思ひ出のプリン
それでもなお、
この人と一緒にいたいと思ったのは
これを食べたからだろう。
私の好きな物や人はすぐに忘れる癖に
私の好きな食べ物だけは覚えていた。
これ好きだよね?と自慢げに言ってくる君が脳裏に浮かぶ。
喧嘩をした次の日にコンビニで買ってくるプリンも
誕生日の日に食べたプリンも変わらずいつだって優しく私を纏うように側にいてくれたような身近な食べ物。
たまごと牛乳と砂糖というシンプルな材料で
人類を虜にしてしまうプリン。
フォルムもまた愛らしく、
スプーンで触れればぷるるんっと踊るプリン…
ああ、プリンみたいな人だった。
単純で愛らしくて皆から可愛がられていて、、、
ただ、わたしにはちょっとカラメルが苦かったかな
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