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過去作 vol.34

我がための命は燃えて潰えども夢は炎の内側で咲く

先生へ『未来の僕』を渡せずに家の事情で町を去りたり

つばくらめ、どうして雛を愛するの僕はどうして愛されないの

わたくしの胃で溶けてゆくシマアジも誰かを溶かし生き抜いたのだ

ベランダで星を眺めて人生に寄り添うような歌を詠みたい

校正を生き抜いた字に気付けどもコピー用紙は吸い込まれゆく

壱萬の同胞たちがリアタイで同じ画面を見ている表示

魅せ方が完成してて疑うよ同じ世界に生きてるなんて

サバイブをしようぜ誰が勝つことも見られることもない人生を

苦しみを恐れず生きる貧困と病の中で終わるのだから

乱雑に積み上げられた本たちを整列させるような生活

サビで舞うマフラータオルの花は閉じライブハウスを旅立ってゆく

生き霊を飛ばしかねない私を受け入れて立つ温泉の波

賜ったサインボールを共としてなるべきものになる旅をする

新しい苗字はキュウビよろしくね数字じゃなくてボールの球よ

祖母だけに見える墓守たちがいて看取った猫が寝ているという

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