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長年の謎「君の親は教員か?」という質問について

もう10年ちょい前のことだが、kさんという20歳近く歳上の男性と知り合った。まぁおじさんである。自分のバンドのライブの後にその場でちょっと話したのかな?あんまり覚えてないけど後日サイトに載せていたアドレスにメールが来ていて、なんやらめちゃベタ褒めの内容で、当時は自己肯定感が無だったのでうれしいとかじゃなくて申し訳ないなぁと思った。
kさんはぱっと見地味な格好をしていて、メガネだし、おとなしそうに見えるが、財布とか靴はブランドものやったしたまに着てるジャージとかジャンパーを見るにわりとこだわりがある人だったと思う。
kさんは某文学作品から取ったワードセンスが攻めてる感じのパンクバンドをやっていたのでその後もライブとか打ち上げなどでたまに会う機会があった。当時わたしはお付き合いしている男の人と住んでいたのだが、その彼とkさんがわりと仲良くなったので、わたしと彼とkさんの3人で飲む機会が出来た。その時初めてなめろうを食べてめちゃくちゃうめぇなんだこれと思った。てかアジって刺身で食えんの?というレベルの人間だったので、その日初めてアジに目覚めた。脱線したw
そのような感じで何回か近場で飲んで、三者気心知れいろいろ話すようになった頃だったと思う。kさんが「くねちゃんの親って、教員かな?」と斜め上の質問をしてきた。教員じゃないし教員の子供っぽい要素どっかにあったんやろか。質問の意図がわからない。その時は意味不明すぎて「え、違いますけど、……え?」ってなった。kさんは「あ、違うんだ?別に意味はないけど、なんとなくそう思った」くらいの返答で、何か違う話題に移った。その日は沖縄料理の店だったのでわたしはチャンプルーとなんか豚肉煮たやつを黙々と食べた。
わたしはその時のことを何故か強烈に覚えていて、ふとした時思い出すようになった。「親が教員」というのは子供にとってどういうことなのかぼんやり考えるようになった。わたしの親は自衛官と事務さんなので全く違うような気がするが、親が教員だと思われてしまう部分ってなんなんだろう。……うまく想像できない。先生は職業で先生の役を演じている人だから、家では全然違うかも知れない。それと、わたしは同級生と全く関わりがなかったので、教員の子供との関わりもなかった。だからよく知らない。他人のことなんて何も知らないのだ。
飲み会の後日、「親が教員」について軽くネットで調べてみたところ「世間の常識とズレた価値観で育てられるから変わり者が多い」「甘やかされてるというか放置されてるイメージ」という書き込みがあり、「あー、わたしあの時disられたのか」と時差でショックを受けた。
ま、今となってはどういう意図だったのかなんてわからない。うっすら悪意があったのかもしれないし、本当にただなんとなくの話だったのかもしれない。

その後の時期から現在までに出会った人たちの中で親が教員だという人が何人かいた。その人たちとはそれぞれ全然違うところで出会ったのだが、それぞれとても変わった人だった。そしてわたしのことをよく気にかけてくれた。その人たちは自分でよく考えて自由に行動して、その中で自分の幸せを見つけている人たちだった。わたしはその人たちを尊敬しているし、わたしはその人たちのことが今もずっと好きだ。親が教員の人たち、世間とズレてるのかな。ズレててもわたしは好きだな。それでいいな。

生きていたいし絵を描きたいし文章書きたいしごはん食べたいと思う。