いに迷った)
(宮島陣営は、「一定順位以下は育成」という仮定を置いた指名をしており、そういう仮定を置くのもありだったなぁと思った)

感想・反省など

ポジティブな点
・今回獲得できた選手は自分の好きな選手ばかりで彼らを獲得するための指名戦略を練ってよかったと思う
・仮想ドラフト前には名前を聞いたことがあるくらいの選手、名前すら知らなかった選手も多かったが、彼らの魅力を知ることができた
・競合の抽選が当たるかどうかというドキドキを体験でき、抽選を制する幸運にも恵まれた
・一部例外はあるものの、基本的には他球団の動向によって柔軟な立ち回りをすることができた

ネガティブな点
・推しを重視しすぎた結果、他球団の妨害という点で存在感をだせなかった(その点、千葉や名古屋の動きは見事だった)
・即戦力投手と右のプロスペクト野手の両立ができなかった(指名順の問題でどうしようもない問題ではある)
・サポーターではなくアドバイザーという立ち位置でHarutoさんや野球好き40さんにご協力いただいたが、アドバイザーという生かし方がよくわからず十分に活用できたとは言い難かったと思っている
・終わってから気づいたが、指名順中盤の特性は他球団の指名を予測して自分の次の指名を優位に進めることだと思った
今回はこの特性を生かしきれなかった(詳細は「4位指名の立ち回りについての反省」で後述する)

その他
・自分のチームの補強ポイントとあまりにずれる選手はあまり知らないまま終わってしまった
別のチームの担当を受け持つことで幅広い知識が得られるのかと思った
・サポーター不在のなかで指名リストを作成したり次に指名する選手の予定をたてたりするのは難しかった
一方で自分一人でやる場合には意見のすれ違いは存在せず好きなようにやれるので一長一短だと感じた

4位指名の立ち回りについての反省

今回仮想ドラフトを振り返って個人的に大きな反省点が1つだけある
それは4位指名での立ち回りである

断っておくと、4位指名した相羽の評価は高く獲得自体は今振り返ってもなんの問題もないと思っているが、当時の状況を考慮に入れた上での相羽指名にいたったのかどうかという過程が問題なのである

まず当時の状況としては自分は非常に焦っていた
それは以下の理由による
・3位で左打者の山村を獲得にいたったことで、右左のバランスをとるためショートは右打ちである必要があった
・右打ちのショートは相羽をもっとも評価しておりこれを逃すわけにはいかないと思っていた
・次の4位指名までは1日の猶予があると思っていたところ、急遽1日目に行うことになった

上記の背景から何がなんでも4位で相羽獲得をしなくてはいけない、お願いだから他球団とらないでくれと、ゲームでAボタン連打するかのように思考停止で相羽の4位指名を行なった
当時は緊急事態であると思っておりなんとか死守できたことに安堵をしていたが果たしてこれは最善の行動だったのだろうか

ここで考えなくてはいけなかったのが自分の4位指名後〜5位指名前に選手を獲得する他球団の状況である

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これらの球団の状況をしっかり確認できていれば
・自分の5順目より先に高卒ショートの獲得をしてくる球団はいないこと
・仮にあったとしても相羽以外の獲得をされる可能性も十分あること
から、5位で相羽を獲得できる可能性は極めて高いことに気づけたはずなのである

幸いなことに結果から見れば4位で相羽獲得は間違いではなかった
自分は4位〜6位で相羽・池谷・赤上獲得をしたが、この間に他球団が指名したどの選手よりも彼らがチームにとって必要な存在だと思うからだ

しかしあくまでそれは偶然にすぎない
例えば自分が4位指名を行う段階では、赤上を他球団に5位でとられて逃していた可能性も十分あったはずなのである

思考停止で4位指名したか、ちゃんと考えた上での4位指名か、ここには天と地ほどの差がある
ドラフトは運要素も多いのだが、だからこそ運の要素をできるだけ排除し確実性を高めるという戦略が必要でそれには卓越した状況判断能力と冷静さが必要である
今回の自分はそうした状況判断能力と冷静さを欠いていたと言わざるを得ない

謝辞

ここからは謝辞ということで口調を改めます
まず企画・運営を行っていただきましたARAさん、本当にありがとうございました
以前より仮想ドラフトは楽しそうと思っていたものの、知識のない自分が実際に手を出すのはハードルの高さを感じていました
今回思い切って参加してみたのですが、このコロナ禍で外出禁止されているゴールデンウィーク期間を非常に楽しく過ごすことができました
見たことも聞いたこともなかった好選手を発見したときの興奮・いろんな指名プランを考えている時の悦楽・当日予定していた選手が獲得できるか期待と不安を同居させつつ見守る高揚感、どれも得難いものばかりでした

一緒に参加してくださった各球団担当・サポーターのみなさま、大変ありがとうございました
特に当日までの何度かやりとりさせていただいたともやさん、準備〜当日にかけてのワクワクを共有できて非常に楽しかったです

今回アドバイザーとしてご協力してくださったHaruto・野球好き40さんありがとうございました
特にHarutoさん、自分一人では各球団の補強ポイントをまとめきる時間的猶予はありませんでした

仮想ドラフトに興味を持つきっかけをくださったゆきちなさん・だんださんをはじめとした歴代仮想ドラフト楽天陣営のみなさまありがとうございました
みなさまの普段の活動を見ていてすごく楽しそうだと思っていましたが、実際に参加してみてその見立てが間違いではなかったことがわかりました

最後に

今回の仮想ドラフトでもしご興味を持たれた方がいればぜひ参加してみることをお勧めします
直近だと今回の仮想ドラフトで運営のお手伝いをしていたkyoheiさんが初心者向けの仮想ドラフトを企画しているようですので、ぜひご検討ください


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