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超動くマンカラ番外編:カラハ一人勝ち問題(6)~お手玉ンカラ「Seethaipandi」

前回の記事はこちら。

超動くマンカラの番外編。
いつの間にか、本編と同じく6本目の記事となってしまいました。
前回の最後に予告したとおり、また別の新しいお手玉ンカラ「Seethaipandi(シータイパンディ)」を紹介します。

Seethaipandi(シータイパンディ)とは

またもやMancala Worldの記事にお世話になります。 

「シータイパンディ」は、インドのタミル・ナードゥ州で遊ばれて、しかも女性のみが遊ぶようです。

「シータイパンディ」の「シータ」とは、インドの叙事詩『ラーマーヤナ』に登場する、ジャナカ王の娘で主人公ラーマ王子の妃であるシーターをさします。

このお手玉ンカラの別名には「Asokavāṭam」(アショーカツリーサークル:アショーカツリーの別名はムユウジュ)や「Sita-LakshmiĀṭa」(ラーマ王子と妻シーターの関係は、神ヴィシュヌとラクシュミの関係と重ね合わせているので、シーターとラクシュミの2人の名前が並んでいる)などがあります。

『ラーマーヤマ』で、シーターが父親のラヴァナによってアショカツリーの下でスリランカにとどまることを余儀なくされたという記述があるそうで、これがこの遊びの背景となります。
「シータイパンディ」は、世界最古級の二次創作ボドゲかも知れませんね。


Seethaipandi(シータイパンディ)を遊ぶ……はずが

では、「Seethaipandi(シータイパンディ)」の遊び方です。
盤面の穴は14個。
なので、通常入手できる「マンカラ・カラハ」の盤面は、穴と大穴が合計で14個あるので、代用できます。
ゲーム開始の準備として、以下のように盤面の穴に石を配置します。

1個から7個の配置が2組きれいに並びます。

石の合計は56個です。

通常入手できる「マンカラ・カラハ」は石は48個なので、8個足りません。石の代わりの何かを追加するなどして、調整して下さい。

ゲーム開始の穴は、石が7個ある穴です(今回は1番左の穴)。
石を播く方向は時計回りです(7→6→5→……と、少ない方に播くと見てもいいですね)。

最初の1手目は、こんな感じになります。

で、これらの様子を、14個の数字で並べて、石が動いた穴を太字にしてあらわすと、

 0手目:76543217654321
 1手目:07654328654321

となります。
それでは、前回の「El Arnab(エル・アルナブ)」や前々回の「Ise Ozin Egbe(イセ・オジン・エグベ)」と同様に、マンカラし続けてみましょう。

 0手目:76543217654321
 1手目:07654328654321
 2手目:18654320765432
 
3手目:10765431875432
 4手目:21875431806543
 
5手目:21076542917643
 6手目:32186542910754
 7手目:321076531021854
 8手目:432187531021065
 
9手目:432180641132X65

ななななんと!!!
9手目で、最後に播いた穴は石がない空っぽなので、大失敗です。


ぷっさかなわ?

改めてルールを確認しました。
なるほど。

石を播き終わった後の次のマンカラの
開始する穴が異なりました

「El Arnab(エル・アルナブ)」や「Ise Ozin Egbe(イセ・オジン・エグベ)」は、マルチプル・ラップと呼ばれる播き方で、播き終わった後の次のマンカラは、最後に播き終わった穴からはじめます。
しかし、「Seethaipandi(シータイパンディ)」は最後に播き終わった穴の次の穴からはじめます。

上は、1手目が終わった状態。
オレンジの破線で囲った穴が、最後に石を播いた穴です。
ここからではなく、その先の隣の緑の破線で囲った穴からはじめるのです。

この播き方を(インド式播きとも呼ばれますが)

Pussa Kanawa(プッサ・カナワ)

と呼びます。
「プッサ・カナワ」は、別のマンカラ「Walak-pussa(ワラク・プッサ)」からの由来のようです。

「ワラク・プッサ」は、後日、本編の記事として書いてみます。

なので、改めてプッサ・カナワで播き続けてみます。
14手目には、このような状態になります。

 13手目:654321014654321
 14手目:065432114654321

次の15手目は、盤面を1周する撒きとなります。

14手目:065432114654321
15手目:1765432165432

0手目と比べてみます。

0手目:6543217654321
15手目:1765432165432

石を播く方向に、石の並び方がきれいに穴1つ分スライドして、開始する位置も石が7個ある穴になります。
つまり、15手周期で類似した播き方をし続けると、

0手目:6543217654321
15手目:1765432165432
30手目:2165432176543
45手目:3217654321654
60手目:4321654321765
75手目:543217654321
90手目:6543216543217

となります。
そしてさらに15手目続けた105手目。
ついに、0手目の配置に戻ります。

ひとまずの締めと予告

ということで、お手玉ンカラ「Seethaipandi(シータイパンディ)」の紹介でした。
次回は、Pussa Kanawa(プッサ・カナワ)のルールで遊ぶ、「Walak-pussa(ワラク・プッサ)」の予定です。

さらに、次々回は「Seethaipandi(シータイパンディ)」の続きです。
いやあ、まだ書くことがあるんですよ。

では。


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