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星のない世界

2024.4.4 窓の開かない部屋にて。

私は夜が好きだ。
眠る前から部屋の電気を消して、外を眺める。
もちろん窓は開かない。

その闇と街頭や病院から漏れる蛍光灯の光は、
深海に光る蛍を彷彿とさせる。
もちろん、深海には蛍は存在しない。
いるとしたらシーラカンスや色々だろう。
ついたり、きえたり。
ぷかぷか浮かんでいて、私も一緒に浮かんでいる感覚になる。

あ、くらげでもいいかもしれないな、なんて。
もちろん深海にはくらげだっていない。

いっそ日の当たらない深海で暮らせたらいいのに。と思うこともある。
だとしたら、憂鬱な朝だって物悲しくなる夕方だってないのだ。
このまま、灯を消して窓の外と一緒になってしまえば。
蛍とくらげと浮かんでいられたら。

そうして夜は深く、深海も深く、深くなっていくのだ。

星のない世界。地球(星)の中なのに、星がない。
不思議な世界とももうすぐさよならなのだ。

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