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一つの旅が終わった

9月9日。

僕の知人の旅が終わりを迎えた。

彼との出会いは以前記したので割愛する。

彼は自らの夢を叶える(彼の言葉を借りるなら「呪いを解く」)ため長年を費やし、先日ついにそれを果たした。

僕如きがそれを語るのはおこがましいことこの上ないのだが、それでも言わせてほしい。


勇気をありがとう、と。


不定期に更新される彼の日記は、実に289日にも及ぶ。

バイク乗りの彼は、9ヶ月かけて南米大陸と北米大陸を駆け抜けた。

道中、嬉しい出会いもあれば納得のいかない事も多かったようだ。

美しい自然もさることながら、自身の長年の憧れを追う、彼だけの旅路がそこにはあった。

怒りも葛藤も感動も、全て赤裸々に書き記した1人の男の生き様を見ながら、目頭が何度熱くなったことだろう。




元々彼は、誰かの背中を押すために日記を電子空間に記すようになったのだという。

僕は大いに背中を押された。

彼の紡ぎ出す言葉、写し出す情景。

興奮と憧れと羨望と共感とが、ないまぜになって僕の体を駆け巡った。

そして僕は、世界一周目を志した。

まだその道のりは白地図だ。
決めるべき覚悟も、越えるべき障壁もあるだろう。

でも僕は、背中を押された。

次は、僕の番だ。

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