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アメリカン・ミュージック・ヒストリー第7章(1960年代全般・・・その3)


(2)ブリティッシュ・インヴェイジョン


 1962年ビートルズのデビューシングル「ラヴ・ミー・ドゥー」は、英国チャート17位止まりだったものの1963年のセカンドシングル「プリーズ・プリーズ・ミー」が英国1位になると、以降イギリス国内でのビートルズ人気が爆発し、1964年世界進出によりアメリカでも空前のビートルズブームとなったのは周知のとおりですね。
 
 ここで、ちょっと余談なんですが、このアメリカン・ミュージック・ヒストリー(20世紀ガイドブック)を書き始めるにあたって、100年にわたるアメリカ音楽を時系列で理解するための一つのアプローチとして、アメリカのヒットチャートNO.1の曲を可能な限り時系列で集められないものか?(もちろん経済的な問題もあるし、そもそもヒットチャートと一口に言っても、20世紀当初は集計自体困難を極めたと思われるし、定義も統一されていない状況の中なので難しいのは承知の上で)と考え、ビルボードの3大チャートのうちの、あくまでも総合チャートに絞って、できる範囲内で、いろいろなレコードやCDを探したところ、「ビルボードNO.1シングルチャート」がスタートした、1940年7月27日付以降のNO.1曲を時系列に網羅したCDに辿り着くことができました。
 
 こうして、そのシリーズ化されたCDによって1962年末まで収集できたのですが、1963年以降は、発売されなくなってしまっていました。1964年以降は、ご存じのとおりビートルズがアメリカで大ブレイクし「抱きしめたい」が1964年2月1日付ビルボードHOT100でNO.1になり、続いて「シー・ラヴズ・ユー」「キャント・バイ・ミー・ラヴ」が、5月2日までの連続14週に渡り首位を独占し、世界中の大衆音楽に大転換を促したのが1964年なので、難しいんではないかと思っていましたが、不思議に感じたのは、ブレイク直前の1963年からないのだろうと言うことでした。

 結局は、大したことではなくそのシリーズ化されたCDの裏面を見ると、EU盤だったことで得心がいきました。イギリスでの最初のNO.1ヒットは1963年1月11日にリリースされた「プリーズ・プリーズ・ミー」で30周連続1位を記録していて、イギリスでは1年先に時代の大転換が起きていたからなのですね。
 
 因みに、ご存知の方もおられると思いますが、正規のレーベルではなく、企画限定ものですが「THE GREAT BILLBOARD 500×NO.1」と言うCDが、1955年7月9日付「ロック・アラウンド・ザ・クロック」から1978年11月11日付「マッカーサー・パーク」まで全30枚、時系列でカバーしているのを一括で入手できたので、合わせると1940年から1978年までの約40年間のNO.1ヒットシングル曲は、ほぼ揃ったことになります。

 機会があったら、興味のある方たちと視聴会ができると楽しいだろうと考えているのですが・・・。
 長くなりました。話を戻しましょう。

 
*リバプールサウンド(ブリティッシュビート)

 初期のビートルズに代表されるマージービート(リバプール出身のバンドでマージー河に由来)グループを含めた、いわゆるリバプールサウンド(ブリティッシュビート)のバンドと言えば、ジェリー&ザ・ペースメイカーズ、フレディ&ザ・ドリーマーズ、アニマルズ、ハーマンズ・ハーミッツ、デイヴ・クラーク・ファイヴ、ゼム、スペンサー・デイヴィス・グループ、ホリーズ、キンクス等が挙げられます。
 また、マージービートとは言いにくいですが、ビージーズやウォーカー・ブラザース等も人気を集めましたね。
 
*ブリティッシュ・ブルースロック

 ブリティッシュ・ブルースロックの先駆者といえば、アレクシス・コーナーとジョン・メイオールだと思いますが、アレクシス・コーナーは、1961年「ブルース・インコーポレイテッド」を結成し、メンバーには、クリームのジャック・ブルースやローリング・ストーンズのチャーリー・ワッツ等も在籍し、ブライアンジョーンズやミック・ジャガー、キース・リチャードにも影響を与えローリング・ストーンズ結成のきっかけを作り、多くのミュージシャンを育成したこと等からブリティッシュ・ブルースの父ともいわれています。
 
 一方、ジョン・メイオールは1962年ブルースブレイカーズを結成し、そこにヤードバーズを脱退したエリック・クラプトンが加入したことは周知のとおりです。クラプトン脱退後もピーター・グリーン、ミック・テイラー、ハーヴィー・マンデル等のギタリストやジャック・ブルース、アンディ・フレイザー、ジョン・マクヴィー等のベーシスト等、多くのミュージシャンを輩出し、後のクリーム、フリートウッド・マック、フリーの誕生にも大きな影響を与えています。その他のブリテッシュ・ブルースロックバンドでは、サヴォイ・ブラウン、チッキン・シャック、クライマックス・シカゴ・ブルース・バンド、テンイヤーズ・アフター等も忘れられません。
    
*ブリティッシュ・ハードロック

 やはりヤードバーズの話しからしていきたいと思います。「フー・ユー・ラヴ」がヒットし、ヤードバーズのポップ志向に満足できなかったエリック・クラプトンの脱退によってジェフ・ベックが加入し、ジミー・ペイジがベースを担当したものの、結局ジェフ・ベックも脱退しジミー・ペイジがギターに復帰し、レッド・ツェッペリンの前身となったのはあまりに有名ですね。

 ハード・ロックの前に、そもそもロックン・ロールがロックと呼ばれるようになったのは、1966年ビートルズがライヴ活動を停止し、それと前後してリボルバーやサージェント・ペパーズを発表し、クリームやジミ・ヘンドリックスが登場し、そして1967年アメリカ西海岸を中心としたサイケデリック・ロックやアート・ロックのジェファーソン・エアプレーン、グレイトフル・デッド、クイック・シルバー・メッセンジャーズ、ドアーズ、バッファロー・スプリングフィールド等が登場した頃だと思います。

 それでは、ハード・ロック・バンドと呼ばれるようになったグループといえば、クリーム(クラプトン)、ジェフ・ベックグループ、そして何と言ってもレッド・ツェッペリン(ジミー・ペイジ)だというのが一般的だと思います。この続きは、70年代のところで触れていきたいと思います。
 
 
*プログレッシヴ・ロック
  
 ブリティッシュ・ロックでも極めてイギリス的なロックの中にプログ
レッシヴ・ロックがあります。ロックにクラッシックやジャズ要素等を
融合させた難解なロック全般(ジャズ・ロック、アート・ロックとも呼
ばれます)でピンク・フロイド、キング・クリムゾン、エマーソン・レ
イク&パーマー、ソフト・マシーン、イエス、ジェネシス、ジェス・ロ
タル、プロコル・ハルム、ムーディ・ブルース等が挙げられ70年代前
半にピークを迎えました。



ビートルズの代表的なアルバムを選ぶのは困難なので、アメリカン・ミュージック・ヒストリーと言うことで、ここはあえてアメリカでのセンセイショナルな、’64年4枚組BOX(CAPITAL盤)
朝日のあたる家は、フォークと黒っぽいヴォーカルが相まって衝撃的でした
本国では、NO.1ではないようですが、日本では「ビコーズ」ですね
ローリング・ストーンズのファースト。ルート66までやってましたね
クラプトンとブルースが、繋がった1枚
70年代のフリートウッド・マックとは全く違う、ブラック・マジック・ウーマンのオリジナルが入った1枚
クラプトン、ジェフ・ベック時代の聴き比べも楽しいかも
ジミー・ペイジ時代ならこれです
ある意味、ビートルズやストーンズより衝撃的だったかも
ギタリストから絶大な人気を博すジェフ・ベック初期有名盤
説明不要の赤い飛行船1枚目
個人的には、1番好きな2枚目、「胸いっぱいの愛」は、ハードロックの象徴曲
60年代と言うことで、ファーストアルバム、夜明けの口笛吹き
60年代最後に度肝が抜かれたアルバムですね


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