【タイの朝ごはん】豚の血スープを食べる
最近週に2回のペースで、朝ごはんに豚の血を食べている。
文章にするとグロテスクで、自分でもちょっと引く。
「豚の血スープ」といっても、真っ赤な血のスープを食べるわけではない。
クリアなスープに、豚の血を固めたゼリー状のもの、豚の肉団子、豚肉の薄切り、豚のモツをサッと煮た食べ物だ。
熱々の土鍋で提供される。
我が家の近所に、この豚の血スープ専門店があり、朝から地元の人で満席で、お昼前には売り切れてしまうことが多いほど人気だ。
豚の血と想像して、臭みがあるんじゃないかと思うかもしれないが、このお店のものは新鮮で臭みが無く、口に入れると豆腐のように崩れていく。レバーのようなねっとり感やクセが無い代わりに、特段味もないけど、熱々の美味しいスープと一緒に食べて、ぷるり、そしてとろりと崩れていく食感がとてもよくて美味しい。
日本人の多くの人には馴染みの無い豚の血は、中国南方から東南アジアにかけて、新鮮な豚の血を固めたゼリー状のようなものを食べる習慣がある。
中国では「豚紅」だったり、「血豆腐」と呼ばれている食べ物だ。
なんでわざわざ豚の血を固めて食べるのかって、栄養満点だからだ。ビタミンB2、ビタミンC、タンパク質、鉄、リン、カルシウム、ナイアシンといった栄養素が多く含まれている。
鉄分が多いため、豚の血を食べるのは週2回までに抑えないといけないそうだ。
豚の血以外にも、鶏の血を固めたものがカイマンガイ(タイのチキンライス)に添えられていたりして、血を食べることはタイでは日常的なことだ。
最初はグロテスクだと思っていたけど、血をそのまま固めたものだから、レバー並みに鉄分豊富で、それでいてレバーより臭みがなくて、食感もプルプルしていて良い!と思えばグロテスクという先入観も消えた。
牛の赤身だって、赤いのは血の色だからだし、レバーだって血の色だけど、メジャーな食べ物。だったら豚の血固めをゲテモノ扱いできない。
グロテスクだと思っていた食べ物を好きになれたとき、チャレンジ精神を持って先入観を壊した自分がなんとなく誇らしくなって、嬉しくなった。
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