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読書日記

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記事一覧

韻律の研究

『短歌と日本人〈3〉韻律から短歌の本質を問う』馬場あき子(編集) 口語と出会った短歌律…馬…

やどかり
1時間前
7

未だに占領時代の影響下にある日本の黒い霧

『新装版 日本の黒い霧 (上) 』松本清張(文春文庫) 下山国鉄総裁謀殺論 その裏にGHQの内紛が…

やどかり
4時間前
3

『源氏物語』から疎外された光源氏の小説

『窯変 源氏物語〈8〉 真木柱 梅枝 藤裏葉 若菜上』橋本治 (中公文庫) 真木柱 原作が面白す…

やどかり
17時間前
8

短編小説ベスト5

読書メーターで「短編小説ベスト5」という題が出たので考えてみたいと思います。まずすぐに浮…

やどかり
1日前
19

後鳥羽院、孤独なうた詠み

『女房文学から隠者文学へ 王後期朝文学史』折口信夫 折口信夫の歌論。批評家、国文学者とし…

やどかり
4日前
10

ガーダ パレスチナの「もだえ神」

『ガーダ 女たちのパレスチナ』古居みずえ 映画『ガーダ パレスチナの詩』のテキスト版か。映…

やどかり
8日前
11

ともづな(家)に繋がれる欲望

『新源氏物語 霧ふかき宇治の恋(上)』田辺聖子 (新潮文庫) 大君がそこまで薫を拒絶するのは男には興味がないからなんだろうか?以前は父の遺言に縛られた不幸な姫君だと思っていたが理由は他にもありそうな気がする。大君の妹愛も一人善がりな感じがした。 薫は優柔不断な男すぎる。匂宮とセットなのかな。以前は対立する薫とライバル関係だと思っていたがそうでもなさそう。薫が優柔不断すぎるのだな。柏木の血筋だろうか?違う翻訳を読むたびに感想が変わっていく。それだけ原作も色々視点があるのだろ

「世界文学」から「現代文学」への『源氏物語』

『源氏物語―A.ウェイリー版〈3〉』毬矢まりえ+森山恵姉妹(日本語訳) 『雲隠』の帖が削…

やどかり
2週間前
16

終わらない『源氏物語』、夢の続きは

『源氏物語 下 』(翻訳)角田光代(池澤夏樹=個人編集 日本文学全集06) 感想 光源氏が亡くな…

やどかり
1年前
5

吉本「西行論」は親鸞になりえたのか?

『西行論 』吉本隆明(文芸文芸文庫) 1 僧形論 西行の説話集『撰集抄』は今日では贋作とされ…

やどかり
2週間前
8

多様性の旧約かと思っていたがそうでもなかった。

『物語としての旧約聖書: 人類史に何をもたらしたのか』月本 昭男 (NHKブックス) 神の似姿に…

やどかり
2週間前
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ダース・ベイダーとしての光源氏の老いの世界は喜劇となっていく

『窯変源氏物語〈7〉胡蝶螢常夏篝火野分行幸藤袴 』橋本治(中公文庫) 玉鬘十帖のうちの7話。…

やどかり
3週間前
6

美意識=死生観なのか?

『短歌と日本人〈2〉日本的感性と短歌』佐佐木幸綱(編) 座談会「日本人・こころ・恋歌」……

やどかり
3週間前
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2024年4月の読書

『春と修羅』の読書。西行の求めた世界は桜だけではなく月もあったのだ。そして地獄絵図の世界。その中で詩は可能なのだろうか?と問う。。 ベスト本 『短歌研究2024年4月号』 俵万智特集。俵万智が何故人気があるのかわかったような。 『白鯨』ハーマン・メルヴィル 読みかけの『白鯨 下』を読んだ。なるほどこれが世界文学だった。 『地獄遊覧 地獄と天国の想像図・地図・宗教画』by エドワード・ブルック=ヒッチング(著) 地獄本は「日本版」と合わせてどうぞ。 『角川俳句コ