不安な日々を乗り越えて

抱えている不安は毎日毎日、チリが積もるように増えていく。それは所謂、安定している期間でもそうだし、不安定なフリーターという時期でも同じだった。

僕は2020〜2023年の上半期まで、とある介護施設で正社員として働いていた。パンデミック真っ只中、新卒として入社。TVを見ればどこも感染者数の話題で持ちきりだったし、仕事だって生まれて初めての正社員としての勤務で常に緊張感を感じていた。
あの時は色んな意味で不安だった。同じ気持ちの人は多分、翌年も多かったと思う。倒産やコストカット・リストラなんてものはよく見たし、現に自分の友人も新卒なのに解雇を迫られた。

2022年は僕にとって1つ、大きな年だったと思う。なんせ新卒、高卒の女の子を教えるハメになったのだから。
あれは結構、不安だった。なんせ、高卒だし相手は未成年。しかも結構な寡黙少女ときた。反応も伝わっているかどうか分からなかったし、他の職員からも愛想がないって言われる程だったから、教えている身として彼女の味方でありたい反面、成長をしてほしいという気持ちでしかなかった。

それと同時進行で小説を書き続けた。最初は500文字書くだけでも3日かかる日々。よく、ブログなどで趣味が執筆の人の投稿を見た事があるが、レベルが違いすぎて自信喪失なんてことは度々あった。
それに自分自身も、上手く書けないし書き終えても閲覧数は全く伸びない。自分の得意なジャンルさえも分からないし、どこか有名なラノベのパクリ系しか書けなかった。
あの当時の心境は、この時期になってくると良く覚えている。ちょうど、上手くいかなくて、冷たい夜の帰り道をただ、呆然と歩いていた。

「俺、いつになったら伸びるのかなー」

「才能、無いのかな」

けれど、今年になってその創作活動にようやく新芽が出てきた。
収益が生まれたのだ、あの時は心の底から嬉しかった。それと同時にやる気が満ちてどんどんやって行こうと思っていたのに、本業の仕事は鬱病で退職。
異動した先で自分が変われば良かったのに、それすら耐えられなかったのだ。きっと自分が悪いのだろう、環境や会社のせいじゃない。自分の甘えが引き起こしたのだ、っと今更ながら古傷のようにジクジクと棘が刺さる。

そうして今ではフリーター兼 夢を追う作家となっている。

もし、2022年を1年かけて小説をやり続けなかったら今でも正社員として仕事をしていたのだろうか。
たられば話で考えたくはないが、縋るものもなかった自分の事だし、きっと仕事・居酒屋・風俗にしか行かなかったはず

1年かけて辛い思いをした、言わば貯金のようなものだ。あの暗く先の見えない道をずっと歩いて今年の上半期に決断できたと思う。

今では辛いことは少し先の貯金生活と思っている。お金があれば、辞めたとしてもある程度は無職で暮らしていけるし、辛い中、頑張ったおかげで安定した職にありつけたりする。

別にずっと我慢しろ、なんて言わない。けれど、少し先の自分の為に今、貯金しているんだと意識したら少しは楽になると思う。

今はそう、信じています


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