ありさ

忘れたことさえ忘れてしまいそうなことを、言葉で、声で、姿で表現するために🦄🌈R3.3.…

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忘れたことさえ忘れてしまいそうなことを、言葉で、声で、姿で表現するために🦄🌈R3.3.29 りにゅうあるしましたhttps://twitter.com/azm_0112

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    どこか彼方にあるあるを

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    ネタバレてるときあります

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    主に小説。ときどき脚本。いつの日か短歌。

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上川郡ポケビ編

HPが満タンじゃないところから、流れるように時間をおしすすめることも、時には必要だ。かえりに『Days』を聴くその三分間だけ、あたたかく、真剣に思いを巡らせていた。 JRに車、バスととにかく乗りものにのっていた。珍しく帰りのバスの揺れが、半分寝惚けてなぜか運転手さんがハンドルを握っていると信じられなくてこわかった。 夕焼けに衝立が流れていく。昔から、後部座席の左がわに座って、窓から景色のしゅんしゅんを眺めていた。ポケットビスケッツの署名活動をリアルタイムで観ていた記憶はな

    • 本屋大賞2024

      ノミネート作すべて、無事読破📚 今年はひとりで、ジュッと短期戦でした。 それもまた良きかな。読んだ順。 『リカバリー・カバヒコ』青山美智子 唯一ノミネート発表前に図書館で見つけ、1時間半で読んだ。昨年度ノミネート作『月の立つ林で』と同じ構えをもっていた。『赤と青のエスキース』『お探し物は図書室まで』もそう、もう型が決まっている。短編で、それぞれが繋がっている。誰にでもわかる。ほろほろする。それが悪い、ということがない。安心するし他の作品にも手が伸びやすい。そして今作。不安

      • 春曇

        Oleatoが久々にヒットしている。 🌿 当然ながら晴れた天気を座って遠くから眺めているようなものではない。盛大な勘違いをしたままここまで来た。『女王の教室』に出ていた子役も同じ。ぜんぶ同じ。 甘やかしてした筋肉にほんの少しだけ冷たくしたのち、プロテインを溶かし飲むとき、いち、に、さん、し、と数を数えている。 春の『デスノート』と『リアル鬼ごっこ』はいい。ちらっと横でかけておくだけでいい。曇り空とよそよそしいビルを見ているとひと安心ができる。 手に届きそうなことを自分

        • ひるがえ‐る

          気心が知れ渡りきっている人から軽やかに甘い! と言われるのは心地よい。 数え年90(歳のわりにと言われることがモチベーションになっているらしい)の祖父が自分のことを青年だと言っていた。母は東京オリンピックの体操選手から名前をつけられていた。水泳選手じゃなかった。レクサスにのって青年の一部を不気味がる叔父は刺身定食を食べさせてくれた。叔父の名は政治家から。ビールもつけてくれた。 大音量でSPECがかかっている部屋で過ごした。特段寝やすいわけではないけれど、できればふた月に一

        上川郡ポケビ編

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          閏から閏まで

          『銃口』をひらいては、目がじんじんしている。 上着がいやで、歩いているのを建物のガラスに映してみると、吐く息が白く見えた。 咳にやりすぎな怒りがこもる。 たいていの人についている喉のつまみをしぼりたい。 私がカフェの椅子に根を生やしすぎなのかもしれない。 おそらくiPadにApple Pencilで、つるんとしたアニメーションの瞳を描いている人がいる。 腱鞘炎をまぎらわせるサポーターのような手袋をはめている。薬指と小指に炎症がいくくらい上手に描いてきたんだと斜め後ろか

          閏から閏まで

          約七二〇〇秒

          ほの明るくない予感がして、うしろにまとめた髪に左手をやると、その予感は当たっていた。 買ったばかりのカンザシを失くした。潔く空に勘弁してくれと言ってコートをやめたところまではよかったのだけれど、マフラーがよくなかった。 やけに冷静だったのは、友達の前だったからではない。手紙を落としたばかりだったからだ。今回は中身がわからないままじゃない。だから全然平気だ。3600円くらい。 透明で、ゴシック調のレタリングで、ちょうど自分のイニシャルだっただけだ。 チャンスは何度だってや

          約七二〇〇秒

          漂流

          ラジオを聴いて歩いている。雪道は険しく、申し訳ないと思いながら車道を歩くしかない。貼り替えなければいけないものや、尋ねなければすすまないことが目に入ってくる。今の状況を言い表すとしたら、‘漂流’が一番正しい。勿論、いつか大きな雷が落ちることをおそれながら漂い、思考はぐるぐるしているところもまさにそうだ。 顔まわりをカットするか否か。 恥ずかしさはコンタクトの度数を下げれば解決する。私も遠くの焦点を合わないようにすれば良かったんだ。視覚効果の把握が鈍い。 まるで毛布!の靴

          『文藝 2024年春号』

          今。 バルクアップ!プロテイン文学と言われれば読むしかない。ラベルをつけるって本当にすごいことだ。 長井短『存在よ!』 こわいきもちで〜急にこうやってぽん って入ってくる文章のファンです。 泣きそうになった幽霊の献身、応援 想いが届いてよかったね。 児玉雨子『跳べないならせめて立て』 かつてバレーボール運動をしていた自分とどこか無理矢理にでも重ねて読んでいるのだろうな。口調は憧れるものに似る。 王谷晶『蜜のながれ』 小説なんて書けるもんじゃないと強く思っていたこの

          『文藝 2024年春号』

          常温

          黙ってじっとして考えているのと、体を動かして長針を押し進めるのとを比べてみると、少しだけ後者の方がいい気分でいられるのではないか。 カフェインはがぶがぶにとった。会ってみればヤな感じになった知り合いもいたし、有難い友達と自分なりにゲラゲラもした。 撮る写真は最低限になった。そうしないとあとで取捨することが大仕事になってしまう。 『千両みかん』の考え落ちがしばらくわからなくても、ずっとくり返し聞いて歩ける。 もうひとつのポイントは、乾かすことです。 🍊

          永い

          永い休みのうちに改めて気付いたことといえば、何と感慨がちなんだろう、ということだ。ミッキーマウスがドラムを叩いたその足でタップを踏む。海の舞台が始まる直前にねぇねぇと騒ぎ立てて、30歳になった。 近くに置いていたものをどんどんどんどん放していった。歌人やYouTuberに会った。思い描いていたよりもたけしたけしという感じにはならなかった。 旅に出て、買った鞄があたたかい。 手元にじゅうにぶんにある。本も当分いらない。 これからは、出来うる限りわかりやすいことが大切だと思

          『水引』

          渋谷〇〇書店で装丁に目を奪われて購入した。大森静佳さんとお話できたことも短歌をつくってみたこともずいぶんと前のことで、この一冊も夏に買ってからしばらくの間、ビニールに入ったまま本棚に横になっていた。 自分に課した100冊をとうに読み終えて、文芸誌にばかり手がのびる。そのことがうれしい。完了主義な自分に中途半端を許せるこの2か月間のことがふわふわと不安で、10日に一度くらいうれしい。 さいごのどんでん返し、裏切りが好きだ。映画じゃん。 わたしって「例えば」を全然ふさわしく

          『水引』

          『文藝 2023年冬号』

          見つけてもらうために、見つけてもらいにいかなきゃいけない。例により連載以外は読みました。 座りたいと思っている椅子にはもう100人じゃきかないくらいの人々が座っている。外側の方に座っているあの人の本が好きだった。けれどもtwitterって残念なほうに転んでしまうほうが多いのかもしれない。だからやめた。どちらにしたって見せかけだ。とって代わるように、いや本来というのか、対談に勇気をもらうのだ。他者を意識するにしても一人で輪を閉じてしまうことは、あまりにもこわくて恥ずかしいこと

          『文藝 2023年冬号』

          『2023年に観た映画』3選

          1.『犬王』 まず私は身体表現への関心が分厚い。面をかぶって舞うことへの憧れとともに、ひとつめのパフォーマンスで気持ちを持っていかれてしまった。時代が合っているのか自信はないけれど、室町にもつ飾り立てのない異質なイメージがいきなり現代と錯綜してスタートする。カットが1秒より短い。こういう時間の切り取り方をするんだなぁーと思う。色も口語もギターもアンプも、当時の高揚を今感じさせるために必要だったのだろう。説得力のある音楽だったんじゃないだろうか。アヴちゃん、何者なんだ。森山未

          『2023年に観た映画』3選

          いちばん楽な風邪

          体にちゃんと関心を寄せ始めた。やっとだ。今まで著しく鏡を見てこなかったのかもしれないな。herbalを着て、一日を歩く。 🚶 公開初日に『首』を観てきた。何というか、お祭りだった。イテテテテテな画面が、音が、もう全然平気になってしまった。早く宇多丸氏の批評が聴きたい。 原マスミのライブにやられた。よく取り憑かれたように歌う人というのがいるが、完璧に取り憑くほうの音楽家だった。 吉本ばななを熱心に読んでいて、私は彼の描く絵に似ている自負があって、そうしてこの祝日に廃校にな

          いちばん楽な風邪

          『文藝 2023年秋号』

          町屋良平「生きる演技」 ナイスタイトル。装丁がかわいらしくて、『1R1分34秒』を読んだのはもうずいずん前のことだ。格闘技要素が入りがちである。町屋さんの身近にあるのだろうか。あるのだろうな。結末にストーリーまでも入り込ませられる。一人称は‘かれ’。 尾崎世界観「電気の水」 検索→AI。 尾崎さんが小説を書く動機を大いに告白している。過去と未来じゃなくて、今への向かい方が短く短く示されている。 滝口悠生「恐竜」 子どもという存在のおもしろさを嫌な感じなしに書く。やん

          『文藝 2023年秋号』

          『文藝 2023年夏号』

          どうやら出力がうまく行っていないらしい。全部は読めなくとも、創作と短編だけは読み、記録していきたい。これから出力できるように読むことがかなっていきますように。掲載順ではなく読んだ順に。 朝比奈秋「あなたの燃える左手で」 国と身体。 切られてしまうことに、ずっとえー!となる。そのえー! が最後まで持続する。 児玉雨子「##NAME##」 私にとってスレスレの気持ち悪さはエンタメで、毒親はエンタメじゃない。 佐藤究「幽玄F」 仏教。🕉️ 評論家各氏が難しいと評する本作

          『文藝 2023年夏号』