齋藤麟太郎

小説を書いたりVや音楽の話をしたりする。

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詠んだ短歌12

たまに死がお得に見える日があってそれが今日です煙草を吸います 目出度いですねと口にした後一人で食べる山盛りナゲット 大人にならずに老けていくだけだし強くならずに慣れていくだけ 酒も煙草もやる気がないから代わりに買い込む駅前のピザ 窓拭いて油差して燃料入れてエンジン噴かしてどこにも行かない 吐き気がするのは酒のせいだけどげろを吐いたのは君のせいだよ 灰皿を買わなきゃダメだ 部屋中の陶器を灰に沈める前に

    • 「にゃっはろーわーるど!!!」と「Super Chat」

      スーパーチャットの話 スーパーチャットって知ってますか? Youtubeの生配信に搭載されている有料のコメント機能で、送れる金額は最低100円から最大5万円まで。その辺の配信のコメ欄を覗くと、いつでも見つけることができる。黄色とか赤色とか目立つ色で表示されているのがそれだ。 要は投げ銭機能なんだけど、こいつのヤバいところは先述の通り「有料のコメント機能」であることにある。スーパーチャットは通常のコメントよりも長文を入力できる機能(当然高額のスパチャであるほど長い文章を入力

      • クォンタム・ファミリーズを読んだ

        ありがたいことに読書習慣が抜けずに続いているので、色々読んでいる。先日はクォンタム・ファミリーズを読んだ。 村上春樹のいくつかの著作に共通して表現されている「三十五歳問題」の存在を下敷きにして展開するSF小説。主人公の葦船往人は三十五歳を超えて燻っている挫折した元小説家。現在は大学教員として口に糊しつつ、妻との不和や鬱病を抱えて生活している。妻との間に子供はいない。そんな往人の元に、彼の娘を名乗る人物からのメールが着信する。メールの日付は27年後。往人は半信半疑のまま未来の

        • 詠んだ短歌11

          すぐ夜が始まる時の微かな気配 自室からすら逃げ出した木曜日 火をつける前の煙草の匂いに焦がれ燐寸を擦って見上げた雨雲 Amazonから来たドイツの小箱に引っ越し、燐寸棒たちがからりと笑った ないものに焦がれて君に火をつける 煤の残り香が皮膚を蝕む 南東からきた暖かい風に吹かれて笑顔で沈んだ夕日 新宿で緑の電車に乗り込み揺られるわたしに微笑むタルパ 「ないからない」を飲み込めないからコンビニに閉じ込められたまま朝

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        • その他の文章
          36本
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        記事

          コンテンツを見ながら飯を食う

          何か食べる時にそれが登場するコンテンツを横目にしながら食べるとちょっとだけ美味しく感じる。そういうことないですか? 調べてもないけどあの現象、何か名前が付いててもおかしくない気がする。 冷凍のたこ焼き 基本的に自炊が好き(安いので)なのだが、だるい時は冷凍食品を使う。最近ハマっているのは冷凍のたこ焼き。 近所のスーパーで売っているのはこの一種類なので、もっぱらこればかり食べている。300円足らずでかなりちゃんとしたたこ焼きが食べられて、不意のたこ焼き欲を適度に満たすこと

          コンテンツを見ながら飯を食う

          黒髪スプレーの仕方を教えて

          金髪にして三週間が経った。今の職場は時には年単位で出社しないようなところなのだが、時々急遽(と言っても前日にはわかるが)の出社が必要になることがあって、それが今日である。黒髪スプレーの出番だ! ということでスプレーの使い方を調べていたのだが、どうも碌な情報が出てこなくて困った。「黒髪スプレーは便利です!」みたいなあほのキュレーションサイトや「こうやってシュー!」みたいな頭の軽そうな配信者の動画は死ぬほど引っかかってくるのだが、どうも痒いところに手が届かない感じ。 こちらと

          黒髪スプレーの仕方を教えて

          詠んだ短歌10

          強がりばかりを吐き出し続けていつまで経っても大人になれない 悩める先人の轍を辿り何度でも車輪を思い付く僕ら あなたの胎を内から蹴りつけ鉄の時代を生きていく君へ 僕が好きなのは今の君だからきんぴらごぼうは教えてあげない 合格を喜ぶ母のTweetを見て誰かに委ねる生を想った 古い日記の最後のページに好きだと書いてあるのを見つける 強がりすらも枯れた朝には愛するしかない渇いた皮膚を

          詠んだ短歌10

          村上春樹を初めて読んだ 他

          アメスピの緑と紫 気分を変えてみようと思ってアメスピの緑を買ってみた。最初の三日くらいはミントの爽やかさが鼻に抜けて、好みでないながらも新鮮な吸い味が楽しかったのだが、四日目あたりから僕が慣れたのか煙草が悪くなったのか、草っぽい青臭さが感じられるようになって辛かった。 半泣きになりながら緑の箱を空にしたので、今日は紫のやつを買ってみた。二箱買った黄色のヤツはタールもニコチンもまあまあある(僕の周りにいる喫煙者は皆0.1ミリとかばかりなので、僕がもらい煙草するのも1ミリとか

          村上春樹を初めて読んだ 他

          詠んだ短歌9

          天才じゃないからそうだと信じなきゃやってられない夜もあるのさ そろそろ幸せにしてあげられそうだからその時までは不幸でいてね 夜に沈んだ誰かと目覚めてそれから先のことなど知らない 次はこの日を目指して走る にんじんの匂いだけを頼りに 煙草を咥えた口に流し込む野菜ジュースとプロテインバー あなたの声と言葉で波立つ胸から溢れたものだけLINEに託した 立ち止まる理由もないけど万豚記で餃子を食って考えてみる

          最近観ている動画3

          ぽんぽこちゃんねるの激辛動画。特にデスソースの動画がお気に入りで、何度も見返している。「うわ〜、辛いね! ヤバいわ」とか「ゴホッ、ガハッ……」みたいなところを通り越して無言になってしまうガチ恋ぽんぽこさんと場を繋ぐためにベラベラ喋るピーナッツくんの対比が良すぎるので。 ぽんぽこちゃんねるのホラー動画。中でもピ虐研究所(VRチャット内にあるお化け屋敷。詳細はググって……)の回が好きで、これも何度も見ている。普段は声を作っているピーナッツくんが、キャラクター性や理性のブレーキが

          最近観ている動画3

          詠んだ短歌8

          回りくどい話は嫌いだ 好きか嫌いで私に応えて(唇の熱) 過負荷に軋む部屋を逃げ出しシャツと並んで吸ってる煙草 青い煙を吸い込ませながら戯れに殺した蛹を見ている 溶けて消えてったあの子を想ってあなたときんぴらごぼうを食べた 仲良しを強いる言葉に怒ってるうちに沈んで亡くなる浜辺 結局一度も会わなかったけどガンダムと同じ街に住んでいた僕ら 手紙の代わりに二言呟く インターネットが少し輝く

          詠んだ短歌8

          ナンバー9ドリームを読んだ 他

          また低気圧 信仰に近いものなのかもしれないが、気圧が低いとやはり思考がどろんとする感じがある。少し前まではこういう日にカフェインや筋トレでカウンターを入れるようにしていたが、プラシーボ以上の効果はなさそうなので最近はあまりしていない(筋トレは長期的には効く気がする。これも信仰かも)。 なので普通〜に毎日飲む程度のカフェインを入れて、どろんと仕事をしていました。不眠症を患っていた時期は胃が荒れるくらいコーヒーを飲んでようやくなれていたような状態。最近は睡眠を取って定期的に運

          ナンバー9ドリームを読んだ 他

          好きな短歌発表ドラゴンになる

          先月からちょこちょこ短歌を詠んでは発表するということを続けているのですが、もちろん人の詠んだ歌を摂取するのも好きなので、中でも特に好きなものをいくつか挙げます。とりあえず今から30分くらいで挙げられるだけ、口語調のものを中心に。きっと一首くらいは好きな歌が見つかるはず。 こういう時は初手で最強のものを繰り出すに限る。 永井祐さんは1981年生まれの人で、いわゆる氷河期世代にあたる……ので、現代まで続く不況の閉塞感というか、二進も三進も行かないような雰囲気が反映された歌を多く

          好きな短歌発表ドラゴンになる

          3月のプレイリスト 他

          3月のプレイリスト 3月が終わったのでプレイリスト3月用のプレイリストを更新する日々も終わった。今月は個人比でもかなり多くの曲を聴いた月になった感覚がある。特にお気に入りなのは『グミ超うめぇ』から『続・体が弱い男』に続いて盛り上がっていく箇所と『OTAKU FOREVER!!!』から『peanut ohenomenon』を経由して盛り上がりながら『love bite』と『yamenaide金髪』へ展開し、『とめない歩み』へと落ち着いていく箇所です。 noteで言及していな

          3月のプレイリスト 他

          詠んだ短歌7

          飲んで呑まれて倒れる前に強気で繰り出せスプリットステップ ポークライスのことを想ってむしゃむしゃ食べるケチャップライスだ 睡覚の意味は「眠りを眠る」だよ ゴロゴロ唸る僕の大腸 焼けた板の上に開拓者が敷く カタパルト から飛び出したトゥース! 今日も一枚書き足すnote バーターの君を疎んで眠る雨の日 木っ端微塵に弾け飛んだ欠片が見つからなくてもわたしはわたし 美容院→図書館→サウナ→鳥貴族→ ないものだけを訪ねて歩く

          詠んだ短歌6

          まだひよこのあの子に「田山花袋の『布団』を読んで」と密かに伝えた 彼女となかよしの君に聞く近況 僕のメンタルポップコーンだ 春に取り乱せ桜が散る前に早足の初夏に踊り出す前に 無理やり秘密に触れた僕に君が振り下ろすデカいハリセン 誰にも必要とされない昼下がり 会議室にいて眺めるear cuff 黒髪でいるふりをして生きる 他人の言葉だけで満ちたい 境界の手前を這いずり……まではせず さまよう日々の全てを寄越せ