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安定収入を見込めるプロジェクト方式――ランサーズの利用の仕方

 ランサーズというクラウドソーシングサイトにある3つの依頼の形式――タスク方式、コンペ方式、そしてプロジェクト方式。これらのうち、継続依頼が多いのはプロジェクト方式であると、以前の記事でお伝えしました。

 今回は、そのプロジェクト方式について、もう少し詳しく掘り下げたいと思います。


◆継続案件とは言っても、実は……

 さて、1回きりの依頼となるケースがほとんどのタスク方式とコンペ方式。一方で継続案件の多いプロジェクト方式。いずれが安定した収入を得るのに向いているかは、明白ですね。定期的に受注できる場合が多いプロジェクト方式は、着実に収入を増やせる種類の依頼なのです。

 けれど、継続案件だからと言って、必ずしも次の依頼が来る訳ではありません。継続するためには、選定された後に納品した成果物が認められなければならないのです。プロジェクト方式の依頼に応募して選定されたら、今度はその仕事ぶりと成果物の出来映えを評価されて、やっと継続して依頼をもらえる「本採用」となります。
 そういった特徴から、初回の依頼は「テスト」と位置づけられているケースが多く見られます。本採用前に「テスト」と位置づけられた募集があり、それに応募して認められると、「テスト」として成果物を納品し、報酬をもらうのです。この初回の「テスト」はあくまで「テスト」。本採用後の報酬よりも低い金額が設定されることがほとんどです。継続案件ではたいてい、初回の依頼はこの「テスト」だと思っておいた方が良いでしょう。

 このように、プロジェクト方式の継続案件では、初回の依頼を有償の「テスト」にすることで選別を行っているケースが多いです。
 しかし、依頼を受ける側も、相手が問題なく継続できるクライアントかどうかを見極める必要があります。長く仕事を引き受けるつもりなら、良いクライアントのところでやらなければ、搾取されかねません。単価やクライアントの希望納期、そして担当者のコミュニケーションの仕方などを、自身の仕事環境と照らし合わせてよく考えて決めなくてはなりません。

◆悪質な継続案件に引っかからないために

 では、継続案件として受けるべき依頼とはどんなものでしょうか?

 まずは、テストの単価、及び本採用後の単価から、よく検討すると良いでしょう。私自身がお引き受けするライティング業務では、文字数5000字〜1万字であればテストライティングは少なくとも1000円以上に設定されていなければ割には合いません。

 さらに重要なのは、本採用後の金額です。よく「3000字で300円」「2万字で1000円」「10万字で1万円」などという低い金額を提示している案件も見かけますが、これは明らかに仕事の分量に対して不相応です。本採用であれば、1文字0.5円〜1円は欲しいところです。そうでなければ、受注側が搾取される状況になってしまいます。
 特に気をつけたいのが「10万字で1万円」などの依頼です。日常的に文字数を気にして文章を書いていないと、どれだけの分量なのかイメージが湧かないかもしれませんが、10万字は一冊の本になるくらいの文字数なのです。1万円は安すぎます。けれど、これだけ割に合わない提示をしておきながら、万単位の報酬だからと「高額報酬」と銘打って募集をかけているケースも少なくありません。信じ込まないよう、気をつけてください。
 また、書籍表紙のデザインを1件数百円で募集している依頼もありますが、低額過ぎます。上記リンク先の記事でご紹介したコンペ方式では、2万円が相場の案件です。プロジェクトでは、もっと低い見積もりにはなりますが、それでも数千円〜1万円程度が妥当の依頼です。
 
 また、納期にも注目しましょう。提示された文字数をこなすのに十分な時間が与えられているかどうかは、大切なポイントです。設定された納期に間に合わないと、トラブルにも発展しかねません。
 ペースには個人差がありますので、納期までどれだけの日数が適切かは明言しにくいところではありますが、例えば5000字〜1万字のライティングであれば1週間は見ておいた方が無難かもしれません。
 実際にテストライティングの際に、同じ作業期間で試してみて、難しそうであればお断りした方が良いでしょう。
 もし、どうしても納期に間に合わない場合などは、なるべく早めにクライアントに伝えるようにしてください。ギリギリで間に合わないと言われても、相手は間違いなく困ります。早めに分かっていれば対応もできる場合が多いので、怖がらずにきちんと伝えることが大切です。

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