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トリテとレンク(0) 〜 「連句を無理矢理トリックテイキングゲームとして紹介する」可能性を1年間考えてみる。

2021年

しんねーん。
去年もこの挨拶ではじめました。挨拶なのか。

前回書きましたが、この記事でnote通算100本目となります。


不可能です。

結論からいうと、

無茶だし無謀です

とはいえ、なぜそんな事を考えたのか。
きっかけは、とある記事を書いたことからです。

この記事の最後で「第二芸術」という言葉を使いました。

ただ、この言葉で「ギャー!」と悲鳴を上げるかも知れないジャンルがあります。
それは、俳句です。
1946年に「第二芸術論」という桑原武夫さんの文章が発表されたのですが、それは俳句的に対してのメタクソ強烈の批判的内容でした。

さらに記事の締めとして、「第二芸術」について考えた記事をそのうち書きます、としました。

未だに回収していません

ついでに言えば、もっと回収するのが困難な仮説の泥沼にハマってしまいました。
それが、タイトルにも付けた

連句を無理矢理
トリックテイキングゲームとして
紹介する

なのです。


連句って何?

まず俳句からごく簡単に説明します。

【引用】
日本語の俳句(はいく)とは、季語(有季)及び五・七・五(十七音)を主とした定型を基本とする定型詩である。

とりあえず、1番のポイントは「5・7・5」の音数です。
音数が少し長くなると、短歌になります。

【引用】
短歌(たんか)とは、和歌の一形式で五・七・五・七・七の五句体の歌体のこと。

音数が「5・7・5・7・7」。
俳句のうしろに「7・7」だけ追加された。
そういうことです。

そして、連句です。

【引用】
形としては連歌の様式を踏襲して、五七五の句の後に七七の句を、さらに五七五・・・と交互に付けていき、三十六句(歌仙)、五十句(五十韻)、百句(百韻)等よりならしめ、総数の違いで数十種に別して名称がある。

最初の句は「5・7・5」。その次は「7・7」。そして「5・7・5」。続けて「7・7」……とずっと続けていきます。
引用にある歌仙の場合だと、「5・7・5」「7・7」を18回繰り返していきます。

ただ繰り返すだけでなく、実際は、

第1句「5・7・5」
          \〜〜〜〜第1句+第2句
           「7・7」第2句
          /〜〜〜〜第3句+第2句
第3句「5・7・5」
          \〜〜〜〜第3句+第4句
           「7・7」第4句
          /〜〜〜〜第5句+第4句
第5句「5・7・5」
          \……

のように、第1句+第2句、第3句+第2句、第3句+第4句、第5句+第4句、……と組み合わせて「短歌(5・7・5・7・7)」になるようにつくります。

さらにいえば、ほかのルール(連句では「式目」と呼ぶ)がもう少しありますが、最低限の形式を伝えましたので、今回は省略します。

ちなみに、連句の第1句を「発句(ほっく)」と呼びますが、これが「俳句」のルーツとなります(Wikipediaに書いていますけどね)。


トリックテイキングゲームゲームって何?

トリックテイキングゲーム(以下「トリテ」と略す)についても、簡単に説明します。

まず、トランプで遊ぶゲームの種類の1つです。

大雑把にいえば、

・遊ぶ人(プレイヤー)全員に、カードを同じ数だけ配り手札として持つ。
・最初のプレイヤーから、順番に手札から1枚カードを出す。
 この各自出したカードの束を「トリック」と呼ぶ。
・ルールに従って、そのトリックで勝ったカードを決める。
・勝ったカードを出したプレイヤーがそのトリックの勝者となる。
・カードが無くなるまで続ける。
・ルールに従って、トリックの勝った数などで、ゲームの勝者を決める。

このようなやり取りをします。

さらに様々なルールが追加されて、たくさんの「トリテ」があります。


で、どうこじつけるんだ?

連句を無理矢理トリテとして紹介する。

なんでそんな事を考えたのか。
つまるところ、連句とトリテには、いくつか似た事象がみられるから、です。

1.複数人数で遊ぶ
連句には「独吟」といって1人だけでつくることもできますが、通常は複数人数(二人から多くて十人未満)で遊びます。
この集まりを「座」と呼びます。
トリテも二人から数人で遊びます。

2.1ゲームは、複数の小さなラウンドで構成されている
トリテのラウンド=トリックです。
連句の場合は、ラウンド=1句になることがあります。
ちょっと濁しているのは、複数人数で候補を出した中から決める(最もトリテ寄りの)方法もあれば、1番早くつくった人の句に決める方法、1人だけが考えつつ他の人のアドバイスを取り入れて決める方法など、様々なのです。

3.演劇的要素がある
連句については、漱石一門で物理学者の寺田寅彦が「映画芸術」という随筆で、映画と連句との類似性について論じている。

トリテはどうかとえば、ボードゲームでの世界観による付け足しはあっても、ルール自体にはあまり関係性がないと思われます。
ところが、歴史的最古級のトリテ『Karnöffel』の資料から考察すると演劇的要素が色濃く見受けられるので、あながちまったくないとは言い切れないようです。

3−1.協力的要素がある
連句は、座の全員が協力して1ゲームを完成させます。
トリテは、パートナーを組む協力はありますが、それでもチーム同士での争いになります。
ところが去年(2020年)、協力型トリテ『ザ・クルー(Die Crew)』が出現します。

2008年に『パンデミック』が登場して、協力型ボードゲームの認知と人気が高まっていました。
ついにトリテにも昇華されたことで、偶然にも連句に接近してしまいました。

4.特定分野における歴史的代表遊戯
どちらも歴史が古いです。
最古級トリテ『Karnöffel』は中世の終わりから存在しています。
しかもトランプ(伝統的カードゲーム)はほぼトリテ専用といってもいいです(現存のトランプゲームの6、7割がトリテと言われている)。
一方、連句の先祖にあたる連歌は鎌倉時代後期に存在していたようなので、トリテよりも古いワードゲームです。

ともかく、どちらも何世紀レベルの古い遊びです。

ひとまず、4点ほどあげてみました。
相当のこじつけもありますが。


これから深掘りしていきます。

この1年間、「トリテ」と「連句」の2大ゲームについて、ルールや要素など細かいところを拾って、いろいろ考察してnoteにするつもりです。

ということで、「連句」はゲーム(遊戯)の視点で扱っていきます。
仮に文学的ツッコミをされてもそれはそれこれはこれで大方の意見はスルーします。
そういうことね、と割り切ってください。

次回もよろしくおねがいします。

では。





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