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オーダーメイドのすすめ

「オーダーメイド」というとどんなアイテムを想像しますか?
スーツやシャツ、ちょっと贅沢をして革靴などファッション関係のアイテムを想像する方が結構多いのでは?

私が勤めていた日本の家具メーカーも完全受注生産で色や素材を決めるカスタムオーダーという形で仕事を受けていました。

ただ何となく日本では「オーダーメイド」で何かを作るというのは敷居が高く抵抗が多いと聞きます。

自分自身も日本で仕事をしていた頃は憧れではあったけれどなかなか手が出せなかった存在。

・既成のものより高いのでは?
・納期がかなりかかるのでは?
・どんなものが出来るのか分からず不安

など手が出せない要因はいろいろとありますが、その中でも
「どう頼んでいいかが分からない」
というのが日本ではとても多いと思います。

フィレンツェに来て驚いたのは生活の中のちょっとした小さなものでも
オーダーで頼むというのが普通だということ。
額縁などがその例で、子供が描いたスケッチのようなものでも気軽にそのサイズやデザインに合わせて額装したりする。

アンティーク市で見つけた工具の一部が欠損しているからそれを作ってほしいなども日常的にある。

これが日常になり得るのはフィレンツェという町の様々な職人たちとの距離感によるものが大きい。
ある程度生活をしていると友人知人に大抵それぞれの分野の職人が身近な存在としていて相談もしやすい。

オーダーメイドで難しいのは自分の頭の中のイメージを伝える事。
慣れていないと想像とは違った形で伝わってしまいなかなか満足がいかなかったりする。
このリスクを恐れてなかなか踏み込めないというパターンも多いはず。

また職人側もオーダーメイドでの仕事に慣れていないとヒアリング能力が高くならず、顧客とのイメージの差が大きくなってしまう。

この伝える側、受ける側がそれぞれ成熟していない状況、
というのが日本で「オーダーメイド」が受け入れられない悪循環になっていると思います。

「良いモノ」って何だろう?

と考えてみると値段が高いモノやブランド品などのネームバリューのあるモノを考える方も多いと思いますが、私が考える「良いモノ」とは
自分に合っているモノだと思います。

ものに溢れた今の時代で自分に合っているモノに出会うこともあると思いますがどこかで妥協している部分もあるのでは?

「ある中から選ぶのではなく自分が欲しいものを創る」

それが本当の意味での贅沢だと思います。

作り手とコミュニケーションをしっかりとって世界で唯一のモノを作る。
その過程や納品、その後のアフターケアなどの時間も楽しんでほしい。

そんなモノづくりが日常になる事が本当の意味でのサスティナブルなのだと思います。

自分の場合は木象嵌という装飾技術を軸として様々なオーダーに
対応しています。
ぜひ、「オーダーメイド」の世界に足を踏み入れてみて下さい!

-Fin-

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