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【漫画紹介】イグアナの娘

『イグアナの娘』は、1991年にプチフラワーに掲載された萩尾望都さんの漫画で1995年頃に菅野美穂さんが主演でドラマ化もされた作品です。

この漫画は、自分の娘が産まれたときからイグアナにしか見えないお母さんとその娘の苦悩が中心のお話です。娘が産まれたときのお母さんのセリフは「きゃあああ!」、「うそ!うそ!違う・・・こんな変な・・・・・・」ですよ。しんど…
イグアナ!イグアナ!と母親から言われ続けた娘も自分がイグアナなんだと思い込む。母親以外からは普通に人間に見えており、幼稚園の頃から仲の良い男の子がいたり、学生時代には男の子から告白されたりします。
お母さんにはもう一人娘がいて、そっちはお母さんの目から見ても可愛い女の子に見え、比較されてイグアナの娘はよりしんどい思いをする。

印象的なシーン

印象的なシーンとして、二人の娘がお母さんにプレゼントをする場面があります。下の娘からの母親へのプレゼントは、可愛い!ありがとう!と受け止められるが、イグアナの娘が100点・95点・93点と高得点の書かれたテスト用紙を母親にプレゼントすると、お母さんは、なにこれ?これがプレゼントなの?90点台ってもっと良い点とれるでしょ?といった冷ややかな反応。
そのあとに、小遣いを集めて妹と同じようにプレゼントを買って改めて母親にプレゼントするも、いくら使ったの?無駄遣いでしょ、お店に返してきなさい、とひえっひえの反応。
イグアナの娘は母親のその反応を見て、自分は母親の子ではないんだ、どこかに自分の本当の親、イグアナのお母さん、お父さんがいるんだ、と思う。

娘を見ることで沈めた感情がよみがえる

漫画の中でイグアナの母親の心理描写はそれほどないです。なので想像するしかないですが、お母さんは娘を見ると、かつての良い感情を生まない思い出がよみがえってきて、あたりが強くなってしまうのではないか。
蓋をして、閉じ込めて、忘れようとして本当に記憶の底に沈めていることが、まだ幼い本能むき出しな子どもを見ていて閉じ込めた感情が出てくる。
イグアナの娘を通じて親は自分と向き合い、苦悩していたんだと思います。

漫画がおススメの方

子どもに自己投影してしんどいと感じている方、なぜかわからないけど娘に対してきつく当たってしまう方は読んでみることをおススメします。50ページの漫画なので、10分15分で読み終わりますが、育児に与えるインパクトは大きいかと。
具体的にどうすればよいかアドバイスは書いてある漫画ではないですが、同じ悩みを抱えている人がいること知るだけで心は軽くなります。自分だけの絶対的な悩みだ!と逃げ場がないところから、自分だけでなく、ほかにも同じ悩みを持つ人はいるんだ、と思えれば救いになり、悩みを軽減する一助になります。

育児をされている方達の心の負担が少しでも軽くなり、良い一日を過ごせるように願っています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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