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超動くマンカラ番外編:カラハ一人勝ち問題(9)~お手玉ンカラ「Stones in Cups」

前回の超動くマンカラの記事はこちら。

2次元のゲームボードで遊ぶマンカラ『Tower of Power(タワー・オブ・パワー)』の紹介でした。
このゲームでのコマの動かし方(後半部分)が、マンカラっぽいのですが、さらにその逆の動き(前半部分)も入っています。

ということで、逆マンカラの動きを存分に楽しめる遊びのご紹介です。

「Stones in Cups」

「ストーンズ・イン・カップス」。
つまり、コップの中の石。
これ以上ない、どストレートなタイトル。
アメリカ・ミネソタ州在住のBarry Cipra(バリー・シプラ)さんが1992年に考案して、「Mathematics Magazine」に発表しました。
翌年、同雑誌に、Kay P. Litchfield(ケイ・P・リッチフィールド)さんとDavid Callan(ディビッド・カラン)さんの2人が、それぞれ「遊んでみたら、こうなったよー」と発表しました。


逆マンカラ(逆播き)とは?

遊び方の紹介の前に「逆マンカラ(逆播き)」って、何?と思われるので、説明してみます。
実は、

もう、すでにこの記事を書く前からやっていました。

以上……いや、だから説明しなさいって。

さかのぼると、本編の3つ目の記事で「ひとりマンカラ・カラハ」を書きました。
カラハの追加ムーブである「マンカラの最後の石をちょうど大穴で播き終わると、さらにもう1度マンカラができる」。
これを延々繰り返して、たった1手ですべての石を大穴に入れる配置を考えてみるのが「ひとりマンカラ・カラハ」です。
この配置を考えるために使ったのが、逆マンカラ(逆播き)です。

改めて、例を出してどのように動かすのか見てみましょう。


「Stones in Cups」の遊び方

ゲーム盤を用意するのですが、むしろ、コップなどの容器を代用したほうがよいかと思います。

以前の記事

でも紹介しました「シリコーンスキレットカップ 深型(2個入り)」などが、個人的にオススメです。

あとは石もある程度の個数、用意します。
さらに、他の石と区別できる石を1個用意しておくと、遊びやすくなります(個人的なアドバイス)。

【ゲームの準備】

容器を1個以上用意して、並べます。
それぞれの容器に、同じ数(1個以上)だけ石を入れます。

以上です。
例として容器を3個、石を各2個入れてみます。

開始する容器(穴)には、色違いの石を入れています。

1個だけ異なる石を入れている穴から、逆マンカラをしていきます。
1手目の動きがどうなるか。
盤面と途中取り上げた石の状態、それぞれを追っていくと、

盤 22 : 手持ち 0

盤 12 : 手持ち 1

盤 11 : 手持ち 2

盤 11 : 手持ち 3

盤 01 : 手持ち 4

盤 00 : 手持ち 5

盤 00 : 手持ち 6

盤 00 : 手持ち 

ということで、隣の穴にある石を取り続けて、取ることのできなかった穴に今まで取った石を、全て入れました。
これで、初手の動きが終了しました。
引き続き、途中経過を飛ばして、2手目以降を追ってみます。

0手目: 22
1手目: 00

2手目: 5

3手目: 50

4手目: 4

5手目: 41

6手目: 30

7手目: 2

7手目で、222と最初の状態に戻っていますが、開始位置が1つ隣へズレています。
結局、開始位置も同じとなるには、

0手目: 22
7手目: 2
14手目: 22
21手目: 22

ということで、21手で完全に戻ります。
お手玉ンカラの成功です。


「Stones in Cups」の手数

先にあげた「Stone in Cups(ストーンズ・イン・カップス)」のリンクには、穴1〜5個ある盤面に、石1〜5個いれた場合の手数が掲載されています。
引用すると、

 \穴 |1個 |2個 |3個 |4個 |5個 |
 石\ |   |   |   |   |   |
ーーーー+ーーー+ーーー+ーーー+ーーー+ーーー+
 1個 |  1|  4|  15|  12|  75|
ーーーー+ーーー+ーーー+ーーー+ーーー+ーーー+
 2個 |  1|  6|  21|  164|  115|
ーーーー+ーーー+ーーー+ーーー+ーーー+ーーー+
 3個 |  1|  12|  45|  164|  260|
ーーーー+ーーー+ーーー+ーーー+ーーー+ーーー+
 4個 |  1|  8|  32|  124| 3825|
ーーーー+ーーー+ーーー+ーーー+ーーー+ーーー+
 5個 |  1|  6|  48| 1580| 1966|
ーーーー+ーーー+ーーー+ーーー+ーーー+ーーー+

https://mancala.fandom.com/wiki/Stones_in_Cups

となります。
この表の中で1番気になるのは、穴5個・石5個でしょう。
なんで5の倍数でないの?
検証してみたいのですが、検証すること自体が怖ろしいので、やっておりません。

【余談】
ちなみに、個人的に穴4個石5個の検証に手を出しました。
まだ途中でして(1580手が5サイクルだとすると、1サイクルは318手になるので)目安の318手まで進めてみましたが、終わりません
途中間違えてしまった、が1番濃厚なのですが、まさかの1サイクルもあるかも知れません。


締めと次回予告

ということで、逆マンカラ(逆播き)のゲームの1つお手玉ンカラ「Stone in Cups(ストーンズ・イン・カップス)」を紹介しました。
逆マンカラのルールで遊ぶゲームは、まだいくつかあります。
しかし、マンカラの用具を使うよりも、カード(トランプ)を使うものが多いのです。
その代表的なものが「Bulgarian Solitaire(ブルガリアン・ソリティア)」。
調べてみると、国名がついているものが多いので、勝手にお国ソリティアと呼んでいます。

次回は、それらを一気に紹介します。

では。


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