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「『Bamboo Bash』が見落としてしまった『Toc Toc Woodman』の長所」について書いてみる。

終了するまで繰り返すいつもの最初のお知らせ。

https://www.kickstarter.com/projects/logygames/design-shogi

Kickstarterにて、将棋の駒を漢字ではなく動きのアイコンであらわした『Design SHOGI』、そして将棋をベースにしてコンパクト化した『Le SHOGI』『Pop SHOGI』のプロジェクトが稼働中です。

終了日は3月9日(火)。

英語だからわかりません、とお嘆きのあなたには、日本語で翻訳した文章が掲載されているKickstarterNaviをどうぞ。


ということで、全く関係のない……いや、Kickstarterつながりはあるか。

以前noteに書いた、Inperial Publishing Incが制作したプロジェクト『Bamboo Bash』についての続編です。

今回は、『Bamboo Bash』はアクション要素の高いファミリーゲームとしてどうなのか。
『Toc Toc Woodman』に匹敵する、あるいは、上回る面白さがあるのか。
ゲームデザインについて切り込んでみます。

Youtubeのレビューを見て気づく

『Bamboo Bash』がKickstarterプロジェクトをはじめるにあたり、事前準備としていくつかのボードゲームレビューのチャンネルに、『Bamboo Bash』紹介動画の依頼をしています。
KickstarterやBoardgamegeekを確認すると、6本あります。

実は『Bamboo Bash』炎上の原因のひとつに、とある動画の振る舞い(ネガティブキャンペーン的手法)がありました。
『Toc Toc Woodman』を貶めた内容だ、と視聴者(特に『Toc Toc』のデザイナーであるJustinさん)に解釈されてもおかしくなかったようです。
この件について、Inperial Publishing Incはブログにて謝罪コメントをしています。

実は、前回のnoteを書いた時点では、レビュー動画を見ていませんでした。
ごめんなさい。
このあと、情報収集としていくつかのレビューを拝聴しました。

確かに、Inperial Publishing Incの発言通り、『Bamboo Bash』の竹を模した的(ターゲット)は、『Toc Toc Woodman』を踏襲しつつもサイズや構造などに変化をつけています。
簡単にパクリとは片付けられない、と思いました。

ただし、プレイしている様子などをみると、なにか違和感を感じました。
さらに見続けて、気付きました。
竹のターゲットを崩すのに使用する、竹竿に付いたパンダの手です。

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写真の上にあるコンポーネントです。

プレイ動画でのパンダの手の使い方をみると、
・竹のターゲットを、やんわりと突っつく
・竹のターゲットを、やんわりとなでる


…………。


こんな熊手モドキ使わないで
指で直接つっつく、でいいんじゃないの


豪華なゴールと貧祖なラケット

『Toc Toc Woodman』だとプレイヤーは斧を使います。
改めて、パンダの手と斧を比較することに思い当たりました。
さらに、それぞれの道具を用いているプレイヤーの映像から、サイズ感も把握できました。
個人的な感想ですが、『Bamboo Bash』で使うパンダの手は

サイズは決して大きくなく
作りが地味で
使用する意味が弱い。

もう少し竹竿が長くて手も大きいイメージがあったのですが、逆に小ささを感じてしまいました。

ところで、半年くらいに、『Icehouse』というボードゲームを球技としてみる、変態的なnoteを書きました。

これにならいまして、『Bamboo Bash』を球技として当てはめます。

重点的に作りこんだ竹のターゲットは、得点をとるための的、つまりゴールです。
一方、パンダの手(熊手モドキ)は、的にアタックする手段、テニス・バドミントンなどのラケットです。
『Bamboo Bash』は、ゴールを豪華に仕上げたのに、得点する技術の見せ場であるラケットの工夫を見落としてしまっている、と思います。

結果、プレイ動画をみたときの違和感につながってしまったわけです。

では、『Toc Toc Woodman』で使うラケット……いや、斧でしたね。
これを指で代用することを考えるとどうなるのか。
例えば「人差し指1本だけたてて、横から薙ぐように当てていく」ようなアクションになります。
しかし、この動きは意識してやらないとできないものですし、むしろ、

それなら指を使うよりも、
斧とかそんな道具を使ったほうが、
しっくりくる

と思います。
『Bamboo Bash』とは逆に道具の必然性があります。

『ジェンガ』×『???』

さて、なぜこんなことになったのか。
『Bamboo Bash』と同じように『Toc Toc Woodman』にもまたベースとなったものがあると思います。

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『ジェンガ』に類似するバランスゲームです。
これは『Bamboo Bash』のKickstarterでも、

Bamboo Bash is an easy-to-learn hard-to-master dexterity game that takes the fun of jenga into each turn! 2-8 players & plays in 15 min
【翻訳】
Bamboo Bashは、簡単に学べて極めるのが難しい、ジェンガの楽しさを取り入れている器用さを求めるゲームです。
プレイ時間15分で2〜8人で遊べます。

と謳っています。
しかし、『Bamboo Bash』の製作にあたって、実は

『Toc Toc Woodman』は模倣するゲームは1つしかみえていなかった。

と推測します。

実はもう1つ、あるのです。

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『だるま落とし』

『Toc Toc Woodman』は、『ジェンガ』×『だるま落とし』の2つを模倣して製作された融合ゲーム、だと思います。
斧は『だるま落とし』のハンマー(槌)を模倣しています。

この融合を知っていれば、『Bamboo Bash』は

ハンマー(パンダの手)と
的(竹のターゲット)との
相乗効果のギミック

も検討できたのでしょうが、見落とした、と推測します。

今後ですが、もしかすると「劣化版『Toc TocWoodman』」と扱われるようなコメントがでてきても、おかしくありません。

ちなみに『Toc Toc Woodman』では、ハンマーを斧にしたことで、より「複数の的(オブジェクト)にヒットさせる」荒技もできます。
『だるま落とし』ではほぼ失敗のアクションなのですが、『Toc Toc Woodman』だとテクニックとして逆に活かされます。
『Bamboo Bash』では、竹のターゲットの上下幅を広くしましたが、そのために「複数ヒット」が困難になりました。
なぜそのような変更になったのかといえば、『ジェンガ』1つしかみていないからではないか。
そう推察ができるのです。

とはいえ、偶然にも『Bamboo Bash』は『だるま落とし』のとある要素を取り入れています。

リトルパンダの憂鬱

竹のターゲットの上に載せるパンダです。

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はい、パンダです。

かわいいといえば、そうですね。
ただ、これも動画でサイズが把握できると

思ったより小さく存在感が薄い

と感じるかも知れません。

なぜパンダが用意されたのか。
おそらく、何も置かない状態でプレイすると崩れやすいから、『だるま落とし』と同じ理由で「重し」だと思われます。

また、開発でのコメントとして公言しているのですが、パンダを置く場所により重心の偏りを付ける効果を狙っているそうです。

とはいえ、インパクトは元祖『だるま落とし』と比べると見劣りします。
顔面力、恐るべし。

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いっそもっと『ジェンガ』したら?

そう考えると、たった1個なんて言わずに、いっそ


てんこ盛りに
たくさんのパンダ載せれば?

もっと『ジェンガ』に偏らせてしまう……あれ、悪くないように思えます。
『ジェンガ』のプレイだと、抜いた木片は組み上げた木片の塔の上に積んでいきます。
これにならって、竹のターゲットから竹の皮を剥がした数だけパンダを載せていきます。
プレイ中にパンダを落としてしまうと、マイナス点として受け取ります。
パンダが損な役回りになることに抵抗がある人もいるでしょうから、

パンダをゾンビ化

しましょう。
これでマイナスは納得ですし、アメリカ人はゾンビが好きです(多分)。

ここまでくると、単なるパクリな模倣と言われづらくなる……かもしれません。

ひとまずの締め

ということで、まさかゲームデザインに踏み込む話を書くとは思っていませんでした。
テストプレイしたわけではないので、本当に面白くなるのかどうか……机上の空論止まりであることは否めませんので、あしからず。

そして、実は『Bamboo Bash』について、まだ書けることがありますので続々編を予定しています。

『Bamboo Bash』は3月16日(火)の再プロジェクト立ち上げに向けて、準備をしています。
そのうちの1つとして、模倣している『Toc Toc Woodman』の製作者であるJustin Ohさんとコンタクトを取ろうとしています。

はたして、Imperial Publishing Incの願いは届くのでしょうか?

というところを核にして、いろいろ調べて推論をたててみます。

では。

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