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ラーメンズご本人に届け!後輩・若手は育ってます!

ラーメンズや小林賢太郎の作品をエンドレス再生している。youtubeで公式が無料公開している100本はもちろん、DVDを引っ張り出して見ている。さらには「ラーメンズ」「片桐仁」「小林賢太郎」というキーワードで検索に検索を重ねている。

そしてラーメンズファンとしてめちゃくちゃ嬉しい動画を発見した。

高校生が演じるラーメンズ

2014年7月に行われた高校演劇の全国大会。その生徒交流会で上演されたのが松川高校演劇部『長野ノ 素敵ナ 豆知識』である。

ここから私は徹頭徹尾、褒めちぎることしかしないので関係各位は安心してください。

演目のベースはおそらくこの『アリス』の「不思議の国のニポン」だろう。

生徒役が複数という点では『零の箱式』の「日本語学校(フランス篇)」を参考にしたのかもしれない。

ほかにも「日本語学校」はアメリカ、アフリカン、中国、アジア…とバリエーションがあるので全体的に参考にしたに違いない。

ちなみに今作では「ボンジョルノォ」と挨拶をし「ヴォーノ!」と返事をしているので、この演劇は『高校生版日本語学校(イタリア篇)』となっているのがわかる。

そのままやってる訳じゃない

一番驚いたのは、ラーメンズのネタをそのまま演じるのではなく、その骨格を理解して中身はちゃんと自分たちのネタになっている点。

教師と生徒という設定、訳のわからない言葉遣い、先生の言葉を復唱…そういう記号的な部分は取り入れつつ、長野を題材として再構築しているのだ。

オリジナリティとのバランス感覚

ラーメンズを知っていればちゃんと「あのネタだ!」と分かる上に、自分たちらしさを織り交ぜているこのバランス感覚。これ以上長野ローカルネタを詰め込みすぎても退屈になるかもしれない。

ステージから飛び出して観客席に行ったり、人数を活かして名前を呼ばれていない人を作ったり、日本地図という小道具を用意したり…というラーメンズの作品にはない演出も驚きだ。それらがオリジナリティとなって新たな作品となっている。

ラーメンズ×長野県という発想力

このネタを長野県バージョンでやろうと思った着眼点と発想力に脱帽である。確かにラーメンズ版「不思議の国のニポン」では長野県は冬季五輪の話だけになっていたから、そこをもっと聞きたかったという長野県民の気持ちをストレートに表現したのかもしれない。

とにかくこれでネタを書いてみようと思った行動力と柔軟性がすごい

全国から集まった観客たちに向けたサービス精神

全国から集まった高校生らが観客であることを念頭においてネタが作られている。そこがブレてない。北海道や栃木のチームにプレゼントを渡すというサプライズもサービス精神を感じる。

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ラーメンズ愛があふれている

「…実態」

「ハイ書いときなー」

「書けたー?書けたのー?」

「県民の半分が〇〇、もう半分が〇〇

ラーメンズファンなら反応せざるを得ないセリフが端々に散りばめられている。また、本や資料など小道具のあえての雑な扱い方も日本語学校っぽさを醸し出している。


この高校生たち…ただものではない。ラーメンズマニアも認めるマニアである。
(全部演劇部の先生が作った台本だとしても私に現実を突きつけないでください)

青春が過ぎる

最後皆一列になって「よろしくお願いしまーす!」という場面も、とても眩しい。神々しくて目を開けてられないよ。

これで高校生ですわ、驚異の新人である。

もう7年も経ってしまっているので当時の高校生は今や社会人か大学生になっているだろうが、このセンスを活かしていてほしいばかりである。

ああ、私も友達とラーメンズを演じたい人生だった。

ボクらの時代で

2013年に放送されたいとうせいこう×バカリズム×小林賢太郎の鼎談『ボクらの時代』で「下の世代のことを考えているかどうか」という質問に対して小林賢太郎氏は

「ぼくは実はちょっと(下の世代のことを考えて)ある」
「ちょっと(考えが)変わりつつある。最近、最近。」

と答えている。この動画を見たら小林氏はどう思うだろう。森のアトリエの奇妙で平凡な日常のなかで、ポツネンと笑っているのだろうか。

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