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ビビデバのMVは怪獣バトルの趣があって良かった

最近……というかさっきからビビデバのMVをヘビロテして観ている。星街すいせいの最新曲で、MVでモキュメンタリーをやっている! とかいう感想を見てからずっと楽しみにしていたところ、いきなり大迫茂生さんが出てきて最高の気分になった。

大迫茂生さんは『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!』シリーズで主演を勤めた俳優さん。演じる工藤仁はいつもすぐ手が出る乱暴者のディレクターだ(普通に碌でもないカスなのだが、シリーズを追う内に絆されて好きになってしまうのは、コワすぎ! を撮った白石監督の手練である)。

なんと今なら本編がアマプラで見られる。見といた方がいいですよ……! 「コワすぎ」は……!(女将まで……!?)

そんな大迫さんがビビデバのMV中で演じるのは横暴な監督である。こんなん完全に工藤Dだろ……! 大迫さんはヒールを履いたすいちゃんに無茶なダンスを(抗議するすいちゃんは無視し)するよう指示する。すいちゃんは渋々ヒールを履いたまま踊るが案の定ヒールが折れて、監督との戦いが始まる……という筋立て。

こんなんもう怪獣総進撃だろ……!!!!

星街すいせいは(ブランディングと視聴者のイメージが結合した結果として)結構手が出やすいみたいなところがある。強面の監督にも言い返すし、攻撃されれば反撃するはずだ。自然、監督と星町すいせいのレギュレーションは物理暴力に寄っており、超良かった。麟太郎は暴力が大好き。

明らかに趣旨と違う楽しみ方なのだが、箱の違う推しがコラボした時のような気持ちでMVを見てしまった。こういう偶然の春映画(毎年春休みの時期に上映されていた特撮やプリキュアのオールスター映画の総称)に遭遇できると、世の中捨てたもんじゃねえな! という気持ちになれていいですね!

Vtuberは頭にくっついた「バーチャル」の語感とは裏腹に、かなり現実寄りの存在だという感じがある。大迫さんの演じる工藤Dと配信中の星街さんを比べた時、より生身の人間に近いのは後者だと思う。工藤Dは脚本にない限りトイレに行かないが、星街すいせいは好き勝手にトイレに行く……ああ、ちょっと! 石を投げないで!!

要するにアバターのレイヤが一枚挟まってはいるものの、Vtuberは普通〜の生身人間と大して変わらない位置にいると僕は認識しているというお話で、あまり中の人の存在をタブーだとも思わないくらいの感覚でいる。そういう芸名で活動してる人だよね、くらいの感じだ。キャラクターと生身の人間を両極に置いた物差しを想定した時、役を降りた大迫さんと配信中の星街さんはかなり近いところにいるはずである(僕の認識では)。

……ので、大迫さん始めとする俳優の皆さんとVtuberの星街さんがMVという枠組みの中で共演するのは、まあ……そりゃそういうことができるよな! という感覚でした。何しろVtuberは本人(俳優や声優ではなく)が打ち合わせに参加した上で都知事とセレモニーに参加できる存在の強さがあるので。

まあ本人たち(バックアップチームとか含めて)がどう思ってるかは、結局部外者の僕にはわからんのですが……。わからんことを適当な文脈に当てはめて適当こくのも、進行中のコンテンツについて語る楽しみの一つだと思います。みんなもやったり、やってる人の記事を読んだりするといい。

……と、ここまで書いてまたMVを見返してみましたが、明らかにこれを星街すいせいvs大迫茂生〜ビビデバMV撮影現場SOS〜だと思って視聴するのは誰がどう考えても間違っている。こんな記事のことは今すぐ忘れてまっさらな気持ちでビビデバのMVを観てください。


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