山崎 八州夫

ラジオから流れてきた洋楽に衝撃を受け、早や50年。 アメリカ大衆音楽(ブルース・ジャズ…

山崎 八州夫

ラジオから流れてきた洋楽に衝撃を受け、早や50年。 アメリカ大衆音楽(ブルース・ジャズ・カントリー・ブルーグラス・ロック&ポップス等)を中心にジャパニーズ、ワールドに至るまで、グッドミュージックなら何でも大好きオヤジです。カルチャー教室やイベント等、いつでも出張いたします。

マガジン

  • アメリカン・ミュージック・ヒストリー(20世紀ガイドブック)

    音楽の商業録音がスタートした1890年代から20世紀のアメリカを中心に100年以上にわたる大衆音楽を時系列に体系的にまとめることで、音楽好きないろいろな世代の方々(特に若者にも)に理解しやすく、楽しんでいただける20世紀ガイドブックにしたつもりです。紹介している音源も保有してますのでカルチャー教室やイベント等へも出張します。

  • Favorite Music (Now&Then)

    古今東西、「これ何かチョット良いなぁ」から「もう最高!」まで書かずにいられない「グッときた音楽」なら何でもありの音楽大好きマガジン。

最近の記事

アメリカン・ミュージック・ヒストリー第9章1980年代全般・・・その1

1. ニュー・ウェイヴとMTV(1980年代)  1980年代前半は、前項でも触れましたが、POPS黄金時代。  70年代終盤、セックス・ピストルズらのパンク・ロックは短命におわったものの、新たな時代感覚から多様なサウンド、ニュー・ウェイヴと呼ばれるミュージシャンが生まれてきました。また、1981年営業を開始したMTVの隆盛は、マイケル・ジャクソン、プリンス、マドンナ、ホイットニー・ヒューストン等のメガ・アーティストを生み出しました。  反面、1960年代後

    • アメリカンミュージックヒストリー・第8章(1970年代全般・・・その11)

      (14)ワールドミュージック  アメリカンミュージックは、世界中に影響を与えましたが、さまざま なワールドミュージックもアメリカンミュージックに影響を与え、新しい 音楽シーンを切り開いていきました。  ボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズ、ジミー・クリフの登場で世界的 にレゲエ・ミュージックが人気を呼び、そのリズムはエリック・クラプ トンを初め多くのロックミュージックやポップスにまで幅広く影響を与えました。また、アフリカのフェラ・クティは、ナイジェリアを代表する現代的なポピ

      • アメリカン・ミュージック・ヒストリー第8章(1970年代全般・・・その10)

        13.ブラック・ミュージック&ニュー・ソウル  ブラック・ミュージックが、全米ポップスチャートで当たり前のように大ヒットを飛ばすようになったのは、やはり60年代だと思います。  ヒット曲と言えば、何と言っても黒人女性ポップスグループですね。シレルス、シフォンズ、ロネッツ、クリスタルス、ディキシー・カップス、そしてモータウンからは、マーサ&ザ・ヴァンデラスやプリーズ・ミスター・ポストマンのマーヴェリッツ。  その中でも全米NO.1ヒット曲の多さと言う点で、唯一ビートルズに

        • アメリカン・ミュージック・ヒストリー第8章(1970年代全般・・・その9)

          (11)アウトロウ・カントリー&ポップ・カントリー    60年代のナッシュビル・サウンド中心のカントリーと距離を置き、テキサスを中心にしてホンキートンク・カントリー、フォーク、ブルース、R&B、スワンプ・ロック等のルーツ系音楽を取り入れ、骨太なメッセージ性を持ったアウトロウ・カントリー(レッドネック・カントリー)が、注目されました。  具体的にざっと名前を挙げてみると、ウイリー・ネルソン、ウェイロン・ジェニングス、ジョン・プライン、タウンズ・ヴァン・ザント、ビリー・ジ

        アメリカン・ミュージック・ヒストリー第9章1980年代全般・・・その1

        マガジン

        • アメリカン・ミュージック・ヒストリー(20世紀ガイドブック)
          47本
        • Favorite Music (Now&Then)
          12本

        記事

          アメリカン・ミュージック・ヒストリー第8章(1970年代全般・・・その8)

          10.北東部と中西部(ハートランド)のロック  実はこの当時、ハートランド・ロックと言う言葉は、ほとんど聞いたことがなかったのですが、現在では使われているようなので70年代ロックを全体的に俯瞰し整理するためには便利なので、新たに項目を設けました。  ハートランド・ロックとは、一般的にはアメリカ中西部と南部の一部を含む、比較的労働者や農民の割合が高い地域のことで、大統領選挙のカギを握ると言われる「ラストベルト」地域も含め、これらの階層の喜びや悲しみをロックの歌詞とサウンドに

          アメリカン・ミュージック・ヒストリー第8章(1970年代全般・・・その8)

          アメリカン・ミュージック・ヒストリー第8章(1970年代全般・・・その7)

            9. AOR&フュージョン  AORとは、アメリカではアルバム・オリエンテッド・ロックのことで、シングルチャートよりもアルバムの完成度を重視したスタイルのことでしたが、70年代後半から80年代にかけて日本の音楽用語として、大人向けのロックと解釈されアダルト・オリエンテッド・ロックを略してAORと呼ぶようになりました。  ですので、ここで紹介するAORは、後者の意味として進めていきますが、ちょっとその前に、この章でも個人的昔ばなしに少しお付き合いいただきたいと思い

          アメリカン・ミュージック・ヒストリー第8章(1970年代全般・・・その7)

          アメリカン・ミュージック・ヒストリー第8章(1970年代全般・・・その6)

          (7) ロックの肥大化  1970年代も後半に入ると、1,000万枚前後のセールスを記録するアルバムが、フリートウッド・マックの「噂」、ピーター・フランプトンの「カムズ・アライヴ」、スティーヴィー・ワンダー「キー・オブ・ライフ」、イーグルス「ホテルカリフォルニア」「ロングラン」と相次ぎ、1976年から従来のゴールド・ディスクに加えてプラチナ・ディスクが設定されました。因みに最初のプラチナ・レコードは、イーグルスの「グレイテスト・ヒット」でした。

          アメリカン・ミュージック・ヒストリー第8章(1970年代全般・・・その6)

          アメリカン・ミュージック・ヒストリー第8章(1970年代全般・・・その5)

          (6) アメリカン・ルーツ・ロック(スワンプ・サザン他)  前項の西海岸を中心としたウェストコースト・ロックと共に、自分自身最も思い入れが強い1970年代前半のロックが、アメリカンルーツ等と呼ばれる音楽です。   ザ・バンドやクリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァルに端 を発し、70年代に入るとオクラホマ州タルサ出身のレオン・ラッセル、JJケイル、ジェシ・エド・デイヴィス、ロジャー・ティルソン、そしてマーク・ベノ、デラニー&ボニー、リタ・ク

          アメリカン・ミュージック・ヒストリー第8章(1970年代全般・・・その5)

          アメリカン・ミュージック・ヒストリー第8章(1970年代全般・・・その4)

          (5) ウェストコースト・ロック    1971年、ロサンゼルスにアサイラムレコードが設立されました。 私の学生時代(中学、高校、大学)のど真ん中であり、最も思い入れの 強いレコード会社の一つです。    ざっと挙げても、イーグルス、ジャクソン・ブラウン、JDサウザー、トム・ウェイツ、ネッド・ドヒニー、ウォーレン・ジヴォン、クリス・ヒルマン、リッチー・フューレイ、ローワン・ブラザース、出身はニューヨークですが、アサイラムに移ってブレイクしたオーリアン

          アメリカン・ミュージック・ヒストリー第8章(1970年代全般・・・その4)

          アメリカン・ミュージック・ヒストリー第8章(1970年代全般・・・その3)

          (3) ブリティッシュハード&プログレッシヴ・ロック  この時代、リアルな体験者としての感覚では、ブリティッシュハード&プログレッシヴ・ロックの人気が高く、この辺を聴いてないと学校の音楽仲間と話ができなかったですね。  ハード・ロックと言えば、何と言ってもレッド・ツェッペリン、ディープ・パープル、ブラック・サバスが三大ハード・ロックバンドと呼ばれていました。私自身もレッド・ツェッペリンの「Ⅰ~Ⅳ」、ディープ・パープルの「イン・ロック、ファイアーボー

          アメリカン・ミュージック・ヒストリー第8章(1970年代全般・・・その3)

          アメリカン・ミュージック・ヒストリー第8章(1970年代全般・・・その2)

          (2) 70年代前半のポップス(シングルヒット)  アメリカ大衆音楽のレコードヒットは、1950年代までは、シングル盤のことを意味していたと思いますが、60年代中頃以降になると、シングルヒット以上にアルバム単位での評価が重要視(アルバム・オリエンテッド・ロック・・・日本特有のアダルト・オリエンテッド・ロックのAORとは違って、本来の意味でのAORですね)されるようになってきました。とは言え、シングルヒットと言うか、シングル盤への拘りが強いフアンも根強

          アメリカン・ミュージック・ヒストリー第8章(1970年代全般・・・その2)

          アメリカン・ミュージック・ヒストリー第8章(1970年代全般・・・その1)

          1. 欧米ロックの多様化とシンガーソングライター(1970年代)  今回から、1970年代に入ります。70年代は、私にとって特別思い入れが強い年代なので、本文に入る前に少し前説を加えさせていただきたいと思います。  と言うのは、1890年前後からのアメリカン・ミュージックを中心に、様々な大衆音楽を時系列に紡いできましたが、厳密に言うと今までは、自分自身の洋楽体験としては、すべて後追いで聴いたものであり、本当の意味でのリアル体験記としては、1970年代こそが、中

          アメリカン・ミュージック・ヒストリー第8章(1970年代全般・・・その1)

          アメリカン・ミュージック・ヒストリー第7章(1960年代全般・・・その6)

          (5) ワールドミュージック  この時代、アメリカとイギリス以外に目を向けると、ラテン系の音楽が目立ちますね。まず、ブラジルのボサノバが世界的なブームとなりました。    1964年のビートルズ旋風の際も、スタン・ゲッツがジョアン&アストラッド・ジルベルト、アントニオ・カルロス・ジョビンと録音した「ゲッツ/ジルベルト」は、グラミー賞を受賞し、セルジオメンデス&ブラジル66も大人気になりました。    また、本来キューバ系ダンス音楽のサルサが、ニューヨークを発信地とした若い

          アメリカン・ミュージック・ヒストリー第7章(1960年代全般・・・その6)

          アメリカン・ミュージック・ヒストリー第7章(1960年代全般・・・その5)

          (4) ソウルミュージックの台頭  ソウルミュージックは、40年代、50年代のリズムアンドブルースを受け継ぎ、その名のとおり教会の思想や魂が強く影響した音楽と言われています。背景には、キング牧師の人種差別撤廃運動や公民権運動の高まりがあったことは言うまでもないと思いますが、黒人であることの誇りや自己肯定(ブラック・イズ・ビューティフル)意識が反映された音楽と言えそうですね。  最初にソウル時代の扉を開いたといわれているレイ・チャールズ、サム・クック、アリサ・フランクリン、

          アメリカン・ミュージック・ヒストリー第7章(1960年代全般・・・その5)

          アメリカン・ミュージック・ヒストリー第7章(1960年代全般・・・その4)

          (3)アメリカンロックの逆襲(1965年~69年)  1964年ビートルズの襲来により、ポップスとフォーク花盛りのアメリカ音楽業界には1956年のエルヴィス以来の激変が起こりました。  その影響は大きく1965年ボブ・ディランがエレキギターを持ち、フォーク・ロックを創出し、同じく1965年ブルースの本場アメリカでも、白人ブルースバンドが登場してきます。シカゴのポール・バタフィールド・バンドを初めとして、ロサンゼルスのキャンド・ヒートやテキサスのジョニー ・ウインター、そし

          アメリカン・ミュージック・ヒストリー第7章(1960年代全般・・・その4)

          アメリカン・ミュージック・ヒストリー第7章(1960年代全般・・・その3)

          (2)ブリティッシュ・インヴェイジョン  1962年ビートルズのデビューシングル「ラヴ・ミー・ドゥー」は、英国チャート17位止まりだったものの1963年のセカンドシングル「プリーズ・プリーズ・ミー」が英国1位になると、以降イギリス国内でのビートルズ人気が爆発し、1964年世界進出によりアメリカでも空前のビートルズブームとなったのは周知のとおりですね。    ここで、ちょっと余談なんですが、このアメリカン・ミュージック・ヒストリー(20世紀ガイドブック)を書き始めるにあたっ

          アメリカン・ミュージック・ヒストリー第7章(1960年代全般・・・その3)