Rakhmaninov

Sergei Vasil'evich Rakhmaninov は、近代の作曲家でありながら、後期ロマン派の正当な継承者とも言える作風です。手が大きかったことでも有名で、そのピアノ曲でも普通の人では届かなかったり抑えられない和音がたくさん出てきます。映画音楽などでも度々使用されていて、きっと聞いたことがある曲があると思います。
ロシア版演歌のような民謡的なメロディー、厳しい雪の季節を思わせるようなハーモニー、勝利を鼓舞する力強い音型が特徴です。

そんなラフマニノフの曲で私が好きなものをあげていきます。

・Prelude
Op.3-2「鐘」とも言われる前奏曲で、ラフマニノフのもっとも有名なピアノ曲の1つ。何度も繰り返される陰鬱なモスクワの鐘、途中には嵐のような中間部がある。
Op.23-2 ファンファーレを想起させ、途中でカデンツも入る華やかな曲。中間部の左手のメロディーの美しさがとてもよい対比になっている。
Op.23-5 雪の嵐の中を歩いていく戦士たちを鼓舞するかのような行進曲で最後に雪のかなたに消えていく。この2つの前奏曲集の中ではもっとも有名な曲でドラマチックで人気も高い。
Op.32-10 もの悲しいメロディーが鳴り響く、悲しみにどっぷり浸ることができます。

・Études-tableaux
「音の絵」と呼ばれる練習曲集
Op.39- 5 メロディーがとても好きな曲で、ゆっくりのテンポで聞いていたい。中間部を経て、今度は冒頭のメロディーが左手で奏でられるところがとてもぐっとくる。
Op.39-9 中間部の後にスケルツォの可愛らしいところから、最後の勝利の瞬間までを一息でかけあがっていくのがとても爽快。

・Suite No. 2
Op.17-4
2台ピアノのための組曲は全部で4つの曲から構成されている。その中で終曲にあたるこの曲は「タランテラ」という舞曲になっていて、早いテンポでくるくる回る様子が描かれている。アルゲリッチ & ネルソンフレイユなど、多くの2台ピアノの演奏会で弾かれており、かてぃんもリモート録音による動画をあげている。

・Vocalise Op.34-14
オリジナルはピアノ伴奏による歌曲だが、管弦楽曲、ピアノ独奏、チェロバージョンなど、多くの編曲版が作られている。
息の長いメロディーでどこまでも無限につながっていく、歌曲はどうやって息継ぎをして切れ目を感じさせないかがとても重要。弦楽器の方が適しているように見えるのでチェロ版を作ったのも頷けるのだが、やはりソプラノの高音の響きがよく似合う。

・Piano Concerto
Op.18 No.2 映画音楽でよく使用される言わずと知れた有名曲で、フィギュアスケートや「のだめカンタービレ」などでも演奏された。ラフマニノフの出世作でピアノコンチェルトを代表する1曲。
Op.30 No.3 デイビット・ヘルフゴッドを描いた「シャイン」の映画で有名になった曲。こちらの第三番の方が全曲を通じて難しいと言われている。
Op.43 Rhapsody on a Theme of Paganini 変奏曲でよく使用されるパガニーニの主題を基にした協奏曲的な狂詩曲。第18変奏は特にロマンチックで単独で演奏されることもある。

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