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㉒気仙沼らしさ

リアスアーク美術館を後にして、海側に向かいました。中心部はコンパクトなので、自転車移動も充分可能ですね。そして海側に来た途端、驚きました。漁船の群れです。

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大型漁船の群れです。ここまで大きい漁船がずらずら並んでいる。

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この光景はかっこいい。テンション上がる。漁師やりたくなった。

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気仙沼は「海と生きる」だけあって、昔から漁業が盛ん。リアス式海岸によって海岸線はとても入り組んでおり、気仙沼中心部が位置する気仙沼湾の内湾は、大島と唐桑半島で守られた気仙沼湾の一番奥に位置している。

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奥まっていることで、海なのにほとんど波がないんですね。これは台風来てもほとんど荒れない。それほど奥まっているということです。そのような気仙沼一帯は世界三大漁場の一つと言われ、暖流寒流が出会う好漁場だという。確かにこの大型漁船の列は圧巻です。一番有名な名産はメカジキだそうです。鼻がながいあいつ。それを一本釣りで釣るらしい。そのほかにもありとあらゆる海鮮が売っていました。でましたホヤ。驚きました。心臓じゃん、あれ。しかもあれ動物らしいじゃん。不気味すぎて食べることができる気がしません。どんな味するんですかね。

漁船に感動していたら見えてきました。近年できた商業施設。「迎える」

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そしておかえりモネの看板が至るところにありました。気仙沼はおかえりモネの撮影地なんですね。恥ずかしながら一度も見たことないんですが、ちょっと興味湧きました。そんな気仙沼。おかえりモネをでかでかとPRしている一方で人はまばらです。予測ではおかえりモネ需要を見込めるはずだったようですが、コロナの影響でほとんど観光客はこず、しかも近年は不漁続き。経費割れを起こしている所も多いそうです。

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確かに新しく整備されたとはいえ、なぜかパッとしない。人もあまりいない。東京から最速3.5時間と銘打っていいましたが人口減も深刻で、将来の見通しも立たない状況が続いているようです。これがとても難しい問題ですよね。つまり災害後整備して新たな施設をつくることは良いとしても、そこは以前の気仙沼とは大きく異なっていて、以前とは全く違う様相になってしまっているということです。

―知らない町がそこにはあった。

今まで気仙沼の魅力を生み出してきた「気仙沼らしさ」が失われてしまった。そこはただの無機質な町になってしまっている。気仙沼ではない町。でもそこは気仙沼。これは観光客を呼び込むうえでアプローチがとても難しい。無機質で、不便な町に来てもらうにはどうすればいいのか。僕たちが期待している田舎にでかいマンションなんていらないんですよね。僕たちはあの雑多な、魚臭い気仙沼を求めていた。しかしもうその気仙沼はいない。では気仙沼のアイデンティティはいったいどこにあるのだろうか。これは被災自治体の多くが直面していると思います。兎にも角にも僕ができることは気仙沼にお金を落とすことなので、メカジキづくしセットを頂くことにします。

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これがめちゃくちゃおいしい。メカジキの背びれから採れる希少部位「ハーモニカ」と呼ばれる部分が最高です。文字通り、ホネがハーモニカ状になっていて、身がその骨についている。その身を剥がしながら食べる。うまいですねこれは。皆さんも気仙沼に来ませんか。

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