居場所
お気に入りだったお店が相次いで閉店した。
寂しい。
両店とも店主は高齢で、いつか来る日とはわかっていたけれど、寂しい。
知り合いのいない土地で、私にとって、ただいま、といえる稀少な場所だった。
コロナじゃなければ、今すぐに会いに行きたい。
今じゃないと、手遅れになるかもしれない、そんな思いが浮かぶことが寂しい、怖い。
でも、イヤだ。
歳を重ねることは、大事なものを得て、失っていくことなのだと、初めて実感した。
祖父母を亡くしたこととも、失恋したこととも違う喪失感。
これは、なんという感情だろう。
時が過ぎていくことの無情がつらい。
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